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聖戦士マリオン

マリオンは、美しかった。

並大抵の美しさではない。

思わずひれ伏してしまうような、圧倒的な神々しさ。

性を超越したその美しさの前に、目撃者は信仰にも似た念を抱くであろう。


事実、マリオンが援軍として到着した瞬間敵も味方も思わず息を呑んだ。味方の兵士の中には涙を流して失禁する者もいた。


神王国と山の国の国境。神王国聖戦部隊は山の国警備隊のゴーレム部隊によって苦戦を強いられていたが、マリオンの登場により兵士達は一気に沸き上がった。


神王国の戦士として必要なものは、美しさと神への信仰だ。マリオンは類稀なる美しさ、そして何より誰にも負けぬ信仰心の両方を備えていた。


「悪しき神を信じる邪教徒達よ。神の名において汝らを成敗する」

マリオンが声高らかに叫ぶと、何処からともなく巨大な兵器が現れた。


「あれが天使…なんと神々しいお姿だ…」

兵士の一人が呟く。


天使と呼ばれるその兵器は神造人型兵器UR-04。山の国兵士が搭乗する量産型ゴーレムとは比較にならぬ大きさと神々しさだ。


天使の動力は神への信仰である。操縦者は自らを依り代にして、民と己の信仰を天使に捧げねければならない。圧倒的なカリスマと信仰心をもつ者にしか、天使を動かすことは出来ない。


マリオンが天使と一体となると、周囲に聖性が満ち始める。


--神法を犯す愚かなる者達よ。神の裁きを受けよ。


天使がそう告げると、聖性が一気に膨れ上がる。

神の裁きが異教徒達に下る。邪神を崇める山の国の部隊は、一瞬のうちに浄化された。


「また一つ世界の歪みが正された。しかしこれで止まる訳にはいかぬ。異教徒を討ち滅ぼし全世界に神の正義を執行するまで、我らの戦いは続くのだ」

味方から歓声が湧きあがり、敵は皆一様に平伏した。


神王国に7人しかいない天使操縦技術をもつ「聖戦士」の一人マリオン。神王教団が世界を統一するその日まで、マリオンは戦い続けるであろう。

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