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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ覚醒編
32/117

論破

「ーーー真、飛水斬」

「ろ、論破!」

ミコモの霊術を硬化で威力を消すロゴス。


「ん?さっきまでは防げていなかった筈だぞ……? どういう事だ?」

影虎は霊術を防いだロゴスの腕を見る。

先程よりもごつくなっている。


「硬化の強さを上げた……?」

しかしロゴスの性格を鑑みるにそんな事が出来るのなら最初からそうしているだろう。


「あんた……能力の範囲を絞って効力を上げたわね」

「ご名答。何処に絞ったかは教えられませんけどね」

ミコモがロゴスの能力上昇の仕組みを見破った。


「なるほど……絞ったらそれだけリスクも負う……だから使わなかったのか……」

影虎は納得した。


「さて引き続き行きますよ。論破!論破ァッ!」

「ーーー連水弾」

ロゴスの突きをミコモはマシンガンのように高速で射出される水の弾で応酬する。


「速い……ですが論破!論破!論破ァ!この程度なら防ぎきれます」

一つ一つが銃弾以上の速度と威力を誇る水の弾を平然と腕で受け流していくロゴス。


「あんたさっきから防戦一方じゃない。少しは攻撃してきたら?」

ミコモも霊力に余裕があるようでロゴスを挑発する。

二人は互角の戦いを繰り広げている。


「さて……俺はどうしよう……」

依代に霊力を注ぎ込みさらに強さが増しているミコモですらロゴスに完全な決定打は打てていない。


ロゴスの胴体に大きな傷を付ける事には成功しているものの、まだロゴスはぴんぴんとしている。

「何か俺が出来ることは無いかなあ……」


影虎はもう一度策を考える。

「霊術はミコモを巻き込んじゃうし、隠行と蜃気楼は見破られたし……やっぱりもう無いかな……」


諦めようとしたその時、ふとある事を閃いた。

「いや、まだある! やった事ないけどこれしか無い!」

影虎は刀に手をかざし、霊力を注ぎ込んでみる。

そしてそれを解除する。


「俺にも出来るっぽい…ほんの少しだけど、刀に霊力を注げるみたいだ……」

ミコモのように依代に霊力を注ぎ込んで威力を上げる事が可能なら。


「刀の蜃気楼の威力も操作できるよな?」

影虎は立ち上がりもう一度刀に霊力を注ぐ。

刀が淡い灰色の光を放つ。


そして折を見て隠行を行使しそろりそろりとロゴスの背後に近づき、刀を振り下ろす。

硬化を腕等に集中させている御蔭で先程よりも刀が入りやすかった。


「ぐあっ! 不意打ちとは小賢しい真似を! でも蜃気楼なら見切ったとあれほど……」

「それはどうかな?」

「ええ?まさかそんな……」


ロゴスは半信半疑で拳を影虎に振るう。

しかし拳は空虚を打っていた。

「もしや蜃気楼の威力を上げましたか? その程度では通用しないと何度言えば……」

「ほい」


影虎は刀でロゴスを突く。

霊力を注ぎ込まずに。

それをパターンを変えながらも繰り返していく。

「ま、まさか……」


「そうだよ、蜃気楼の効果がバラバラでどのくらい視覚の狂いが入っているか分からなければお前は蜃気楼を見破れないんだよ! 論破ぁ!」

「そ、そんな……ば、馬鹿な、この私の論理があぁ~!」


打ち拉ぎ頭を抱えるロゴスをよそに、いきなり戦いに乱入してきた影虎に湿度の高い目を向けるミコモ。

そんなミコモに影虎はこう言った。


「おい、止めは任せたぜ、後はよろしく~」

「勝手に乱入しといて何を言ってるのかしら。でもむかつくけど活躍はしてるから許す!

ーーー真、飛水斬」


ミコモが霊術を放つ。

「ぐはあ!」

それはロゴスに命中し、ロゴスのタキシードが赤く染まる。


「あら、意外としぶといわ……ごめんカゲトラ、悪いけどこれ以上霊力を浪費したら私倒れるから後はよろしく」

「おいふざけんな! 俺じゃ火力不足だろうが!」

「はあ~?」


座り込むミコモにそう突っ込む影虎。

ミコモは心底めんどくさそうな表情をした後、少し考える素振りをして投げやりにこう言った。


「あれを使いなさいよ」

「あれって何だよ。はっきり言え」

「エル姉の使った……技を混ぜる奴よ」


「おい俺にあれをやれと言うのか!? 出来るわけねーだろ!」

「カゲトラなら出来ると私は信じてるわ。ごめん私もエル姉みたいに眠いの。おやすみ」

「クソがあーーー!」


影虎は眠りに落ちたミコモを見て思わずそう叫んだ。

すぴーと寝息を立てるミコモを強引に揺さぶるも、例によって全く起きる様子は無い。

「こうなったらやってみるか……というか今日の俺色々と挑戦してるな……」


影虎は刀に手をかざし毒を付与させる。

そしてロゴスに近づき、さらに霊力を付与し構えを取り……

「やばい集中力が切れそう……いや切れる前に放てばいいんだ!

……………霧双空毒斬!!!」


影虎はロゴスに無数の毒の突きを浴びせていく。

「おらあああああああああああああ!!!」

叫び、朦朧とする意識を紡ぐ。

そして突く。

ひたすら突いていく。

意識が、途切れぬように。

相手に止めを確実に刺す為に。

「ぐああああああああああ! 素晴らしい……私の論理の負けです……勇者様……」

ロゴスの体が紫色に変色し、崩れ落ちていった。





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