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《紅蓮の魔女と契約者》

日本の夏は暑すぎます(日本人だが)

ドイツとかフランス行きたい。

ヨーロッパって涼しいイメージあるのは私だけだろうか。

溶ける、そう思うほどの剛熱

俺の肺は跡形もなくなく体ごと溶かされる─




そのはずだった、




『''G''《ゲオフ》』

声の主は生徒会長こと、ジルドレア・B・ジーニアスだった。

あたりのバラは枯れ、溶けるように朽ちて言った。

廊下は普段通りの姿を取り戻した。


助かった、と思ったのもつかの間、あの少女はなんと生徒会長に食ってかかったのだ。



『ジルドレア!!?私の邪魔をしないで』



『人が死ななければ別にいい。がここで君の"遊び"に耐えられる者が何人いる?

慎め。それとも何か?ここで生徒代表である私を敵に回すか?


メアリー・ファリータ=ヴァルプルギス・フレイムマスター』


その名前に、別の階から来た野次馬達が驚いている。





この学園、3人目・・・のヴァルプルギス。

フレイムマスター

道理でASWRを無効化できるわけだ。


弱ければ能力が使えなくなると言ったのは語弊だ。能力が強かろうと使えない者は使えない。

ASWR装着時に能力を行使すると、リングが能力を封じ、身体に負荷、圧力のようなものがかかるそうだ。


恐らく彼女はその許容量以上の魔力をリングに流し込み、一時的に機能を破壊したのだろう。


当然一般のチルドレンが同じことをすれば、無傷では済まない上、体がエネルギーの循環に耐えられなくなり最悪死に至る。

それを難なくやってのけ、今の余裕の態度。

これがヴァルプルギス・マスターなのか。



『・・』


彼女は生徒の前にかけたプロテクトの魔法を解除したあと『貴方名前は?』と問いかけてきた、なお、ドダドダドダ、と倒れる音が聞こえたのは言うまでもない。


『お、俺?』と間抜けに応えると

『貴方以外に誰に聞くのよ』と指摘された、当然だ。


『白純恋』


仕方なく答える、何か文句を言われるだろうことは分かっていた。

だが真っ先に反応したのは意外な人物だった。


『ほう?では君が翼先輩の....道理で青色の髪も赤い瞳も似ているわけだ。

ということは君が次の"契約者"か』


不意にも反応してしまった

『生徒会長、なぜ俺の....それに姉貴の名前を知ってるなんて』


『当然だ。

彼女は前年度生徒会会長だったからね。私も親しくしてもらっていたよ。』


あの姉貴、ヴァルプルギス=マスターとも繋がりを持っていたのか。


そんな思考を切り裂いたメアリーの一言、

『貴女が先輩と仰ぐ人物!?何よ、それ。しかもそいつの弟!?


こいつが?見たところそんなに魔力が多い訳でもないし、Bクラス以下でしょ?これの姉なんだから対して....』


『撤回しろ....』

その言葉で頭に血が登った俺は少女の手首を掴んでいた。


『.....離しなさい、それとも何?燃やされたいの?!』


そんな言い合いにジルドレアが、

『まあまぁ、恋君、君は購買に何か食べ物を買いに行く予定だったのだろう?

少し買いすぎてしまってね、付き合いたまえ。

メアリー女史は?』


『え?えぇ、屋上へいこうかと思っていたのよ、眺めも良さそうだし』


『なるほど。だが、屋上は人が多い、ここは1-Aで話をしよう』


自己完結していた。俺たちの意思はそっちのけか...


彼女は後ろの生徒集団を見て


『君たちも、こうなりたくなければ以降廊下は走らないように。いいね?』


そう言われた生徒達は『はい、ご忠告ありがとうございます』と何事も無かったかのように廊下を通りすぎていった


『さて、私達も行こうか』

ジルドレアが楽しそうに呟いた。


───────────────────────

[LUKE & MIREYA side]


『────────』

妹のミリアが何故か殺気立っている。

確かに下の階から強い魔力の波動を感じた。

でも僕らへ向けられたものでは無い。


『大丈夫だよ、ミリア』

とりあえず落ち着かせようと声をかけたがお節介みたいだった。


『問題ない..兄貴飯どうする?』

何がどう問題がないのかは分からないがあえて聞かなかった。


それにしても、この国の子供は皆してお腹を透かしているのだろうか?

昼休みの合図と同時に嵐のようにクラスから消えていった。


『とりあえず、食堂が空いてる時間帯にでも食べに行こう』


ミリアも納得したらしい。






僕はルーク・アンダーソン、妹のミリア・アンダーソンと一緒にとある国からここ日本のIPSSにやってきたチルドレンの1人だ。


日本に来たのは親戚が引き取ってくれる、ということと、IPSS日本支部に入学することになったからだ。


アンダーソン家は勇者パーティーの家系であり、祖先は勇者パーティのなかでも1番魔王からの呪いを強く受けたらしい。

僕たちの───



ふと気がつけばミリアがクラスの入口をにらみつけている。

否、ミリアはもともと目つきが悪いが、わざとそうしている訳では無い。


『どうしたの?ミ─』


ミリアの視線の先には今朝の入学式で挨拶をしていた生徒会長。

なんだってこんな所に、と思っていた矢先、さらに目を引く少女が1人。


『あれは...』

僕は入学式の後、最初のホームルームを思い出した。






クラスは騒がしかった。


Aクラスは優秀だとかそんな理由から浮かれている人が多くいたのだろうか。

だが、先生が現れた瞬間、静けさが訪れた。いや、むしろ寒くなったくらいだった。


『諸君、まずは入学おめでとう。私が運悪く貴様らの担任を務めることになった、里神理沙だ、知っていると思うが、ヴァルプルギス=ドールマスター、まぁ人形術士だ』


里神理沙

クローン技術を完成させた化学の権威とされている彼女は同時に魔術師である。

噂によれば、全IPSSで同時に自らのクローンを操り、教師をしているとすら言われる謎の多い人物、と聞いた。



『まずは、諸君に自己紹介をしてもらう、


淺田昌義!』

『は、、はい!』

とアサダという少年が椅子から立つ、が

『返事は1つ!やり直し!』

と立つ所からやり直されている。


(なんて、厳しい)



クラスの2/3が終わったくらい、遂に妹の番が来た。

『次、ミリア・アンダーソン』



『ミリア・アンダーソン...以上』

人見知りの激しいミリアはまともな自己紹介をすることなく簡潔に終わらせてしまう。

先生の怒号が飛んでくる前にカバーにはいった。

『すみません、うちの妹は人見知りというか、あまり人とのコミニュケーションになれていないんです!』

我ながらなんと雑な説明だろうと思った


『お前は?』

すかさず言葉を返した

『はい!ミリア・アンダーソンの兄、ルーク・アンダーソンと申します。妹同様あまり人と話すことにはなれていませんが、どうぞ

よろしくお願いします。』

とまぁ、拙く口から弁解の言葉を出した。

それに対して里神先生は厳しい口調ながら、何か思うところあって許してくれたようだった。


『ふむ.....よろしい、今回は大目に見てやろう、が、以降、私の指示なき発言は許さん。


次、メアリー・ファリータ』


その名前を聞いてなのか、クラスのみんながヒソヒソと話し始めた。

数人じゃない、ほぼ全員だ。


ファリータ?


僕は世間体に詳しくない、ずっと匿われて育ってきたけど、ファリータ、というその姓には聞き覚えがあった、母がいつも話していた。



だけど、クラス全員が注目するほどの理由にはならないと思ったから、疑問に思ってたけど、その名乗りで理解した。だって彼女は─



『私が、メアリー・ファリータ=ヴァルプルギス=フレイムマスター、ええ、間違いなく今あなたたちがその目で見ているのは本人よ。

まあ疑うというのならその身で私の極炎を味わうことになるだろうから、私の手を煩わせないで頂戴。それと今更自己紹介も必要ないわよね?リサ』

そんな事を言い放つメアリーに里神先生が忠告をした

『ここでは"先生''と呼べ、メアリー・ファリータ』

『あら失礼、でも貴女、色々な場所にいるって聞いていたけれど、ニホンにも居たのね』


『元はと言えば私の国籍は一応日本国籍だ、と、貴様と話していると流れを崩される...調子に乗りすぎるな、次モーゼス・ジェイク....』


ヴァルプルギスマスターといえば僕だって知っている。

フレイムマスターだって?なんだってそんなお偉いさんがこんな所にいるんだ?飛び級も何も学歴免除じゃないか。

確かに生徒会長もヴァルプルギスの1人だけど...



『以上、計32名、これが1-Aとなる、せいぜい励たまえ、学生諸君。』


ホームルームはまるで、嵐だった。


(たしかにフレイムマスターなら生徒会長と会話してるのもおかしくない、けれど、適した場所があるだろうに、なんでこのクラスに?)


その後、続いて入ってきた少年は"酷く普通"に見えた。けれどその纏うオーラはまるで昔見た兄のように孤独と悲しみを背負っているかのような───


そんな事を考えていると、生徒会長から声がかかった。

『あら?人が残っているとは思わなかった、済まない、話の邪魔だったかね?誰もいないと思っていた。安心して欲しい、このメンツだからといってさして重要な話をする訳では無いから、去るか残るか、自由に選択してくれ、

あ、それとも溢れ組かね?この学園の食糧問題は理解している、学園を代表して私が謝ろう、

腹の足しになるか分からないがこれで良ければ食べてくれ。』


そう言って彼女は俺たちふたりにサンドイッチを手渡し、適当な席を選んで座った。


やはりこの国は食べ物に恵まれていないのかと納得しかけた時、先程の男子生徒が生徒会長に食いついた。


『まるで食糧難みたいに言わないでください。彼は冗談通じてなさそうです。


それより。他人に聞かれるくらいならこの話はしないでください、これでも隠しているんだから』


隠し事がある、その少年はそう言った。

けれど後ろめたいわけでもなさそうだった....




連載不定期

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