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バトルフロンティア  作者: ぞえ
残党討伐作戦編
7/35

第一話 初陣

ありがとうございます!




 気が付けば俺が異世界に来て半年が過ぎようとしていた。

 まだまだ未熟かもしれないが、それでも着々と力をつけていた。今じゃ、魔物一体に対しても遅れを取らない程度はある。


「おーい、ユウト」

「何ですか?ケイジさん」


 ケイジさんは少し戸惑った様子だった。


「んーと・・・うーん」

「ケイジさんにしては歯切れが悪いですね」

「そうだな・・・えっと、二週間後の残党討伐作戦に出てみないか?」

「・・・ホントですか?」

「ああ」


 残党討伐作戦?


「えっと、つまり戦争ですか?」

「そうだな。魔王軍の残党の場所を掴んだ。中規模の部隊が多数がいるらしいが、司令官として強力な闇の魔道士がついている。他にも大きな影を見たと偵察部隊が報告している」

「・・・・・」

「俺的にはお前の腕なら大丈夫だと思っている。ここで成果を上げれば王都の騎士への昇格が出来る。どうだ?」


 小刻みに肩が震えるのが分かっていた。

 もう長い時間本物の魔物と戦ったことはない。絶対の安全が保障されないのだ。

 けど、ここにいたって何も始まらない。自らが進んで選ばないと。


「分かりました。行きます」

「よし、分かった。お前のことは俺から部隊の方に話しておく。それじゃぁ、二週間。しっかりと修行に励めよ」


 そう言ってケイジさんは行ってしまった。


「二週間後か・・・・こうしちゃいられない!」


 俺は槍を持って中庭で振り回しはじめた。

 






 何やかんやしているうちに二週間が過ぎた。

 俺は待ちに待った修学旅行に行くような気持ちで、胸が高鳴っていた。


「やばい。とうとう来ちゃったよ。本番だよ」


 俺は槍を担いでケイジさんと一緒に王都に出向いた。

 王都では街中で残党部隊の討伐の為に準備が行われていた。ある者は別れを悲しんだり、ある者は仲間同士で握手したり。

 そんな感じであった。

 蒼と銀の鎧だった。

 見ればリディアスだけでなく、ミストラル帝国の兵士も見える。


「今回の作戦は三割が王国、三割がミストラル。残りの四割が傭兵になる。お前はその傭兵の分類に入ることになる」

「傭兵か・・・・」

「よし、じゃぁ、ここでお別れだ。作戦は出撃前に聞かされるだろう」

「分かりました。そう言えば、ケイジさんは出ないんですか?」

「ああ、俺は今回出ないんだ」

「そうですか・・・・」

「なぁに、心配するな。お前はもう一人でも生きていける。俺が保証してやる」

「はい・・・・」


 そう言ってケイジさんから離れていく。


「ユウト!」

 

 俺は振り返った。


「生きて帰って来い!」

「はい!」


 俺は元気よく返事をして、傭兵の兵舎に行った。









「傭兵の諸君には西から進軍してもらう。そこで敵の注意を引きつけたのち、我々の連合軍が背後から奇襲。その後、各部隊分散して敵を撃破しつつ闇の魔道士を討伐。これが作戦の概要となっている。何か質問がある者は?」


 リディアスの騎士の男が作戦説明を行った。

 俺は後ろからそれを見ていた。


「敵はオーク、ゴブリン、ガルム、トロールで殆ど構成されている。他にも強力な魔物の存在も確認されている。くれぐれも注意してくれ」


 そう言って、男は出て行った。

 傭兵達は皆バラバラになって解散してた。武器の手入れをしたり、酒を飲んだり、個人個人好きなことをやっている。

 俺は椅子に腰掛け、作戦時刻までボーと過ごしていた。


「そろそろか・・・・」


 目を開く。

 傭兵達はゾロゾロ集まって、森の中に突入しようとしていた。

 敵本陣はこの魔の森の最深部。恐らく敵は作戦通りに防衛に徹している。だから、俺達が西に敵軍を引っ張り、その防御の穴に連合軍が突撃。背後から敵の大部隊を奇襲。

 

「大丈夫。生きて帰る。生きることだけを目標にして」


 午後三時。作戦が開始した。


 作戦通りに森の西側から進行している俺達は数回休憩しながら敵の目前にまで近づいていた。

 残党軍はオークやゴブリンをそこら中に配置している。

 

「傭兵部隊!攻撃開始!」

  

 傭兵部隊の指揮を取っている男が言った。

 全員茂美から飛び出て、我先にと走る。

 しかし、誰も知らないこの部隊で統率がとれるのか?いいや、それは無理だ。だが、今回は撤退はしない。

 あくまで敵を引きつけるだけでいいのだ。

 そうすれば直ぐにでも背後から奇襲がかかってくる。

 よって、撤退はしない。つまり各自で戦っていればいいだけの話。


 俺も他の傭兵達と混じりながら戦場に赴いた。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 オークの上段からの斬撃を避け、腹に槍を刺す。そのまま槍を引き抜き、後ろにいたもう一体の首に槍を投げた。

 鋭い刃はオークの喉を貫いた。


「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・」


 どうなってんだ?

 異変に気づいたのは敵の防衛部隊の大多数がこちらに気づいて、増援を寄越した三十分ぐらいの時だった。

 一向に連合軍の奇襲部隊が現れない。

 敵に見つかって現在戦闘中なのか?


「くそっ!」


 どうにもならない気持ちを声に出しながら俺は槍を振り回した。

 

「ダメだ。奴らに囲まれるぞ!」

「どうなっていやがる!奇襲部隊はどうした!」

「まさか、全滅!」

「いいや、そんなはずがない!俺達より装備が良く、指揮系統もなっている奴らが俺らより全滅なんてありえねぇ!」

「兎に角、俺達も陣形を取ろう!」

「おい、坊主!一旦下がれ!」


 おっさんに言われ、俺も一旦引いた。

 俺達は俺達なりに背中を預けるように陣形を作った。これで、個人的には戦わなくて済むはずなんだが。


「こうして、待ってるしかないなんてな・・・・」


 隣の男が呟いた。

 俺は木を引き締めて槍を握った。


 戦闘開始から既に二時間が経過しようとしていた。




ありがとうございました!!

とうとう作戦開始しました。

さてさて、どうなることやら

次回もよろしくおねがいします!

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