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赤桜学園は中学生から各自の意志で寮生活を選択する事ができる。
僕達小学生はまだ年齢的な面で心配が残る為、寮生活は許されていない。実家から通っている。
寮生活には憧れるけれど、父さんや母さんと離れるのは少しさびしい気もする。
一応、大人になってから一人立ちできるように中学からは寮に入る事になっているけどね。
そうなったら休みの日くらいにしか親に会えなくなるのかと思うと少し不安だけど、まだ中学生になるまで1年以上あるし、今考えててもしかたないかな。
小学校は赤桜学園の正門のすぐ傍にある。
僕は下駄箱に靴を放りこんで5年生の教室に向かって走り出した。
教室に入るとキーンコーンカーンコーンとHRの開始を知らせる鐘の音が鳴る。
どうやらギリギリセーフだったみたいだ。
「青柳、早く席付けぇ」
先に来ていた先生が眠たそうに僕の方を見ている。
他の皆はもう席に着いている。
僕は少し恥ずかしくなってそそくさと席に着いた。
「黒くんおはよう!」
「あ、おはよう、見都ちゃん。」
席に着くと隣の席の女の子があいさつしてきた。
彼女の名前は御桜 見都ちゃん。1年生の時に席が隣になってからの友人だ。
明るくて皆に人気の、まさにクラスのリーダーって感じの子。
見都ちゃんの黒髪は最近伸ばしているらしくて、今は肩辺りまでの長さがある。どこまで伸ばすんだろう?
「そういえばさ、聞いた?一昨日なんだけどさ、また出たらしいわよ?」
「何が?」
彼女はわざとらしく声をひそめて話す。
「女の子の幽霊よ。3組の友長くんが放課後見ちゃったんだって!」
「そ、そうなんだ・・」
見都ちゃんは怖い話が大好きだ。
彼女に霊感は無い為、どうにも幽霊を見れた事はないらしいのだが、将来の夢に
『幽霊と友達になる』
とか書いちゃうくらい好きなのだ。
もう病的だ。これを彼女は1年生のときからずっと言っている。
僕も最初は「なれるといいね」位にしか思っていなかったが、5年生になった今では「それ、友達とかじゃなくて憑りつかれるって言うんじゃ・・・」と少し引いている。
見都ちゃんは幽霊関係以外は普通なんだけどなぁ。




