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タイム・スパイラル  作者: やあやあやあ


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第二十五章 雪辱と後悔 第一話

絶望した俺の前にそいつは現れた。「お前に選択をする覚悟はあるか?」「選択?」「そうだ。お前に選択をする覚悟があるか?選択をした過去を受け入れ、前に進むことができる覚悟が!もしその覚悟があるならこの力を手にし運命を背負って見せろ!!」そして俺はその問いかけに思わずうなずいてしまった。俺にとってその言葉は希望のように感じたから。

~~~~~~

「いてて…」急いでいた僕は階段から転げ落ちてしまった。僕はゆっくりと起き上がる。そしてあたりを見渡した。そこはもう学校ではなかった。僕は立ち尽くす。僕の目の前にあるのは鉄格子だった。僕はそれに手を触れる。鉄格子から金属特有の冷たさが伝わってくる。その冷たさが痛みでぼやけた僕の頭を冷やす。焦りを伴って。「どこだよ!ここ…」僕は大きな声を出した。鉄格子の外側に届くように。しかしその声は無意味な残響へと成り果ててしまうだけだった。僕は部屋の中を見渡した。そこには簡易的な白色のベットと小さなトイレ、洗面台があるだけだった。そしてこの部屋には小さい窓がついていた。そこから風が通り抜ける。冷たい風が。僕はその窓を覗き込んだ。そこには一面の雪景色が広がっていた。僕はその景色を呆然と眺めていた。「おい、希代、来たぞ。」そんな僕を呼び掛ける声がする。僕は振り向くとそこには一人の男がいた。「遅くなってすまない。ここの鍵を手に入れるのに手間取ってな。」そう言って彼は僕に笑いかける。そして彼はこの独房を開放した。

僕は思う。ここはどこなんだろう。目の前にいるこの人は誰なんだろう。僕はさっきまで学校にいた。僕は彼と駅前の本屋に行こうと約束していた。だから急いでいた。その焦りが僕を階段の踊り場で躓かせ階段から落としたんだ。ここまで考えたところで僕は嫌な気持ちになった。この説明つかない状況に一つの納得のいく答えが思いついたから。

僕はある日を境に悪夢に苦しんでいた。その悪夢で僕は殺されていた。その夢に出てくる悪魔によって!彼らはいつも夢の中で僕の前に現れた。彼らは出てくるたびに姿が変わった。高校生、だらしない男、30代くらいの女性、おばあちゃん、少女、そして友達。彼らは共通してダガーナイフを持っていた。そして彼らはそのナイフで僕をめった刺しにする。執拗に何度も。しかし身体から致死量の血があたりに散らばっても僕はその夢の中で気絶することはできなかった。自分だったものが流れて行ってしまう気持ち悪さと何回も突き刺さるナイフの生々しい激痛。その夢はそれを全身に余すところなく刻み込んでいく。そして僕は最期にその悪魔の顔を見る。いつもその顔はほほ笑んでいた。満足げに。

僕は絶望していた。この状況は、この現実と変わらない感覚と夢のような意味不明な状況とが合わさったこれは紛れもないあの悪夢そのものだ。僕は目の前の男を見る。よかった。彼はあのナイフを持っていなかった。僕は慎重に開けられた扉から外へ出る。彼は俺になれなれしく話しかける。「さあ!希代、急ぐぞ。約束の場所へ!」そう言って彼は僕を連れて走る。目にも止まらぬスピードで。僕は彼が言ったその”約束の場所”に心あたりがなかった。

僕が連れられた場所は大きな広場、そこで多くの人々が集まっていた。彼らは円状に並び真ん中にいる一人の少女を見ている。僕は彼女をどこかで見たことがある。そんな気がしていた。彼女は広場の中央に設置された台の上で演説をしていた。「私たちは虐げられてきた。なぜか?私たちの存在が彼らにとって邪魔だからだ。タイムマシンによって人間は4次元で生きることができるようになった。その礎となったのが私たちだ。私たちはタイムマシンを優先的に使うことができる権利を手にするために実験に協力した。しかし、その約束は果たされることなく私たちはこの時空の狭間に追いやられている。」彼女の言葉に周りが同調し盛り上がっている。「私たちが追いやられたこの時空間は現在進行形で滅びの運命にある。この時空間はタイムマシンによって変えられたかつてのタイムマシンが存在しない時間軸だ。空にあったはずの宇宙は崩れ雪のようになりここに降り注いでいる。このままでは私たちは彼らの自由の犠牲になってしまう!本当に私たちはこれで終わりなのか?私たちにはその運命しかないのか?否!そうだ!今こそ立ち上がる時だ!」彼女の言葉に周囲が盛り上がる。「今、私たちはここに宣言する。我らの虐げられてきた歴史を刻み前へ進むためのコミュニティ、<カプア・スペース>その発足を!」

彼女の言葉が終わると彼女の背後に時空の裂け目ができる。彼らは意気揚々とその裂け目の中へと入る。「おい。何してるんだ。行くぞ。」その様を呆然と見ていた僕は彼に連れられてその裂け目の中へと入った。そしてそこで僕は見つけることになる。僕にとっての生きていくための希望。そう彼女との最初で最後の出会いを…

読んでくださってありがとうございます。

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