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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ終止符編
101/117

陰キャVSツクモその2

「魔喰、真水恵……これで体力は戻ったわ。さあまた始めましょう……」

ツクモは霊術で自らの身体を癒しそう言った。

「回復も出来るのか……!」

萌葱はこのままではジリ貧で負けてしまうという危機感を持った。

何しろ相手は幾らでも霊力を補給できる。

すなわち何回でも霊術を行使可能だという事だ。


「一撃で仕留めないといけないって訳か……でもやるしかないな」

「ふふ、あなたは食べ応えがあっていいわ……」

両者は地面を蹴って間合いを詰める。

ツクモは萌葱に向けて拳を連打する。

萌葱は繰り出される拳を反霊小町で弾き、または身体を捻って避ける。


「あははははは! また私の霊術を跳ね返す気なんだろうけど同じ手は食らわないわよ!」

「私の手はそれだけじゃないよ。…覇空脚七閃!!!」

萌葱は霊術と空手の回し蹴りを組み合わせ、連続で七つの蹴りの衝撃波を放つ。

体の回転と捻り、そして霊力の操作を存分に生かした技がツクモに襲い掛かる。

「ぐうっ! がはっ! ぎっ!」

「……これでも多分倒しきれないだろうな」


萌葱は技の手応えからそう推測した。

格闘能力では確かに勝てているかもしれないが相手は耐久力があり過ぎる。

明らかに決定打が足りていなかった。

と、そんな時。

「萌葱さん! ここは俺に任せて下さい!」

霊力を回復させた影虎が萌葱の前に立って言った。


「大丈夫なの? 影虎君」

「ええ」

「分かった。気を付けてね」

影虎は自信に満ちた表情で応える。

萌葱はそんな影虎の様子を見て何か策があるのだろうと下がった。

「発動しろ、隠行Ⅱ!」

影虎は隠行Ⅱを発動させる。


(さっきは何故か隠行を掛けていたのに俺の場所がばれた……それで魔喰を食らったんだ)

影虎は先程の記憶を反芻した。

何故ツクモは隠行が掛かっている影虎の居場所が分かったのかを知る為に。

そして影虎は一つの推測に辿り着いた。

(俺の居場所がばれたのは多分、空気中の霊力の流れだ! あいつは魔食を行使している時にそういうのも分かるんだ! まあ推測に過ぎないけどな……)

影虎はその推測に基づき、ツクモにも隠行の効果を及ばせる方法を考えた。

それは……

「隠行Ⅱ! 俺の周辺にある霊力全てに隠行Ⅱを発動させろ!」

[周辺にある霊力に隠行Ⅱを発動させます]


夥しい量の隠行Ⅱが辺り一帯に飛び、空気中に浮遊した。

「な、何よこれ!」

不思議な光景にたじろぐツクモ。

その背後を影虎が取った。

「抜刀技、霧双月暈!!!」

影虎は高速の抜刀を無数に放つ。

「がはあっ! い、いつの間に!」

ツクモの体に鮮血が奔る。


「やっぱり霊力の流れで判断してたな……これで隠行を破られなくなったぜ」

影虎は推測が当たった事にニヤリと笑った。

「まだまだ行くぜ! 霧双飛燕突き!」

影虎は更にツクモへ攻撃を加えていく。

「うぐっ……!」

ツクモに次々と無数の傷が増えていく。

そして影虎は萌葱の所へと戻った。


「これだけやれば後は勝ったも同然ですね……」

「いやでもあいつは霊術で幾らでも回復出来るんだよ……今の攻撃じゃ駄目だよ……」

「心配ありませんよ……見ていて下さい」

「え?」

萌葱は影虎に言われるがままツクモの方を見た。

ツクモはすぐさま霊術で傷を回復させる。


しかし。

「うっ! 傷を治したのに体が重い! 何よこれ……」

霊術で回復したのにも関わらずツクモは息を切らして苦しそうな表情だった。

「あれは一体……」

「俺の翳翼の能力、“気力凍結”です……これなら霊術でも回復されないと思いまして」

「なるほど……」

「勿論蜃気楼と抵抗解除も掛けておきました。たっぷりと」

「おお、これでほぼ無力化って訳だね」


二人は勝ちを確信した。

そんな二人を尻目にブツブツと何かを呟くツクモ。

「くっ……何故……何なのよあいつは……霊力の動きすらも分からなく出来るなんて……でも見えないならこっちにだってやりようはあるわ……いくらでもね」

ツクモはブツブツと何か霊術を唱え始めた。

とてつもなく大きな気配が周囲を脅かす。


「不味い……あいつまだ奥の手を……」

「嘘だろ……クソ、そんな簡単に行く相手じゃなかったか……」

影虎と萌葱は改めてただならぬ様子のツクモに向けて武器を構えた。

ツクモはその次の瞬間、ピタリと詠唱を終えてこう唱えた。

「ーーー空間凍霧!!!」

しかし、影虎達の目には何が起こったのか分からなかった。

特別何かが起こったようには見えなかったのだ。


「一体何をしたんだろう……?」

「とりあえず俺が様子を見ます。毒液弾!」

影虎は毒液の玉をツクモに向けて飛ばした。

すると……

ガギンッ! という音がして玉が凍りつき、ツクモの体のはるか手前で一瞬にして砕けてしまった。

「まさか前の修行の時のミコモみたいに……空気の温度を著しく下げたのか!? にしても規模が違いすぎる! ミコモのは凍った瞬間砕ける程の効果は無かった……」

「嘘でしょ……」


二人はまだ無力化出来ていなかった事に衝撃を覚えた。

ツクモはそんな二人の様子を見て薄く笑い、じりじりと距離を詰める。

二人は逃れる方法を脳内で必死に模索する。

だがそんな二人に、声を掛ける者が居た。

「よくここまで戦ってくれたわね。後は私達に任せて頂戴!」

「あいつの“魔喰”……覚えたわ。私がその上を行ってあげる」

エルドレットとミコモが、二人の前に立った。






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