自己紹介なのである ※
基本的にイラスト付きの、まったりした話です。
最終的には、感動的になるのかもしれない気がするような感じがしています。
※他連載の合間に投稿しますので、更新頻度は遅いかもしれません。
我輩は猫である。
ただ、名前は付けられている。
我輩の世話をしたいという大きい奴らに、よって付けられたのだ。
我輩としてはあまり気に入ってはおらんのだが……まあ、そこは大目に見てやっている。
何せ今の世を闊歩している人間など、我輩にとっては赤子同然なのだ。
というのも、我輩は人間などの脆弱な種とは異なり、遥かな昔から生き続けている。
人間如き輩が今の繁栄を築くより以前の、まだこの地の生物の一種に過ぎなかった時代から。
我輩の同族が、まだ人間に世話をさせてやり始める前の事である。
実際の齢は、我輩自身も忘れてしまった。
まあそういう事なので、人間のやる事などは我輩にとって児戯にも等しいのである。
あまり気に入らない呼び名も、甘んじて受けてやっている。
感謝するが良い。
そして今、我輩が世話をさせてやっている者達の事を話そう。
我が住処と決めた家の者だという事もあって、ここの住人は人間にしてはマシな奴らである。
なればこそ、我輩も世話をする事を許してやっているのである。
住人は、我輩をこの家に案内した人間のメス。
我輩に食事を供えるメス。
そして、そのツガイと思われるオスの三匹である。
我輩をこの家に案内したメスは、最初に出会った頃からすると比べ物にならないくらい大きくなった。 同族では考えられない成長である。
まっこと人間とは不可解である。
だが、このメスは流石に我輩が認めてやった人間という事はある。
我輩を敬い、その行動を尊重する姿勢が端々に見受けられる。
我輩を撫でたがるのが玉に瑕だが、まあそれは勘弁してやっている。
我輩の寛容な心をしかと胸に刻むが良い。
本来ならば、主従の関係で言えば我輩が主であることは言うまでも無い。
が、とはいえ我輩ももういい大人である。道理は分かっている。
この家の中では新参者である我輩が、主を気取る訳にもいかぬのだ。
仕方なく。まっこと仕方なくではあるが、このメスの事を"主人"と呼んでやっている。
有り難く思えよ、人間。
長年の観察によって、我輩と最も長く一日を共にする食事を供えてくるメスは、どうやら主人の母親であることが分かっている。
ならばそのツガイであるオスの方は父親と言う事になるのであろう。
まっこと遺憾ではあるが、主人の両親であればあまり無下にも出来ん。
という事もあって、我輩は彼等の同居を許しているのである。
太古の昔から生き続けている我だからこそ分かる。
人間と言う種は、浅慮で、愚かな、どうしようもない種である。
ともあれ、我輩と住処を共にする者達でもある。
年長たる我輩が、導いてやらねばならぬだろう。
なお、作者は猫を飼った事はありません……orz
なにか色々おかしい点があるかもです。ご了承下さい。