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15: 同居人が増えたのである

 

 主人はまた住居を移した。

 人間はころころと住居を変えるものだが、それに付き合わされる身にもなれ。


 特に我輩の了承なく強引に、という所が性質悪い。

 本来であれば、我輩に献上物の一つや二つを捧げてから、お伺いを立てるのが常道である。

 全く非常識である。 

 まっこと腹立たしい。


 ただまあ、多少前の住処よりも広くなったのは良い。

 隠れる場所が増えたので、色々とやり易くなったのだ。

 とはいえ、良かった点はそれだけである。

 やはり悪い点の方が多い。


 その一つに、同居人が増えたという事が挙げられよう。

 例の煙の臭いのする奴だ。

 本来であればこんな輩は、埋めてしまいたいのである。

 百歩譲って、我輩に決して近づくな。


 だが、不快分子は奴だけではない。

 何と同居人は他の動物を一緒に連れこんだのだ。

 こともあろうにそれが、犬畜生なのである。


 度し難い!!

 高貴な我輩を、犬畜生と同じ空間で過ごさせようとは。

 元は種を同じくする者とは言え、我輩とは相容れぬ。

 

 主人も主人である。

 どうしてそんな当然の事が分からないのか。

 我輩は悲しい。

 どこで躾け方を間違ったのか……。 


 だが我輩がどんなに主張しても、やはり犬畜生を放逐させる気はないらしい。

 まっこと不愉快ではあるが、これから一緒に暮らしていく事になるのは、ほぼ決定事項なのであろう。


 ならば仕方ない。

 いつまでも嫌がっていても、誰にとっても良い結果にはならぬ。

 我輩は前向きなのである。


 ただ近い内に、どちらが序列が上かはきっちり教え込む必要があるだろうな。


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