表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂糖と雑巾  作者: お空
6/24

姉弟

ボーっとしていると、鍵を開ける音が聞こえた。

誰か帰ってきたようだ。

「ただいま」

弟だった。弟の守は高1の派手な方でイケてるらしい。(もちろん友達談)。

「守、朝帰り?」

ソファから飛び起きると守が即座にツッコむ。

「ねぇちゃんもだろ」

「うっさいな」

あ、そうか、と思った。

「って牛乳ないし」

冷蔵庫をさっそく開く守が舌打ちをする。

「知らんわ。で、彼女と上手くいってるんだ」

「うっさいな」

守は私がついさっき言った口調で真似した。

「何よ」

可愛くない弟ね、と思いながら再びソファに倒れ込む。

「母さんいないね」

守が麦茶を飲み干して言った。

「…そうだね」

私も思っていた所だった。

「俺らと同じことしてたりして」んなわけねぇな、と守が1人で笑う。

「えっ?まさか昨夜からいないの?」

てっきり、早朝に出掛けたのかと。

「多分な」

「確かに、電話も来てないし…」

いつもなら、帰らない日は電話がかかってくるはずだ。

「マジかよ」

守は平常を装っていたようだが、声色が焦っていた。

「もしかして守も電話来てない?」

「ああ。ねぇちゃんに来てたんじゃないのかよ?」

「メールすら来てないわよ」

顔を見合わせる。

「とっとにかく、いま電話してみようぜ」

「うん」

守が携帯を開く。私は守の隣に行って、通話を聞こうと思った。


プルルルル…

なかなか出ない。

「なあ、もしかして…」

守が急いで寝室に向かう。

「どうしたの──」


母さんの携帯がポツンとベッドの上に置いてあった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ