頼る私はsweet?
わけのわからんサブタイトルになってしまいました。
すいません。
「どこ行ったんだよ…」
守がビックリしている。
母さんが携帯を持たずに出掛けるなんて珍しい。
しかも、昨夜から帰ってないとのことだ。
「男の所に…?」
この家に父親はないない。幼い頃に、不治の病を患い、病死した。
そんなドラマチックな死に方だったらしい。
母さんは私と守のため、必死に働き、育てた立派な母親だと、私は思う。幼い頃から変わらない手作り料理も私は尊敬している。
「…守」
「何だよ」
「母さんを信じよう」
守は深くうなずいた。
「もし、悪い結果になっても、受け入れよう?」
「悪い結果って…」
私の言葉に意味が理解できない守は、イラだちを感じたようだ。
「父さんの元に行っちゃってもってこと」
感情を押し殺したように言ったつもりだったが、声が震えた。
守は私の気持ちを読み取ったようで、
「ああ」
と答えて、守は優しい眼をして母さんの携帯を自分のポケットに入れた。
*
「大丈夫?」
幼馴染みの星野菜々子が私の顔をのぞきこむ。当然だ、私がうつむいているのだから。
「あぁ、うん…」
昔から付き合いのある、菜々子に事情を全て話した。
朝帰りしたあと、母さんがいないこと──。
「カンちゃんのお母さんがそんなことになるなんて…珍しい」
菜々子が言った。やはりか。
“そんなこと”にもまだなっていないレベルだけど、これから“そんなこと”になる可能性は大いにあるわけだ。
そこで、大事にもならなくても、ああだこうだ言われない幼馴染み、菜々子に相談した。
それに、菜々子なら何か有力なアイデアが浮かぶかも知れない。そう思った。
当初は陽子に相談しようと決めていた。
だけどあの夢が邪魔をする。気まずかった。顔を見れない気がした。
私はちっぽけな女だ。