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タイム・スパイラル  作者: やあやあやあ


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第十一章 脱獄編 第七話

 飛んでくる斬撃、その斬撃は黄金色に染まり敵に向かう。しかし、その斬撃が彼を傷つけることはなかった。その斬撃は彼の横を通り抜ける。彼の纏う光から逃げるかのように。彼は天使に向かって目にも止まらぬ速さで疾走する。右手にアセイミーナイフをもって。その姿はまるで流星のよう。それを見た天使は剣を頭上に掲げて祝詞を唱える。剣に黄金に輝く力がまとわりついた。その瞬間、片手持ちほどの大きさだった剣が両手持ちほどの大きさに変遷した。彼はおもむろに秤から手を放す。秤は手から離れると空中に浮いた状態で静止した。天使は剣を両手で持ち、迫りくる敵に向かう。金属がこすれる音がする。ナイフと剣がぶつかり合った。剣が纏いしオーラがナイフが纏いし光と激突する。じりじりと音がする。天使の剣が纏いしオーラがナイフの光で燃やされていく。黄金だった剣に致命的な焦げがこびりついた。それを見た天使は祝詞を唱える。その瞬間、秤から黄金の光が溢れまるでビームのように彼に向かう。そのビームを彼は回避する。そして天使の呼びかけに答えるように空中に浮かんでいた秤が天使の手に戻る。その瞬間、剣は本来の輝きを取り戻した。

 ~~~~~~~~~~

 彼は自身の持つ剣を目の前に掲げる。その剣が彼の頭上のエンジェルヘイローから出た光によって影を生みだした。彼がその陰に手を伸ばすと天使の光がその陰の型に流し込まれた。それは剣の姿を成す。彼は秤をさっきのように空中で静止させた。彼は剣を両手で二本持つ。どうやら第二ラウンドのようだ。俺は彼にこのナイフをもって向かう。彼の片方の剣とナイフがぶつかった。ぶつかった剣は天使が生みだした方だった。その剣はぶつかった瞬間、先ほどのビーム状の光に変化し俺を狙い撃つ。俺は自身の能力でそのビームを受け流した。しかし、彼はその隙を逃さなかった。彼はもう一方の手に持っていた剣で俺を切り付けた。彼は右肩から斜めに俺の体をその剣は切断しようとする。右肩から血が溢れる。しかし、天使の剣は俺をこのまま切断することができなかった。体に受けた傷から俺の体を覆っているものと同質の光が溢れ出した。その光が天使の剣を俺の体に触れていた部分から粉砕した。彼はその光から目を背けた。この隙を見逃さなかった俺は持っていたナイフで彼の剣を持っていた腕を切断した。その腕と剣だったものはまるで風化したかのように砂状になって朽ち果てた。

 ~~~~~~~~~~

 私は大きくのけぞった。神力の調和が今にも崩されようとしている。切られた右腕が戻らない。私は彼が纏う光を見る。彼の放つ白銀の光は周りの空間をまばゆい光で白く染め上げる。それによって染め上げられたうねりが色を失っていく。私を中心に発生していた力場が消えていく。空間が壁が床が天井が彼を中心に真っ白になった。彼は笑う。「どうやらこの空間はもう俺のものになったようだなぁ。弐趾原。」彼は持っているアセイミーナイフを逆手にもつ。彼のナイフに力が、光が収束する。「俺は知っていんだよ。その力は特定の空間でしか使えないなんてことはなぁ!」そう言って彼は私に向かって踏み込んだ。アセイミーナイフが私の体をズタズタにしていく。

 ~~~~~~~~~~

 俺は彼の体をズタズタにするようにめった刺しにする。天使の輪が消えた。少し宙に浮いていた彼の体を俺は地面に叩きつける。彼の口から血が出てくる。俺は彼に訊いた。「なあ。どうしてその姿なんだ?お前はあれだけ天使を憎んでいたっていうのに。」「契約だ。」彼は俺を憎々し気に睨みながら言う。「契約?」「そうだ。お前ならわかっていたはずだ。俺が理由もなくこんな真似をすると思うのか?なあ。宇津野。」彼はこんな状況で軽い口調で弁明をしようとしていた。「おい。俺は言い訳なんて聞きたくない。答えろ。その契約とはなんだ?」彼は申し訳なさそうに言う。「残念だが俺はその内容を伝える手段を持ち合わせていないようだ。」「おい。状況わかっているのか?このままじゃあ俺はお前を殺すしかなくなる。急いで彼女を止めなきゃいけないからなぁ。俺に残された時間も多くないようだしな。」俺は彼にナイフを突きつける。彼は笑った。それを見た俺は彼にとどめを刺そうとした。しかしその瞬間、胸に激痛が走る。彼の手には剣が握られていた。その剣が俺の胸に刺さる。「なんで。どうして。」「おいおい。宇津野。忘れたのか?俺のトランス能力”エスタスティック”の権能を。」俺はさっきの砂状に成り果てた剣を見返した。そこには朽ちた秤があった。彼はいつの間にか立ち上がっている。すべてを理解した俺は自身の権能で身体を完全に覆いつくす。体に刺さった剣が砂状になって朽ち果てる。俺は彼に向かう。とどめを刺すために。しかし彼は言った。「残念ながらチェックメイトだ。悪いな。解析終了だ。」その刹那、俺の体がズタズタのめった刺しに成り果てた。俺は地面に倒れ伏す。俺は彼を見ると身体にあった刺傷が無くなっていることに気づいた。まるで初めからなかったように。俺はこの力に見覚えがあった。「どうして、お前がこの能力を使っているんだ。弐趾原。」「どうして?フフフ。わかっているくせに。」彼は俺をあざ笑う。「そうだ。わかっているよ。どうすればこんなことができるのかっていうことは。俺が言いたいのはお前がそんなことできるわけがないっていうことなんだよ。」それを聞いても彼は笑いながら俺を見下している。「「そうか、お前弐趾原じゃないな。」「フフフ。気づくのが遅いよ。お前」「誰だよ、お前‼」「俺はタリスマン。執行人だ。」そう言った彼は何かを持っていた。それは心臓だった。それは本来の体の持ち主から切り離されているのに脈打っていた。俺の体の傷から力が光となって抜けていく。意識を保つことができなくなっていく。彼は目の前でその心臓を握りつぶした。その心臓から血が溢れ出す。誰かの絶叫が聞こえたような気がした。俺が最後に見たのはそれを見て笑う男。それを最後に俺の意識は失われた。

 続く

読んでくださってありがとうございます。

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