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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ終止符編
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陰キャVSツクモその1

「先手必勝よ! 霧双飛燕突き!」

「無駄よ。霧氷朧月!」

エルドレットの技を咄嗟に霊術で防ぐツクモ。

技と氷が相殺され、氷の粒がキラキラと幻想的に舞った。

「やるじゃない……流石はミコモちゃんのご先祖様ね」

「あんたも中々ね。蛾人族にしてはいい線行ってるわよ」

そんなツクモに影虎が隠行で不意打ちを仕掛けた。


「隠行……からの霧双空毒斬! もう霊術は出し尽くした筈!貰ったぜ!」

倒したという確信を持って技を放つ影虎。

確かに今のは霊術師の隙を完璧に突いた攻撃であった。

霊術師には多少なりとも詠唱と霊力の収集が必要なのだ。

しかし。

ツクモはその概念を唯一覆す存在であった……


「魔喰。ー真、豆腐の角に頭ぶつけて死ね」

「なんだこの懐かしさは! 嘘だろ!? 固い!」

影虎の放った剣撃は全て硬化したツクモの前には無意味だった。

「私の魔喰は早食いなの。一瞬で霊術を使えるくらいにはね……しかも食欲旺盛なのよ」

ツクモは拳を影虎の鳩尾に突き出す。

影虎は腹に強い衝撃を受けると同時に体内の霊力をごっそりと減っていく感触を味わった。


「うぐっ……!」

「不味い霊力ね。性格どんだけ悪いのかしら」

「うるせえよ……お前が言うな」

影虎の霊力の味に顔を顰めるツクモに、影虎はふらつきつつもそう返した。

「カゲトラちゃん、あなたは下がって霊力を回復させなさい! 霊剣睡蓮霧双!!!」

「分かりました……」

影虎は技を撃つエルドレットにそう言って後方に下がった。

ツクモの予想以上の強さに歯噛みしつつ。


「まさかあんだけ強いとはな……修行の意味は何処に行ったんだよ……」

「魔喰」

「ああああああああ!」

そうぼやく影虎の目の前で今度はエルドレットがツクモに弾き飛ばされた。

「マジかよ……ていうかミコモの魔喰とは全然桁が違うじゃねえか……!」

影虎は暴走していたミコモでもあそこまで霊力を奪われた記憶は無い。

つまり何か決定的な差がミコモの魔喰とツクモの魔喰にはあるという事だ。


「あの二人がやられるとはね……はあ、凍冴時雨月!」

ミコモが霊術をツクモに仕掛けた。

夥しい数の氷の剣が襲い掛かる。

「全然甘いわね。あんたそれでも本当に私の子孫? 八重霧氷朧月!」

ツクモもまた霊術を出し対抗する。

両者の凄まじい霊術が激突する。


「はあああああああ!」

「ふう」

ミコモは声を上げて限界近くまで霊術の威力を更に上昇させる。

だがツクモは眉一つ動かさずミコモ以上に霊術の威力を増加させた。

両者の霊術は轟音を上げながら鍔迫り合いをし、やがてミコモの方が押し切られた。

「きゃああああああああああ!」

「子孫だからちょっとは期待してたんだけどね。あんまり強くなかったわね」


吹き飛ばされたミコモにツクモが近づき、そして魔喰を行使した。

「ぐっ……!」

「これが本当の魔喰よ。覚えておきなさい」

霊力を喰われ倒れるミコモにツクモはそう言い放った。

「さて後は……テオの所に戻……」

「私を忘れて貰ったら困るよ」

「ああまだ居たのね。さっさと倒れなさいあんたも。魔喰」


ツクモは彼女の目の前に立ちはだかる萌葱にツクモはうんざりしつつも拳を突き出す。

スカッ。

だが無念にも、その拳は空を切るのみだった。

「なっ!?」

「残念だったね……今度はこっちの番!」

萌葱は反霊小町の柄でツクモのこめかみを的確に突いた。


「ぐっ! 私の魔喰がかわされた……?」

ツクモは痛みに呻きつつも再び拳を繰り出す。

しかし萌葱はそれらを全てかわし。

反霊小町の柄で急所であるこめかみや鳩尾を突いていく。

「ううっ……私をあしらうなんて……あんたは一体……」

「巽の勇者だよ。一番勇者の中じゃ弱いよ」

「そう……まあその栄光も今終わるわ……せいぜい哀しみなさい! 八重霧氷朧月!!!」

ツクモは萌葱に向けて八重霧氷朧月を放つ。

「ーーー薫風結界!!!」

萌葱はそれに対して結界で対応する。


「あははははは! そんな安っぽい結界で私の膨大な霊力は防げないわよ!」

「くっ……! うわあああああああ!」

「ほらね。あははははははは!」

ツクモは押し切られた萌葱を見て大笑いした。

「あんたは中々強かったわね。霊術はそんなでも無かったけどね。あんたにはちょっと控えめにしてあげるわ。魔喰―――」

「おっと、勘違いしないでよ。私はまだこの通り元気だよ?」

「なっ!?」


突然立ち上がった萌葱に思わず後ずさるツクモ。

その萌葱の手には、緑色に激しく発光している反霊小町が握られていた。

「な、何よその虫取り網……何なの!?」

「何だろうね。でもあなたを倒せるのは多分確かだよ。フォルトリベリオン!!!」

萌葱はツクモに向けて緑色の極大な光線を放った。

光線はとてつもない勢いでツクモを苛んだ。


「きゃあああああああ!」

「もの凄い威力だね……凄いよあなたは」

萌葱はあの時、風の霊術でツクモの霊術を防いでいたのではない。

方向を反霊小町へと逸らし、収束させていたのだ。

故に完全にフルパワーで霊術を取り込む事が出来たのだ。

そうして、ツクモは光線に打ち倒された。

その筈だった。

「はあ、はあ、今のは流石に危なかったわ……」

「え……嘘でしょ……今ので倒せてないの……」

「そりゃあんた自分が放ったのと同じ威力の霊術に負けてたら世話が無いわよ」

ツクモは息を切らしながらも、そして服がボロボロになりながらも立っていた。






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