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31: アレは良いものなのである

 

 最近見知らぬ人間が、家を訪れてくるようになった。

 まぁ、我輩の邪魔をしなければ言う事はないが…………。

 


 それはさておき。



 人間は色々なものを作る。

 大抵はろくでもないものばかりだ。

 水の出る部屋などは、その最たるものである。


 だが、悔しいが認めねばならないであろう。

 人間はごく稀にだが、偉大なモノを作る。


 その極め付けが、この四角い箱である。

 この季節にならないと主人は片付けてしまうが、これは年中あっても良いものである。

 外はふかふか、中はぬくぬく。

 

 ぼんやりと中で温まっていると、ついウトウトとしてしまう。

 その余りの気持ちのよさと言ったら、ここは極楽か、と錯覚してしまうほどである。

 赤い光が多少煩わしいが、それさえ目を潰れば、この世にこれ以上の場所はないだろう。



 というわけで、この中は我輩の縄張りにしてやった。

 偉大なる我に相応しい場所だからだ。

 我輩の許しなくば、誰の侵入も許さないのであ……むにゃ。


 うむぅ。

 この温かさが眠りを誘発する。


 あ、ふぁああぁ。

 再び眠くなってきた。

 一眠りするか。




 …………すやすや




 ……………………すやすや




 ………………………………すやすや




 すやす……むぎゅっ!


 な、なんだ!?

 何が起こった!?

 


 あっ、誰だっ?

 我輩の縄張りに勝手に足を差し入れたのは!

 断わりもなく、無礼であろう!!



 これだから人間という種は。

 まさか、主人ではなかろうな……?

 

 くんくん。



 …………



 …………………… 



 ………………………………



 ………………………………………………………………



 はっ!?

 あ、あまりの臭さに、意識を失うところだった。

 

 人間。

 恐ろしい種族である。


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