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ゴシック・吸血鬼


吸血鬼、というのはゴシックホラーにおいてモンスター三役のトップと云っても過言では無いでしょう。


吸血鬼はブラム・ストーカーによる『吸血鬼ドラキュラ』によって産声をあげたと謂えます。


「ヴァンパイア」という名称もこの作品から生まれました。ブラム・ストーカーはヨーロッパ各地に残る魔物の伝承を集め、ワラキアの串刺し公ブラドをモデルにドラキュラ伯爵を創造したのです。



超常の能力を持つドラキュラ伯爵。以下彼の超常能力を列挙してみると……



・基本的に不死身

・二十人力の怪力

・蝙蝠型の魔物に変身

・狼型の魔物に変身

・無数の鼠に変身

・霧に変身

・蝙蝠を操る

・狼を操る

・獲物となる犠牲者を魅了して暗示をかける

・天候操作

・眷族を増やす



……と、多岐に渡ります。


面白いのは弱点・判別法も多い事でしよう。


ただし、陽光を浴びると灰になるというのは映画『魔人ドラキュラ』での視覚効果が有名になったからです。



弱点・判別法の中には吸血鬼=伝染病のメタファーを感じさせるものがいくつかあります。


ニンニクを嫌うというのはニンニクに殺菌防腐効果があるところから。


『招かれないと家に入れない』『流れる水を渡れない』というのも同様です、伝染病は保菌者を招く事で罹患しますし、大河は病の伝播を寸断するからです。



この伝染病のメタファーはやがて後発の狼男、更にゾンビへと受け継がれます。




吸血鬼を描く際に注意すべき点は二つ。



1.知れ渡り過ぎている事


ホラーとは未知の恐怖です。


これは後述のモンスター全般にも云える事ですが『毎度お馴染みの』状態では誰も恐がりません。


モンスター界のトップを走り続けた過去を持つ吸血鬼。知名度はダントツです。



もしも作中に『吸血鬼』『ヴァンパイア』の文字が一度でも書かれたなら?


読み手は「あぁ、毎度お馴染みの吸血鬼ね」と恐怖感を減じてしまいます。


これをどこまで誤魔化せるか、それがホラーとしての吸血鬼の復権に繋がるでしょう。



2.作品にエロスを与える。


特に吸血シーンやその前段階の魅了シーンにエロスを掻き立てる描写が必要です。


吸血鬼は『恐怖の対象』であると同時に『羨望の対象』でもあります。


『なろうファンタジー』の定番チート転生者が読み手のエゴを満たす『羨望の対象』であるならば……



……不死身で怪力と特殊能力を持つ『爵位の魔王』はその上位互換。安いチート能力者を駆逐する代物。現に世界吸血鬼研究協会なる組織まであるほどの『羨望の対象』なのです。


ならばインモラルなシーンは読み手の欲望に叶う描写。


ただし、濃厚なシーンにしてはいけません。「なろう」規約に反しますし……



……それでは品が無いですから。





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