第3章 タリスマン
私(夜見)は目の前にいる男を見る。男は薄ら笑いを浮かべ続けている。彼の顔を見ているとストレスがたまるような気がして私は彼から視線をそらした。「ねぇ。あんたここがどこかわかる?]彼は薄気味悪い笑みを浮かべて言った。「いや。知らないね。そもそも事情通があまり牢屋に閉じ込められているイメージを私が持っていなくてね。あなたがそんなことを私に聞くなんてちょっと変に感じるよ。そもそも自身のことですら自覚が怪しいていうのにそんな奴の言葉をあなたが信じると私は思えないね。」どうやらこの男は思っていたよりも偏屈でめんどくさい変わり者の雰囲気を醸し出している男のようだ。確かにこの男が言っていることは筋が通っていると感じた。しかし、彼は私の質問に対する彼の答えを聞いた時の私の脳内のデモンストレーションを再現することによって悦に浸りたいだけのようにも見えた。案外、この男は切れ者らしい。まぁ、そう思うと同時に気持ち悪いなとも感じた。男は言う。「私は少し前にここで目覚めたがあなた以外に人の気配もない。それにこの牢屋鉄格子の間隔が人を入れておくには広すぎると思わないか?」確かにこの牢屋の鉄格子は鉄格子に対して体を平行にすれば簡単に通り抜けられる十分なスペースがあった。「あんた。何が言いたい」「よせよ。わかっているんだろう。あなたも私もここにいたってしょうがないなんてことは。私はここがどこなのかを二人で協力するべきだと思うぜ。」彼の提案は一考の余地があった。なぜなら私は現在能力が発動できなかったからだ。私のトランス能力「ファーシフト」の発動条件は自身の居場所を知ってワープ先の居場所を知っていることで満たされる。その条件の肩代りを担っていたのがアミュレットだった。アミュレットには仲間3人のゆかりのあるものが用いられていた。そのゆかりのあるものを触媒にして一度だけ相手の居場所にワープすることができたのだった。私は希代と合流するために能力を使った。そして希代と合流した後、使い切ってしまった私のアミュレットを希代のを用いて複製するつもりだった。しかし、ワープ先に希代はいなかった。私、いや私たちは罠にはめられてしまったようだ。もはや希代のアミュレットは私を罠にはめた何者かの手にあることは明らかであろう。もしかしたら、宇津野のアミュレットからその何者かへアミュレットを通じ情報が漏れてしまうかもしれない。すぐに彼にこの状況を伝えなければ。希代の安否も不安だ。希代の能力はサポート性能特化だしいざとなったとき自分の身を守れないだろうから。しかし私はまだ最後の希望を残していた。宇津野が持っている最後のアミュレットである。彼のアミュレットはいまだ私の能力でたどることができる。彼に合流するためにも私の居場所を自覚しなければならない。そういう点ではこの男の提案は私にとってすごく有利なものに聞こえた。年代は希代(本物か偽物か怪しい)の最後の通信(1999年6月、場所は北海道)という部分はワープできたことから正しいと考えている。その他の細かい居場所は私の持っているアミュレットを犠牲にしたことでカバーしたため、私はそのカバーした部分の情報を知ることができれば今度は宇津野の持っているアミュレットを犠牲に宇津野の居場所に向かうことができる。この男はその情報を知るまで協力しその後はこの能力で逃げる算段を私は心の中で決めていた。「わかった。この居場所を知るまで協力しましょう。ところで私はあんたを何て呼べばいい?ずっとあんたなんて呼ばせないでよ。」私は男の言葉にこう答えた。「よし。そう言ってもらえて助かった。そうだな。タリスマンとでも呼んでくれ。」「わかったわ。タリスマン。ひとまずこの牢屋から出ましょう。」私とタリスマンはこうして牢屋からでて出口を探し始めたのだった。
私(土井中条)は変な夢に1ヶ月間ずっと悩まされ続けていた。その夢は私が誰かを傷つけ、私が思いつくありとあらゆる残虐な方法で殺すそんな夢だった。最近は朝ごはんがおいしくなく吐いてしまうことも多くなった。私は多くの病院に行きこの原因を探った。しかし、わからない。今まで行ったすべての病院に原因不明と突っぱねられてしまった。そして夢の中に私を見てくれた医者が出てくるようになった。その医者も夢の中で私が考えられる残虐な方法で殺してしまっていた。次第に病院に行く足も次第に遠のいていった。ある日、家のポストに封筒が入っていた。そこには今まで聞いたことのない病院の紹介状が入っていた。光陰病院。そしてその封筒には私を見てくれた医師の一人がなぜこの病院を紹介するまでの過程が書かれていた。要約するとその病院で研究している症例と私の症状がそっくりであるらしい。その病院からその患者を診てみたいと打診があったそうだ。もしかしたらこの夢も見なくなるかもしれない。私はその紹介状に書かれた案内に従って光陰病院に向かったのであった。
第三章~完~
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私はこの小説をハンバーガーを食べながら書いています。
私はバーガーキングのテリヤキワッパーが好きです。




