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30: 寒くなってきたのである
最近、めっきり寒くなってきた。
いつの間にか、冬が訪れていたようだ。
本格的な冬には後少しというところか。
だが、十二分に寒い。
我輩の毛も凍りついているかのように硬くなっている。
我輩、寒いのは嫌なのである。
そういえば、どうやら主人も寒いのは苦手なようだ。
日がな一日ジッとしている。
最近では時には寝床にこもって、起きてこない日だってある。
出会ったばかりの頃は、どんなに寒かろうと走り回っていたものだったが……。
まあ、我輩とは比べるべくもないが、主人は人間にしては高齢の筈だ。
そういうものかもしれぬな。
……………………仕方ない。
今は我輩と主人以外、家には誰も居らぬ。
一人でジッと寝床に横になっているのは、主人も心細かろう。
ここは人生の先達である我輩が、傍で見守ってやろう。
心配することはない。
安心して眠るが良いぞ。