パニックホラー
皆様は『人喰いアメーバ』という映画を御存知でしょうか?
オイラが子供の頃、テレビで何度となく再放映された作品です。子供の頃は恐くてまともに観れませんでした。
何度も再放映されたのは名優スティーブ・マックイーンの初主演映画だった事が大きいのですが。
宇宙から飛来した隕石、そこから現れた粘菌型モンスター。
それが『人喰いアメーバ』です。
人型モンスターからの脱却をめざしたこの怪物。皆様がよく御存知の元祖です。
そう、『スライム』ですね。
もっとも、日本のスライムは『ドラクエ』の影響で可愛いマスコットと化していますが。
人を呑み込み生きたまま体内で溶かす、雑魚キャラでは無いスライム本来の姿がそこにあります。
真っ黒なアメーバは人々を消化してどんどん巨大化していきます。
逃げ惑う人々。そう、『人喰いアメーバ』はモンスターパニックのはしりでもあるのです。
こちらも後年『ブロブ』としてリメイクされました。ピンク色してますが(笑)
人型モンスターの時代が終わり、怪物もしくは生物によるパニック映画の流行、その先駆けと謂えるでしょう。
これらパニック映画は『単体』から『群体』へ変化していきます。
『群体』ものとしてはヒッチコック監督作品『鳥』が代表例と謂えますね。
ある日突然野鳥達が人間に襲いかかります。
その原因は作中全く解明されません。理由の解らない襲撃、鳥類という異種族の感覚は人間の理解力の外にあります。
『単体』のパニック映画はその後、スピルバーグ監督作品『ジョーズ』を輩出し、この作品から『サメ映画』という新たなジャンルを産み出しました。
……まぁ『サメ映画』の半分はギャグですが(笑)
パニック映画の特徴は『群衆心理』でしょう。
皆がやってるから大丈夫、皆と一緒ならなんとかなる。
主人公はそれに警鐘を鳴らす存在で、故に群衆から疎まれ排斥されます。
人型モンスターの様ですね?
しかし、群衆の中の何人かが困った真似をやらかして『恐怖の対象』が現れ、群衆は逃げ惑います。
『恐怖の対象』に襲われるのが多人数であるというのがパニック映画という訳です。