表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ覚醒編
29/117

VSロゴス

「試練? 勇者? 何の事だ?」

影虎は首を傾げながらそう聞くと、ロゴスが困惑の表情でこう答えた。


「おや、まさかあなたは知らず知らずの内にここに来てしまったようですね。先程も少し触れましたがここは翳の勇者様に試練を与える場所です。あなたが翳の勇者でないと絶対に入れないのですが……」


「え? まさか翳の勇者って俺の事だったの? いやでも召喚の時誰もいなかったし……」

影虎は自分が翳の勇者だとは自覚していない。


それは無理もないだろう。

影虎が言ったように召喚された際に傍らに誰も居なかった上、王の召喚失敗の隠蔽により、同時期に召喚されているとは言え影虎の知った情報に齟齬が生じる為である。


「まあ、いいでしょう。いずれあなたは自分が翳の勇者である事を自覚するのですから。それでは早速、試練を始めましょうか……」


ロゴスは所謂ボクシングの構えを取り、戦闘態勢に入ったようだ。

影虎も刀を抜いて前方に構える。


「待つのよカゲトラちゃん。ここは私が代わるわ。今のカゲトラちゃんでは分があまりにも悪いわ」

影虎とロゴスのやり取りを見守っていたエルドレットがロゴスと戦おうとする影虎を手で制止し、レイピアを抜いた。


「こいつは魔族といっても……今までの魔族とは桁が違う上級魔族よ。カゲトラちゃんが戦える相手じゃないわ。下がってて」

「はい……分かりました。気を付けてくださいね!」


影虎はエルドレットの言う通り後ろに下がった。

「翳の勇者様は素敵な仲間をお持ちですね。しかしこれはあなたの試練なのですよ? 決して仲間の絆を試す、だとかそういう事では無いのですよ……」


そう言い放ったロゴスは目に追うことが出来ないスピードでエルドレットの間合いに入り込む。

「何て速さなの!? くっ、………霧双突き!」


エルドレットはロゴスの速さにたじろぎつつも、無数の突きを放つ。

「咄嗟に放った技にしては正確な突きですね……実に美しい動きです。

しかし所詮は咄嗟に放った技! 論破!論破!論破!論破!論破!論破ァッ!」


ロゴスはエルドレットの攻撃を体で弾いていく。

さながら硬い鎧でも着込んでいるかのように。

そしてエルドレットに高速の拳を叩き込む。

「がはあっ!」


エルドレットの鎧がひしゃげ、肺の中の空気が強引に押し出される。

「碌に準備もせずに行使した技などすぐに見破られます。準備期間はとても大切な物なのですよ。これは兵法においても言える事です」


「まさかの武闘派かよこいつ! 頭脳派にあるまじき戦闘スタイルだなおい!」

影虎は頭脳派のような見た目のロゴスはてっきり魔法か何かを使って来るのかと考えていた。

故にボクシングの構えを取った時にはかなりの違和感を覚えた影虎。


そう突っ込む影虎に対しロゴスはこう返した。

「人を見た目で判断するものではありませんよ。見た目だけではその人の事を判断する材料には到底なり得ません。根拠があまりにも足りないでは無いですか!」


「うるせえよ! 敵のお前が正論を言うんじゃねーよ!」

返す言葉も無い影虎は、後方にいるミコモに向き直り。

「おいミコモ! エルさんは回復したか!?」


「しておいたわ。もう万全よ。大丈夫エル姉?」

「このくらい平気よ。ミコモちゃん、補助の霊術をお願いするわ」


「ええ。ーーー神速、剛力、豆腐の角に頭ぶつけて死ね」

エルドレットの体を光が包みこむ。

「力が沸いてきたわ……さあ、ここからが本当の戦いって訳よ、ロゴスさん」


「これは少し期待が持てそうですね……お相手致しましょう!」

エルドレットとロゴスが改めて向き直る。

お互いに隙を窺い合う両者。


そんな高次元の戦いの最中、影虎はというと。

「おいミコモ、俺にもそれを掛けてくれ」

「ちょっと待ってて。今準備してんのよ」


ミコモの補助を待っていた。

影虎は霊術を唱えているミコモに隠れ、

「隠行、発動しろ!」

[かしこまりました]


ロゴスに対して隠行を発動し、布を被って戦況をちらちらと観察した。

「食らえ………二連飛燕突き!」


エルドレットは急所である鳩尾と眉間(鼻の少し上の所)を突いた。

ロゴスはその攻撃を素手で捉える。


「なっ!?」

「フフ……素晴らしい攻撃です。そのまま食らっていれば危なかったかもしれません」


「あいつの体……何かの金属でできてるのか……? 硬いなんてもんじゃあないぞ……」

影虎はロゴスには体を異様に硬化させる能力が備わっているのではと考えた。


「エルさんが苦戦するとは不味い……というか最近強い敵に出遭い過ぎなんだよ……」

影虎はここ最近強い相手に遭遇し続けている事を思い出し、苦い顔をする。


「でももしかしたら毒なら効くかもしれないな……試してみるか……」

エルドレットと戦うロゴスの背後に静かに近づく影虎。

気付く様子は無い。


どうやら実力差があろうと隠行の効果はあるらしい。

エルドレットはロゴスに未だ苦戦を強いられているようだ。

影虎は霊術を行使する。

「今だ! ………空毒斬!」


霊力剣で毒を刀に付与させる。

刃が紫色の妖しげな光を放つ。

影虎はロゴスの背中に一太刀浴びせる。

だが。


キンッ!という金属音がしてあっさりと弾かれてしまった。

「嘘だろ……毒液弾はエルさんに当たったら不味いし……打つ手が無いぞ……」

ロゴスは影虎の攻撃に気付いてすらいなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ