表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/31

13.魔境の谷

本作ヒロイン登場。…あれ、遅くね…?

PV1000突破ありがとうございます!

ドラゴンの背に乗り、飛行している間に俺はさっきの女性と話をしていた。

「えっと、あなたの名前は?」

「あぁ、そう言えば自己紹介がまだだったね。私の名前はアルゴ。クアレア家の当主で、言ってしまえばあんたの義母(ははおや)さ。」

アルゴはフードを外してそう言う。さっきはフードのせいでよく分からなかったが、銀髪に綺麗な青色の目を持っている綺麗な人だ。見たところ年は20代後半といったところか?

「残念、年はもう40を越えていてね。そんなに若いもんじゃないよ。」

アルゴが笑いながらそう言う。なんで心の声に返答してるんだよ。エスパーか。


それから暫くは今の魔族の状態について色々と教えてもらった。要約するとこういうことらしい。

魔族には御三家(ごさんけ)と呼ばれる大きな3つの家系が存在する。東のクアレア家、西のファーレン家、南のザッカレア家の3つだ。この3つの家系は1年に1回行われる魔王選定戦(まおうせんていせん)に毎年人材を排出しており、魔王はこの3つの家系を中心とする派閥(はばつ)にわかれているという。ちなみに魔王選定戦は今年で425回目になるらしい。つまり過去に424人の魔王がいるということか。ゲームなら真っ青ものだな。

「で、コータには今年の魔王選定戦にクアレアの代表として私の娘と一緒に出てもらう。」

「娘?」

そう言うのとほぼ同時にアルゴの背中から1つの人影が飛び出してくる。


「やっとコータと喋れる!わーい!」

アルゴと同じ銀髪と褐色の肌を持ち、黄色の目が綺麗な10代(なか)ばの少女だ。…どこかで見たことがあるような、無いような。


「紹介するよ。私の娘でコータと同じ王の器を持つセレンだ。」

俺が記憶の海を散歩しているとセレンがぷっくりと頬を膨らませて俺の頬をつねってくる。

「あーもう!なんで忘れてるのよー!ついこの間、王都で会ったでしょ!」

あー、言われてみれば。王都の路地裏で出会ったフードの少女にそっくりだ。だが、その時と髪や目の色が違う気がする。

「魔法で髪と目の色を変えてたの!全く…それぐらい気づいてよぉ!」

何というかテンションが高い女の子だな。


「セレンは兄が出来たのが嬉しいだけなんだよ。うるさいだろうが仲良くしてやってくれ。」

アルゴがそう言うのとセレンが背中に飛び付いてくる。さっきまでのちょっと不機嫌そうだった顔はすっかり無くなり、満面の笑みを浮かべている。

「よろしくね、コータ!」

「あぁ、こちらこそよろしくな。」


それからまた暫くするとアルゴが立ち上がり、前方を指した。

「あれがクアレア一族の総本山(そうほんざん)、通称"魔境(まきょう)の谷"だよ。」

俺もセレンを背中に背負ったまま立ち上がり、前方を見る。そこに映ったのは名前の通り巨大な谷だった。目測(もくそく)で幅12~13km、奥行き5kmといったところだろうか。とにかくデカい。今にも空が飲み込まれそうだ。


「魔境の谷はクラレア派の魔王が20~30人住んでいて強固(きょうこ)な結界が張られているからこれまでに攻められたことはないの!」

セレンがドヤ顔でそう言う。言われてみれば、谷の方角から異常な魔力を大量に感じる。離れているのに纏わりつくような寒気(さむけ)が全身を襲う。

俺は初めて魔法を使った後から何となくだが人の魔力の強さというものが体感で分かるようになっていた。ちなみにアルゴやセレンの魔力の強さは魔法技能(まほうぎのう)に特化した転移者以上だ。それよりも強力な魔力が大量に谷から感じ取れる。それ全てが魔王なのかは分からないが、強力な魔術師が山のように居るのは明白だ。そりゃ誰も攻めようとはしないよな。


俺たちが乗るドラゴンはゆっくりと谷に向かって降下していき、中へと入って行く。谷の中はすぐ街になっていた。谷の壁面には多くの建物が張り付いており、多くの人が()()している。谷の中には多くの岩石が宙に浮いていたりしていて、そこにも多くの建物が張り付き、それぞれの浮遊石(ふゆうせき)同士を繋ぐ吊り橋などが網の目のようになっている。


ドラゴンはその目の隙間を縫うようにしてさらに降下していき、深さ的には1kmはあるであろう谷の底で着陸した。着陸地点の目の前には一際大きな屋敷があり、アルゴとセレンがそれを背にしてこちらを向く。


「改めて、ようこそクアレアへ。歓迎しよう、コータ・クアレア。」

「これからよろしくね!コータ!」

2人が笑顔でそう言ってくれる。

はじめは不安しかなかったがこの笑顔を見ればなんてことないだろうと思ってしまうぐらいの笑顔だ。俺は2人の笑顔に(こた)えるように、笑顔を浮かべながら歩きはじめた。

セレンかわいい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ