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タイム・スパイラル  作者: やあやあやあ


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第十二章 強襲編 第四話

 周囲が青に染まる。まるで青空がここで広がっているかのように。そしてその青は空間をうねらせて彼を中心に展開した。まるで渦の様に。彼から光が溢れる。その光から顕現せし純白のローブを纏いし天使が一人”アトロ”。双翼を持ち後頭部には日輪が顕現している。まるでこの青空の太陽であるかのように。「どうしてお前が生きているんだ、天使‼」彼は震えた声で叫ぶ。「お前たちは、あの時死んだはずだ。僕たちの目の前で。」天使はその問いかけを無視して何かを唱える。それは本当の祝詞。祝詞に応えるかのように天使の目の前の空間にひびが現れた。そのひびは天使の目の前で茨のような形に変化した。その茨が目の前に敵に向かう。空間に充満した感情と殺意を纏って。

 ~~~~~~~~

 希代は自身のトランス能力「ランフォマー」の権能を身体全体に纏わせ戦闘態勢をとる。彼のトランス能力の戦闘形態「ダムコンバー」。希代を中心にした半径5メートルの標本空間を展開。その空間内において起こるすべては希代のトランス能力に事象として蓄積される。そして希代が蓄積された経験を用いて起こりうる確率が相対的に確率で表される。それらを用いてそれらの事象それぞれに、それぞれの確率空間を展開する。この確率空間内において蓄積された事象と同じ事象が起こったとき、その事象の確率を蓄積された事象の集合による相対的な確率に上書きすることができる。

 ~~~~~~~~

 僕は標本空間を展開。その瞬間、天使の茨が僕の右腕を貫通した。貫かれた場所が焼けるように痛い。僕は持っている銃でこの体に突き刺さっている茨に弾丸を撃ち込んだ。その茨はガラスが割れたように砕け散った。もう一つの茨が僕の左腕を貫こうと狙う。僕は標本空間を解除し確率空間を展開。その攻撃はあたる直前で僕の体を逸れた。そして俺はその茨に銃弾を撃ち込む。その確率空間内で込められた弾丸は必中だ。なぜなら僕は今までこの銃で銃弾を外す事象を観測していないから。弾丸を撃ち込まれた茨が音を立てて崩れていく。僕は天使に向かって疾走する。天使は祝詞を唱え続け茨を何重にも展開する。しかし僕にはもうその攻撃は通用しない。天使は何が起こっているかわかっていないそんな顔をしていた。僕は銃弾を天使の胸に3発、顔面に2発撃ち込んだ。天使に銃弾が着弾する。天使の胸と額には風穴があいた。しかし、手ごたえを感じなかった。天使は僕をあざ笑う。あいた風穴から天使の纏う光が漏れ出していた。天使は祝詞を唱える唱えるのを止めた。茨の展開が止まる。そして片手に持っていた包丁を落とした。その落とした包丁は床に突き刺さる。そして天使は持っていたコルト・ガバメントのグリップ部分を持ち空中に投げた。その銃は縦に回転しながら鉛直投げ上げの軌道を描く。天使は自由になった両手を胸の前で組んだ。まるで祈りをささげるかのように。その祈りに応えるかのように天使の光が強まった。そしてその光が拳銃の弾倉に吸い込まれたように見えた。鉛直投げ上げの軌道を保持したままその拳銃は天使の左手に収まる。天使はそのままの勢いで引き金を引いた。僕に銃弾が5発撃ち込まれる。その銃弾は天使と同じ光を纏っているように見えた。僕はこの天使の儀礼が込められた弾丸は今まで経験したことがなかった。だから能力でカバーしきれず、僕の右ひざと左ひじに風穴があいてしまった。風穴が焼けるように痛い。まるで茨に貫かれたかのように。僕は持っていた銃を落としてしまった。僕は立っていられず床に倒れ伏す。

~~~~~~~~

 天使が地面に刺さった包丁を引き抜く。天使が彼にとどめを刺すために包丁を片手に近づいてくる。「ここでお前を殺せるなんてな。」天使は笑っていた。「お前らは生きているだけでしょうがないんだよ。我らの計画の邪魔でしかないからな。お前は我らの理想の贄として死ね‼」天使は彼に包丁を突き刺そうとしていた。させてたまるか。私は持っていた拳銃で天使の眉間に鉛玉をプレゼントした。天使が頭から後ろに倒れる。天使の眉間に出来た風穴から赤黒い液体が溢れている。私は自身の権能「ファーシフト」の権能を身体全体に覆いつくし戦闘態勢「ファーレイド」に移行した。天使に高速で距離を詰め包丁を奪う。包丁がダガーナイフへと変わる。私は天使をこのダガーナイフでめった刺しにする。ぐちゃぐちゃと音がする。私の服が赤黒い色で染まっていく。

~~~~~~~~

 俺は彼女が向かった方向へ走る。そこはこの町でも有名なラーメン屋「聖杯」だった。彼女が店内に入ったのを見て俺も後に続く。店内に入ってきた俺の眼に飛び込んできたのは死屍累々。そして彼女が目の前で主任をダガーナイフでめった刺しにしている。俺はこみあげてくる吐き気を飲み込んで、彼女に呼びかける。「おい!何やってんだ‼」彼女は俺を見て言った。「何って【開放】よ。言ったでしょ。」彼女はまるで普通のことのように答える。「開放?何を言っているんだ?おまえがやっているのはただの人殺しだ。」俺の言葉を聞いて彼女の瞳の深淵が深まった。そんな気がした。「人殺し?いいえ。これは必要なことよ。誰かがやらなくちゃいけないことよ。あなたならわかるはずよ。」わかるわけがない。「私たちは今までだって諦めるわけにも逃げるわけにもいかないの。たとえそれが誰かの生を奪うことになったとしても。」そう言って彼女は”開放”を再開しようとする。俺は彼女を取り押さえる。しかし彼女はまるで残像のように動きうまく取り押さえることができない。「邪魔するの?そうか。じゃあ私はあなたも諦めて殺さなきゃダメみたいだ。」彼女は寂しそうに笑う。彼女は俺に銃を突きつけた。「さよなら。」

 続く

読んでくださってありがとうございます。

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