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タイム・スパイラル  作者: やあやあやあ


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第二十五章 雪辱と後悔 第3.5話

目の前の彼女は僕の前で手を広げて、その瞳を閉じたままそこに立っていた。そして、その彼女の背後には大きな水槽があった。その水槽は漆黒の液体で満たされていた。その液体はまるで底知れない闇の様だった。その闇を目の当たりにした僕は、その水槽の中へと引き込まれてしまうそんな感覚がした。そして、僕の右手には漆黒のダガーナイフが握られていた。そのナイフは彼女から渡されたものだった。そのナイフは彼女の背後の水槽に広がった闇と同様のおぞましい姿をしているように見えた。

僕がこのナイフを見た瞬間、湧き上がってきたのは殺意だった。その殺意は強迫観念となって僕の心を追い立てた。それはまるで彼女を、目の前の彼女を殺さなければならない、そうしないといけないという衝動だった。その意志に突き動かされた僕は、目の前の彼女へとゆっくり近づいていった。彼女の首筋に、このナイフを振り下ろすために...

~~~

「ねえ?港。私のこと好きなんでしょ?」僕が彼女を見ていると、からかうように笑う目の前の彼女。「そうだな。」僕はなあなあな返事をして彼女の問いかけを誤魔化した。「嘘つき。」「どうして?」「あなたは私の死体を見てあんなにも泣いていたのに...」

~~~

目の前の彼女はそのまま動かない。そのまま、黙ったままの静かな雰囲気を纏った表情のままでそこにいた。その表情を見て僕の心に湧き上がってきたのはやるせなさだった。そのやるせなさを前にして、戸惑ってしまった僕。その戸惑いは迷いだった。そしてその時にはもうすでに、その迷いが僕の心に湧き上がってきた理由もわからない意志を、その意味を消し去ってしまったんだ。「さあ、このナイフで私を殺して...」反響(refrain)する彼女の言葉。その言葉を告げた彼女の瞳には涙が滲んでいるように見えた。

~~~

私の耳に聞こえてくる足音。その足音は私へとどんどん近づいてくる。そう、その足音はこの死を忘れた愚かな私の最期の救い、その福音だった。そして、その足跡は私の前で立ち止まった。私はその罰が振り下ろされるその時を待っていた。そう、私の身体に刻み付けられる罪の証、開放の儀その成就を。

しかし、そのナイフが振り下ろされることはなかった。私の背後で何かが割れる音がした。その音で()を開いた私。そこで彼は私のナイフを私の背後に向かって投げつけていた。「どうして...」戸惑う私。次の瞬間、彼は私を抱きしめた。かつてのように...

続く

読んでくださってありがとうございます。

遅くなり申し訳ございません。

試行錯誤の結果、ここで話を区切る判断をいたしました。

本日は短いですが、明日はその分長くなります。


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