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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ終止符編
109/117

萌葱VS魔王

萌葱は善方が何か行動を取る前にひよこ鑑定士Ⅳを発動させた。

「ひよこ鑑定士Ⅳ!」

萌葱の脳内に、自分の未来の行動が映像となって映し出される。

しばらくして彼女の予知が終わった。

萌葱はそのビジョンを見てニヤリと笑った。


「死ね!」

最初に攻撃を放ったのは善方だ。

明神秘湯を発動させた手で萌葱に触れようと手を突き出す。

だが……

萌葱はそれをいとも簡単に避けてみせた。

何しろ未来予知で何処から攻撃が来るのかがはっきりと分かるのだ。

彼女からすればそれは意味の無い行動にも等しかった。


(次は……前蹴りだね)

萌葱は予知で見た通りの内容に沿って行動を取った。

何故なら、もう予知で成功する事が分かっているからである。

霊術と体重の掛かった前蹴りが善方の腹にめり込み、善方の身体を押し飛ばした。

「うぐあっ!」

(であいつの体勢が崩れた隙に風刃手刀!!!)

萌葱は息をする間もなく攻撃を放っていく。

空を切った手刀が鋭い斬撃となって善方を切り刻む。


「ぐああああああああああ! クソッ、海闊天輪!」

(ここは二人が凍らせてくれるから右に避ければ大丈夫……と)

善方が海闊天輪で出した水をミコモとアルメリアの霊術が凍らせた。

勢いよく出た水は氷の塊となって萌葱の左側で固まった。

「また氷に変えやがった……でも無駄だ! 明神秘湯!」

善方は明神秘湯で氷を癒しの温泉に変えようとする。


(ここも烈空脚で食い止めれば問題は無し、と)

萌葱は烈空脚を放ち、氷塊に触れようとする善方を弾き飛ばす。

「があっ! 何でこうも攻撃が見破られるんだ……? クソクソクソ! もういい……こうなったらもう一回海闊水輪で押し流してやる! 海闊水輪!」

善方は海闊水輪で津波を起こした。

ミコモ達はそれを凍らせようとするが……


「不味いわ! 流石にこれ以上霊術は乱射出来ないわよ……」

「わ、私も……」

「おいピンチじゃねえかよ! 大丈夫かよ萌葱さん!」

影虎達は動揺した。

因みに影虎達は木の上に居るので津波の影響は受けないが、唯一地面に居る萌葱は非常に危険である。

このままでは一番の切り札の萌葱が流されてしまう。

そう危惧した影虎だったが……

萌葱は津波に飲まれながらも難なく影虎達の居る木へと登ってきた。


「おお、良かった……これも予知済みだったんですね……いやあ驚きましたよ」

「いやそんな呑気な事言ってないで速く技を撃つ準備をして! 次に影虎君とエルさんとカミルレさんが霊術を撃てば予知通り上手く行くから! その為に二手に分けたんだよ!」

「ああ……このタイミングで援護しろという事ですね……分かりました!」

影虎は刀に霊力を籠めて技を放つ用意をした。

そう、今は霊術を撃つミコモとアルメリアと、技を撃つ影虎達に分けられているのだ。

つまりそれぞれ別の木の上に居るのだ。

何故なら……


「はははははは……これで邪魔者は居なくなったな……」

「霧双空毒草薙!!!」

「睡蓮天叢雲!!!」

「真、ケラヴノス・ラーミナ!!!」

「がああああああああ! き、貴様等そんな所に居たのか!」

この不意打ちを狙う為に場所を変えたからである。

影虎は自分の含めて隠行Ⅱを掛けて、じっくりと静かに隙を窺っていたのだ。


「ぐああ……明神、秘湯……」

善方はかなりのダメージを受けつつも力を振り絞って明神秘湯を発動させる。

大量の水は癒しの温泉へと存在を変えた。

「萌葱さん、回復されますよ! 大丈夫なんです―――」

「はいっ」

「え―――」

萌葱は影虎達を下の温泉へと落とした。

ミコモとアルメリアは自らその温泉に飛び込んでいく。


影虎は突然突き飛ばされた事に驚きつつも温泉から顔を出した。

すると、自分の体が軽くなっているのを感じた。

「ぷはっ! あれ? 霊力が元に戻ってる……」

「あいつの温泉は私達にも効果があるんだよ。これで状況は同じだよ」

「なるほど……なら温泉を変えられる前に早く木に登らないと!」

「そうだよ……おっとここから予知してないな……やらないと」

影虎達はもう一度木の上に戻った。

そして萌葱がひよこ鑑定士Ⅳで未来を見る。


「ひよこ鑑定士Ⅳ! ……なるほど、分かった」

萌葱は顔を上げてミコモとアルメリアにこう言った。

「二人共、今すぐに氷で木を補強して! 早く!」

「ええ!? わ、分かったわよ……」

「この先一体何があるのよ……」

二人は不思議そうな顔をしながら足場の木を氷で補強する。

更に萌葱が影虎に向き直って言った。


「影虎君はこの木に隠行Ⅱを掛けて!」

「は、はい……隠行Ⅱ!」

影虎は隠行Ⅱを木に掛けた。

そしてその作業が直ぐに終わった後、善方が起き上がって笑いながらこう言い放った。

「ははは……もう手加減なんて知るか……出来ればこの技は環境が悪化するので使いたく無かったが……仕方が無い。俺はこれを使わないと勝てない! 食らえ勇者共! 明神秘湯! 癒しの温泉を超強酸性の温泉に変える!!!」

善方が温泉に触れた瞬間、温泉の色が毒々しい紫色に変わり、周囲の木や草をみるみる枯らしていく。

影虎達が補強した木だけは枯れずに済んだが。


「こんな使い方も出来るのか……霊基だから効果も天然の強酸性の温泉の比じゃないだろうな……食らったら危なかったぜ……で、ここからどうするんですか萌葱さん?」

「大丈夫。強力な助っ人が来る」

「それってまさか……」

「貿易!!!」

影虎がそう言い掛けた時、聞き覚えのある声が響いた。

声のした方向を見ると……

「兄貴の邪魔はさせないっすよ!」

「あんたがこの津波の元凶だな……止めさせて貰うぞ」

晴人が、空中に光の床を出して立っていた。

彼の腕の中にはリトテが居た。

その紫色の手には……海闊水輪が握られていたのであった。






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