接点
最近忙しくなってしまい投稿遅れ気味ですみません。
中々前のようには投稿できませんが、投稿は続けていきますので今後ともよろしくお願いします。
「誰この人? カゲトラの知り合い?」
「まあ、知り合いっつーか顔見知りっつーか……」
影虎はミコモにそう説明する。
「まさかノセさんもここに転生していたとは……」
「そうだよ。中々大変だったけどね」
萌葱はしみじみと言った。
「それで……私は君に話さないといけない事があるんだ。ちょっと時間を貰える?」
「何か……あるんですね? 分かりました、エルさん、ミコモ、悪いけどちょっと行ってきます」
「カゲトラちゃん……分かったわ。私達はギルドの報酬を受け取りに行くけど、何かあったらすぐに呼ぶのよ?」
「はい。でも大丈夫ですよ。心配なさらずに」
影虎はそう言って二人と別れ、ここで話をするのも何だと萌葱と影虎は人の少なそうな近くの喫茶店に入った。
「いらっしゃいませ~二名様ですね?」
「はい、そうです」
そして店員に案内された席に座る。
「そう言えば本名を教えていなかったね。私の名前は月瀬萌葱。よろしくね」
影虎が呼んでいるノセさんという名前は萌葱がイラストを掲載しているクイッターというSNS上での名前である。
コ〇ケにも出品しており、影虎と面識があったのはコ〇ケとクイッターによるやりとりがあったからだ。
「本名萌葱さんか……素敵なお名前ですね。俺は尾野影虎っていいます。こちらこそよろしくお願いします」
そして二人は握手を交わし、微笑んだ。
萌葱はその直後、真剣な表情になってこう続ける。
「さて……早速本題といこうか……」
「ええ、お願いします」
萌葱は影虎に今の状況を聞かせる。
メコル王国が魔族侵攻の対策として翳の勇者召喚を行った事。
その召喚は失敗してしまったかのように思われたが、召喚が行われた神殿で不思議な現象が起こった事。
今王国はその現象を翳の勇者の仕業ではないかと考え、血眼で捜索をしているという。
それで異世界召喚され巽の勇者になった萌葱に捜索のお鉢が回ってきた。
萌葱はそこで自身の絵で翳の勇者を捜そうとした所、開始早々影虎が見つかったというのが萌葱が影虎に聞かせた内容だった。
さらに萌葱はこう続ける。
「影虎君……君が噂の翳の勇者かもしれないからここに連れてきたんだ。勇者なら何かしら異能力をもっている筈なんだ。持ってたりこの話に心当たりがあったりする?」
「あー大分ありますね……」
「本当? 詳しく教えてよ」
影虎は詰め寄る萌葱に隠行の事やそれで神殿を脱出した事などを話した。
「うん、影虎君、どう考えても君が翳の勇者だよ。そういう訳で一度メコル城まで来てくれないかな? 王様から色々と説明があると思う」
影虎は召喚時に誰もいなかった訳を知り、自分が翳の勇者だったのかと少し驚いた。
だが異世界転生ものならこういう展開はあるあるだろうと城に行く決意を固めた。
「なるほど、分かりました……後、自分の仲間もそこに連れて行ってもよろしいですか?」
「それはちょっと分からないね。でも理解のある王様だし、多分いいと思うよ。とりあえず君の仲間に来てもらってもいいかな?」
「はい、分かりました。それなら二人を呼びますね。もうギルドの報酬の受け取りも終わっているでしょうし」
影虎は携帯で二人に電話を掛ける。
「もしもし、エルさんとミコモ?」
「そうだけど……やっぱり何かあったのカゲトラちゃん?」
「何かあったんなら言ってよカゲトラ」
二人はいつもの調子とは異なり心配そうな声色だ。
影虎はそんな二人に衝撃の事実を伝える。
「実は俺……俺も今まで知らなかったけど……翳の勇者だったんだ」
「「ええ!?」」
「そんな訳で今いる喫茶店まで来て欲しいんだけど……」
「い、今すぐ行くわ……そ、そういえばあの上級魔族もそんな感じの事を……」
「嘘でしょ……全人族の希望がカゲトラだったなんて……」
二人はかなりの衝撃を受けたようだ。
それは無理もないだろう。
自分のよく知る人物が伝説の英雄だったと知れば誰であれ驚愕するだろう。
「それじゃあお願いします」
「「は、はい……」」
そうしてしばらく待っていると、程なくして全速力で走って来たのかぜえぜえ息が切らした二人がやって来た。
「はあ、はあ、急いで飛ばしてきたわよ……」
「カゲトラ……その話、聞かせてもらおうじゃないの……」
「じゃあ私が説明するわね」
萌葱が二人に事情を説明した。
「ただ城に入る許可が貰えるかどうかなんですよね。大丈夫だとは思うのですが……」
萌葱の考えにエルドレットが言葉を添える。
「それなら大丈夫じゃないかしら? この前皆で上級魔族を討伐した功績でお城に呼ばれているわよ?」
「え? そうなんですか? なら絶対入れますね……というか何でそれを先に言わないんだ影虎君!」
「す、すみません……言い忘れてました……」
そうして四人はメコル城へと赴く事となった。
「でも何か忘れているような……まあいいや」
一人萌葱だけは首を傾げていたが。
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一方その頃……
「ええ!? 上級魔族を倒した人が居るんですか? 是非教えてください」
「分かりました勇者ハルト様……詳しい情報をお教えしますので少々お待ちを……」




