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29.魔王

この度改名しました。

緋美月(あけのみづき)として活動していきます。よろしくお願いします。

ネロはあのあと1時間ほどで起きたらしく、俺が集合場所の力場の祭壇へ付く頃には各家の代表やギャラリーの魔王も含めて全員が、集まっていた。力場の祭壇は選定戦開始前のような魔力溜まりも無ければ、特殊な何かがあるわけでもないのだが、やはり異様な雰囲気を漂わせている。4つに割れている祭壇もその1つなのかもしれないが。


祭壇上には俺以外の候補者、今回の選定戦で魔将となった4人が既に立っている。

「コータ遅いよ!」

「ごめんって、ちょっと後片付けをな。」

セレンが頬を膨らませている。もといた場所からここまで1kmもなかったし、ちょっとゆっくりしすぎたかな。


そう考えながら俺も祭壇の上に登る。すると、ファーレン、ザッカレアの当主とアルゴが祭壇の上に登ってくる。それと同時にさっきまでそこら中で聞こえていた話し声がピタッと止んだ。

3人は俺たちのちょうど前で止まるとここにいる全員を見渡しながら話を始める。

「さて、これにて選定戦を終了する訳だが、誰か異議はあるかね?」

ファーレンの当主の質問に対して声を上げる者はない。

「…よろしい。ではこの者、コータを第409期の魔王と認める。また、他の4人はコータを補佐する魔将としての活躍を期待する。」

盛大な歓声が一気に辺りを満たす。それもそうだろう。回りにいるのは大体が魔王だ。その後輩であり、ライバルともなり得る新米が誕生したのだから、力が大好きな魔王が喜ばないはずもない。


アルゴが俺とセレンの前に来る。他の当主も自分の家の代表の前に行って何かを話している。

「さぁ、コータ。今からあんたは自由だ。谷に戻るも、旅をするも、人の国へ行くも何をしてもいい。まぁ、やりたい事をやりなよ?」

「あぁ。元々好きなようにするために魔王になるって決めたんだからな。」

アルゴは俺の言葉に頷くと、次はセレンと話始める。母子なだけあって子供の事は心配なんだろう。少し長い話になっていたので、俺は静かにその場から離れる。


しばらくして、4人とも話が終わったらしく、俺の所に集まってくる。これからの俺の仲間だ。

「さて、とりあえず話したい事は山のようにあるが、魔王になったら始めに五賢会のある街で装備なり揃えるといいらしい。そこを一先ずの目的地にして、逃げるか。」

4人とも俺の言葉に頷く。全員この状況をしっかり把握しているらしい。さっきから周囲の視線がやたら多い。このままここに居れば確実にサンドバッグだ。


「「「「よーっし、新入り!!俺と勝負しやがれぇぇぇぇ!!」」」」

四方八方から魔王とその部下が飛び出してくる。完全に待ち構えてたパターンだ。


「よっしゃ逃げるぞ!」

「「「「おお!!!」」」」

捕まったら負けが故にある意味選定戦より辛い。しかも相手は全員魔王か魔将というバケモノステータスの群れだ。普通に抜けようとすれば、ほぼ確実に捕まるだろう。


「セレン、頼む!」

「ティア!よろしく!」

だが、俺たちには瞬間移動というチート技がある。これで逃げられなければ諦めるしかないが、どうやら大丈夫だったようだ。

中央にいる俺たち目掛けて四方八方から飛び込めば中心で互いにぶつかるのは目に見えている。流石の魔王も魔法無しでは物理に逆らえないらしい。


瞬間移動で魔王の群れを抜けた後は木の間をすり抜けるように全力で走り、しばらくすると流石に追ってこなくなった。

「ふぅ…そろそろ大丈夫か。」

4人を見ると俺と同じように少し息が上がっている。

「現役の魔王は血の気がちげぇな。」

「全くですね。」

ゴルドとセクレタが思わず愚痴をこぼす。2人とも必死に逃げてたしな。


「まぁなんだ。改めてよろしくな。セレン、ゴルド、セクレタ、ネロ。」

「もちろん!」

「おう、王様よ。」

「こちらこそですね。」

「えぇ。」

一息ついた所で俺は4人に向かってちょっとだけ多きな声でそう言うと4人は笑顔で各々の返事をしてくれる。

俺はいい仲間に恵まれたらしい。さて、向かうは五賢会。王国のクラスメイトも気になるし、さっさと行くか。

これにて2章完結でございます。

年末年始にかけて不定期投稿となる可能性がありますが、これからもどうぞよろしくお願いします。

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