僕を見て言った
蠍座の黒猫さん主催「詩のサークル」第二回投稿作品です。テーマは「音楽」
つい真冬
残る甘さが
鼻につく
乾いた道路に
吹いたはずの
君の名前
枯葉色に
小さな熱が灯る
未明に
子供の泣き声
足止まる
蒸気の水路は
僕を見て言う
薄日が
空を染めるのは
閉じた雲のせい
爪の痛みは
何かが死んだ証
誰も何もしない
そんな寝ぼけに
ささやくのは
僕を呼ぶ
乙女の誘い水
つかまえた
君という
朝の陽の
指影
*****
発想元歌手と曲名 : はっぴぃえんど 「外は良い天気だよ」
作詞 松本隆、作曲 大瀧詠一……この日本が誇る天才コンビの中でも、この曲が一番キュンキュンきます。私の中の乙女が。
冒頭部、大瀧詠一さんが歌う「ぬはん」と歌うハミングから〝じゅん〟と分泌される乙女汁。歌詞が「水色の陽〜」あたりにくると、失禁状態になります、感情の。
この曲を聴きながら、乙女なポエムを書いていたら、酒が入り、カルトめな映画を見始めて……水彩パレットに黒が混じり込んでしまいました。
まあ酔っ払いオヤジのメルヘンはこんなもんですかね。