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砂糖と雑巾  作者: お空
8/24

自由人とは私のこと

菜々子は女の子らしい。

肩くらいまでのおろした髪はふわふわで、雰囲気はおっとりしているが、頭が冴えている。

現実的で意見が的確。菜々子がどんな子かと聞かれたらそう答えるだろう。 

陽子のお姉さんらしい容姿に対し、菜々子は妹っぽい感じだ。

だけどちゃんと女性らしい雰囲気は持っている、私なんかより素敵な人だと思う。

菜々子のお父さんは社長さんで、お母さんは厳しくて、怒ってばっかなのに綺麗で、最後は抱き締めてあげる──、そんな良いお母さんがいるという印象も強い。


母さんも素敵な人だ。

家事、子育て、仕事、人格。

子供は親を見て育つとよく言うけれど(まさしく菜々子がそうである)。



私はあんな立派な母親がいるのに、──いつまでフリーターなんだろう。




「…で、カンちゃんは結婚願望あるんだよね?」

菜々子が私の顔色を伺う。

「え、…あ、あぁ、うん」

実に曖昧すぎる。不安定にうなずいた。

「カンちゃんはいいダンナ見つかるんだろうな」

ほんわかした口調で菜々子が言うので、つい微笑んでしまう。

それと反対にこのままが続くのもナイんじゃない?とも聞こえる。考えすぎかも知れないが、私も就職しなきゃいけないんだな、と頭では分かっている。

「まぁね。菜々子はどうなの?」

「順調よ」

全てを一言で片付けた菜々子をうらやましく思った。


「マジで?」

「男はキープ中だし、お仕事もうまくいってる。おかげさまで」

菜々子はニッと笑って、ピースをとった。

「良いなぁ」

私は言った。本音である。

その後、ファミレスのハンバーグを食べながら、話に花が咲いた。本当に菜々子は良いコだなぁ、と改めて思った。

将来に関しても、自分に対してもしっかり考えを持っていて、まるで非がないといっても過言じゃないな、と感じた。


家では守が待機しているので、安心しきっていた。




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