恐いの種類
最近オイラはホラーばかり書いています。
いや、単にそういう機会が続いただけなんだけどね(笑)
『ホラー作家』のつもりは無いんですが、これからもホラーは事ある毎に書くでしょう。
で、ホラーを書くうえで気をつけているところをメモ書きの様に書いておこうと考えました。まぁ自分が逸脱しない為に、って覚え書きみたいなもんですな。
1.判らない事は恐い。
ラヴクラフト曰く。
「貴方が扉を開いた時、真っ暗な部屋から唸り声が聴こえてきた。その時沸き起こる感情」
これがホラー。未知の恐怖。
『恐怖の対象』がなんなのか判らない訳です。
ちなみに概知の恐怖は部屋が明るくて、なかにライオンが居るのを見た時の感情だとしています。テラーと書いてますが、日本だとスリラーって謂いますね。
この二つはうける恐怖の性質が違うという事ですね。
これがなかなか難しい。作中の大半『恐怖の対象』を『判らない』状態にしないといけない。
かといって、丸っきり判らないままで話を進めると読み手は「なんだコレ?」ってなる訳で、判らないなりに匂わせる必要が出てきます。
所謂『伏線』『布石』で読み手に「こうなんじゃないかな?」と感じさせる。
ラスト近くで読み手の想像にある程度近く、ある程度意表をつけるといいかなと思います。
2.解らない事は恐い
言葉遊びでは無いですよ?
最初の話は『判明』しない事ですが、こちらは『理解』出来無い事。
『恐怖の対象』が人間もしくは人間的である場合、心象描写をしたりしますが、これが常識から外れている。いや外して書く。
更にこの心象描写にある程度『理解』出来る部分を挟み込むと、読み手は不安になります。
「このものの考えはおかしい……はずなのに解る。自分もおかしい考え方をしているのか?」となる訳ですね。
3.逃げ場が無いのは恐い
閉鎖空間は臨場感をかき立てます。
「吹雪の山小屋」
「洋上の豪華客船」
「人里離れた洋館」
閉鎖空間が恐いのは逃げ場があるのか無いのかはっきりしないところですね。かくれんぼをしている様なドキドキ感が生まれます。
4.見えないのが恐い
人間は外部情報の収集を8割『視覚』に頼っているそうです。
では真っ暗にしてみましょう。
そこで受け取れる外部情報は『聴覚』『嗅覚』『触覚』……
幽かに聴こえる物音。
いつの間にか臭う生臭さ。
手探りで歩く、その手を掴まれたら?
5.独りは恐い
人間、複数人で行動していると恐怖感は薄れます。
それは誰かがなんとかしてくれるだろうという期待と同時に、自分が犠牲になる確率が減るからでもあります。
もし最初から単独行動ならば?
もし一緒にいる人達が消えて、自分独りになったら?
特に一緒にいる人達の内、何人かの最期を見てしまったり、断末魔を聴いたりしたら?
これらを組み合わせる事でホラーは面白くなっていきます。
次回からは暫く映画のホラーを書いてみます。