17: 猫パンチなのである ※
許せぬ!
犬畜生は一体どんな躾を受けてきた!?
先ず、やたらとでかいのが腹立つ。
身体がでかい上に動き回るから、はっきり言って邪魔でしょうがない。
しかも、偉そうに我輩を遥かな高みから見下ろしてくる。
何様のつもりだ!?
チビだとでも言いたいのか!?
我輩を誰だと思っている!?
加えて、この犬畜生はあの臭い同居人にも嬉しそうに尻尾を振っている。
飼いならされたものだ。
嘆かわしい。
野生はどうした!? 野生は!?
臭いに敏感でない愚鈍な生物など、自然の中で真っ先に淘汰されていくぞ!?
ふんっ。まあよい。
お前たちは嫌われ者同士、仲良くやっていろ。
我輩は主人と暮らしていく。
家庭内別居なのだ!
ふふん。
うらやましいか。
我輩の主人は貴様の主人とは違い、いい匂いがするからな。
だが、駄目だ!
主人は我輩のものである。
我輩達は昨日今日現れた貴様たちのような、浅い付き合いではないのである。
もはや、ツーといえばニャンという仲なのである。
何があろうと主人は我輩の味方なのだ。
……何だ? またか!?
我輩に興味を持とうとするな。
近づくでない。
ハッハッハッハ、するでない。
クンクンするな!
これだけ言ってもまだ分からぬか!?
ならば仕方ない。
言って分からぬ奴は、前足で分からせてくれようっ!
ふふん。逃げていきおった。
何とたわいのない。
これだから温室育ちは。
ともかく、これに懲りたら二度と我輩の周囲に近づくでないぞ。
にゃっはっはっは。
ん?
おお、主人ではないか。
我輩は腹が減ったぞ。
早く飯にするがよい。
何だ、主人?
一体そんな厳しい顔でどうし……
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…………叱られた。