第1話 始まり
今回が初投稿で、まだ字数の量のペース配分をつかんでないのでこれから試行錯誤していくつもりです。
とりあえず、中くらいの量で投稿します。
「ハァ~~~~~~~~~~、メンドイ……」
バスの中でそうつぶやく俺の名前は森下竜樹だ。
ちなみに下の名前を「りゅうき」と読むのは、親によればできるだけカッコいい名前をつけたかったから、ということらしい。まぁ、特に文句があるわけではないんだけど自分では名前負け感が強いと思っている。
それは、最初の言葉でも分かるかと思うが俺はめんどくさがり屋なのだ。それも、かなりの。
とりあえず、口を開けばメンドイ、疲れた、だるい、やりたくないのオンパレードで、それは、たとえ家であっても今通っている健鱗高校でも変わらない。一応、部活も入ってはいてちゃんと出てはいるが、あまり熱心にやっているわけでは無く、流しているという感が強い。
「おい竜樹。せっかくの修学旅行の最中にそんなため息つくなよ。こっちまで気分が萎えちまうじゃねーか」
隣から、そんな声をかけてきたのは松下勇だ。
この勇は、言葉遣いが若干荒いのだが、実は結構な小心者で誰かのケンカとか見ると速攻で逃げる。そりゃあ、もう「あれっ、いつのまに!!!!!」ってぐらいに。まぁ、そんな感じのやつだけど結構仲は良くて、なんだかんでいつも話している友人だ。
そして、勇の話にもあったように現在俺たち健鱗高校三年生(一クラス二十五人で五クラス)総勢百二十五人は、二泊三日の修学旅行の真っ最中で現在目的地に向け、バス移動中だ。
バスには、一クラスづつ乗車していて俺たち五組は、最後尾を走っている。バスの中は、クラスメイトが思い思いにそれぞれ友人達と楽しそうに騒いでいる。
(というか、楽しいのは分かるけどよくそんなに元気でいられるな。疲れないのか?)
俺自身は、そんなことを思いながらもさっきから話しかけ続けている勇を無視するわけにもいかないのでそちらに意識を向け話し始めた。
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バスで移動していると途中でサービスエリアで休憩時間となり、クラスメイト達がバスから降りていき、俺も外の空気を吸うためにバスから降りた。
「ん~~、やっぱり外の空気はうまい」そんなことを思わずつぶやいてしまう。実際にバスの中は空気がこもっていて若干気持ちが悪かったんだからしょうがないと思う。
その後、トイレにから帰ってきた勇や他の友人達と話していると、ひときわにぎやかな集団が戻ってきていた。
そのグループはクラスの中でもスクールカーストの最上位であり、いつもクラスの中心にいるクラスメイト達だ。彼ら彼女らは、バスの中でも一番騒いでいた。
まぁ最上位のグループといっても、他のクラスメイトを上から目線で見ているわけでもなく、グループ外のクラスメイト達とも普通に話したりもしているのだが、むしろそのグループ以外のクラスメイトの方が距離を置いている感がある。それには、いくつか理由があって一つはそのグループのメンバーは比較的顔が良いというのがある。が、これは、はっきり言って大きな理由ではない。問題なのは次の理由で、とにかくテンションが高いのだ。そのせいで、大抵のクラスメイトはそれについていけず距離を取っている。
別に、それで何か問題行動を起こしているかというと、そういうわけでもない。ないのだが…、ぶっちゃけ彼らと話し続けるのはキツイ。うん、ホントに…
と、そんな風なことを思って見ていると
「おーーい、皆そろそろバスが出るから戻ってきてーー!!」
という大きな声が聞こえてきた。担任の磯山みやの先生だ。
この先生は真面目でいいのだけど、ほんの少し抜けている。だけど、本当に少しだけなので笑えるレベルで収まっており、そこを含めて生徒から好かれている。…って、ヤバい。そんなこと考えてたらもう皆はバスに乗っている。
「おーい、竜樹。はやくこーい」
くっそ勇のやつ、もうバスまでいってやがる。一声かけてくれても良かったと思うんだけど。
こうして、俺は運命の場所まで行くことになる。