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電子精霊になってソシャゲ界を徘徊する  作者: 文武ロデオ
チュートリアル編
1/20

第1話 電子精霊誕生

初投稿です。 よろしくお願いいたします。


 最初に気づいたのは音だった。


 ピコピコと鳴る電子音、

 ブゥーンと響く機械の音、

 そして時々パチパチと弾ける電気の音。


 ゆっくり視界を整えると、暗い空間の中を揺蕩っていた。 

 左右には黒い壁が並び、どこまでも地の底と天の彼方へ延びていた。 表面には黄緑色の光が目まぐるしく垂直に動いてた。


 素早く動き回る光を目で追う内に、脳に思考が戻ってきた。


 ...そうだ。 じぶんは...かつて...



 人だった。



 眠気が吹き飛ぶような衝撃を受けた自分は手足を確認する。 そしてぎょっとする。


 なんと手足があるはず空間に輪郭が曖昧になってる金色のモヤが視界に映った。


 頬や身体を触って確かめようとすると、物理的な感触がない。 まるで反発しあう磁石のように目に見えない抵抗が接触を拒絶しているようだ。


 散々同じ動作をを繰り返したあと、確信した。 受け入れがたい真実を突き付けられた。


 自分はもう人間ではないと。



 ―――



 気のせいか壁の表面にせわしなく光り動く明かりはある場所を目指してたかも。 しかしそれもまたどうでもいいこと。


 壁をそってふよふよとさまよう。 当てもなければ目的地もない。 途方に暮れていた。 ただただ虚無の中を浮かぶだけの存在となった自分はわずかな流れに身を任せていた。


 そしてどうしてこうなったかと思案する。


 最後に覚えているのは...大勢の影。 そしてふたつの大きな衝撃。


 ...アタマイタイ。 これだけのヒントで自分に何があったのか容易に想像できる。 口にするのが怖い。 もしそれを認めてしまったら自分は戻れないと思ってしまう。 このわけのわからない金色のモヤという存在を受け入れてしまう恐怖があった。


 ...とはいえ、思い出せるのは最後の記憶の断片。 自分がどんな人間だったのかどういう生活を送ったのか、段々思い出せなくなってしまった。 もうすでに手遅れと諦めている自分もいた。


 そしてそれが何故今の状況に至るのはさっぱり分からない。 ここが俗にいう天国か、はたまた地獄か。 それともこれが噂に聞く転生という...? いやそんな馬鹿なあり得ない...


 葛藤してうめき声を出す。 ノイズの入ったこれもまたボヤけた声帯も腹立たしい。


 いずれにせよ、今は調べようがない。 ここが何処なのかさっぱりわからない。



 だがしかし、あえて表現を出すと電気関連の例えしか出てこない。 電子音なり、磁石なりと。


 まさかとは思うが...ここはコンピューターの中なのか? ネットワークのサーバー?


 そう考えたら自分でも出来ることがあると希望が湧いた。 通信とか検索とか、自分を証明する何かがあると。 存在するかもしれない外界と連絡とれるかも!


 そうだ、せめて助けを呼ぼう。 さっそく行動に移ろうと顔をあげたら、ふと自分の前を凝視する。



 ―――



 ...なんだ、ここは...?


 いつの間にか明るく丸い空間にたどり着いた。 中央に白い線が輪っかを描いて水色の半球体を斜めに覆って回っていた。 また線を辿って流れる白い球体がピコーンピコーンと鼓動を発していた。  


 後ろを振り向いたら今まで流れてきた道がなくなってた。 正確な表現ができないのが悔しいけど、まるで初めから存在しなかったようにあの暗い空間が消えていた。


 ...気にはなるが、とりあえず今現在自分がいるこの空間を解析したい。


 広く丸い足場があったため、ゆっくりと空中から降りて着陸した。 自分は初めて地に着いた思いをした。 しかしモヤの体質のせいで、足がつかず一定の間を開けて浮いてるようになっていた。


 先ほどの黒い壁が並ぶ廊下みたいな空間と違って、ここは小さく狭く感じる。 周りを見ても同じ景色が続いていた。 あたかも大海原にこじんまりと浮かぶ孤島のように。


 輪っかは縦、横、斜めに、半球体の足場基点にゆっくり回っていた。 衛星軌道に乗っている白い球体も白い線をそって横から斜め上、やがて頭上まで登って、平面まで下りて視界から消え、これを何度も繰り返す。


 輪っかと衛星のほかに、いくつものの横に長方形の薄い物体が真横に流れていた。 これもなんの役割を持つのかさっぱり分からない。


 その場から遠く見渡したら足場と同じような半球体をいくつか見かけたがどれも小さすぎる。 かといって今の足場は半径150mも満たない小さな島ではあるけど、自分一人としては十分ともいえる広さであった。


 ―――


 調べれば調べるほど皆目見当もつかなくなった。 今度は何故このような場所にたどり着いたのか、どうしてこの空間が存在するのか、回る輪っかと衛星そして長方形のなにかは一体どういう役割を持つのだろうか。 答えどころか疑問しか増えない。


 しばらくきょろきょろと辺りを見渡す内に、目線がとある一か所に止まる。


 白い淵で囲った水色の表紙みたいのが浮いていた。 淵の中に白い文字がこう浮かんでいた―――




『マイルーム・マイレイヤー』




文法、誤字、その他諸々気にせず頑張りたいと思います。


次回:マイルーム

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