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《紅蓮の魔女と契約者》

お正月を過ごそ。


あ...もう仕事が始まる...

『ミリア!無事だったのか!!』


『ルーク、恋、今すぐここから退避しろ!!』


安心したのもつかの間、ミリアの第一声は"逃げろ"だった。


『は?何を言ってんだよ!こっちは状況が理解できてないんだ!!

いきなり逃げろだなんて...』

困惑するこちらを他所に兄の方はただ事では無いことを妹の表情から感じ取っていたらしい


『ミリア、何があったの?』


『空に威力不明の爆弾を詰んだ戦闘機が飛んでいる!

止めようと思ったが刺激しようものならどうなるかわからない。

だから全力でこの学校から...いや出来るならこの島から脱出を...』


待て待て、そんなものが落とされたら

『生徒に避難勧告は出てるのか?』


『いや、出ていない。

と言うよりこの状況を把握出てきているのが私達だけの可能性すらある。』



『そんなまさか!....先生たちは何してんだ?』


『....競技場アリーナの各扉がロックされているんだ....あれでは外に出られない...』


確か競技場アリーナはシェルターとして機能するんだったか?

だけどこんな状況ではむしろ棺桶だ。


『積載されてる爆弾が前回と同じか、それ以上だったら─』


『今は他人の心配をしている暇はない。だから脱出するんだ。』


ミリアは冷酷だった。

『ダメだ!今ここで生徒が死んでみろ、それこそ取り返しがつかなくなる!』

そんな事になったら奴らの思う壷だ。


『ならどうする?』

ミリアがここに来て睨みつけ、俺の襟首を掴む。

こいつ、俺より身長低いくせして...。


『た、例えば破壊するとか...』


『ダメだ、成功率が低い。

仮に、運良く一撃で破壊できたとしてもだ。

機体と積んでる爆弾は?どうするんだ。


飛んでるのは競技場アリーナの真上なんだぞ?

空中で四散させようものならここは丸ごと火の海だ。』


『そうだなぁ...俺もおすすめしねぇぞ、その小娘の言う通り俺たちごと丸焼けだよ』


拘束して放置し続けていたテロリストの1人が口を開いた。


『.....少なくとも島丸ごと吹き飛ぶものでは無ぇけどよ、少なくともこの建物も無事じゃすまねぇ。』


『こんな奴の情報をあてにしたくはないが...

もう一度言うぞ?

この学校から離れるべきだ。』


競技場アリーナにいる皆見捨てて?


俺には────



俺にはそんなこと出来ない。


『.....ならお前たち2人で脱出しろ。

俺は出来るだけ可能性を捨てたくない。』


『お前ッ!分かっているのか!?

私達はお前を失うわけにはいかないんだ!』

そのまま壁に叩きつけられる。


『いっそ動けないようにしてやってもいい!!』


『.......』

俺は考えていた。


まず、口論になっている事がおかしい。


ミリアとはまだ数週間の付き合いだが、優先順位は何よりも兄のルークであることは分かってる。


でもこいつはやると決めたら絶対に実行するし、なんなら情報を伝えずとも俺ごと担いでいけるはずだ。

俺の両足だっておるなり引きちぎるなり自由だ。

抵抗もできずに一瞬で終わるだろう。


ならなんでしないんだ?


もし、俺の意思を尊重してくれているのであれば。


『恋には考えがあるの?』


『...ない』

ルークの問いには俺は答えられない


それでも


『考え無しで悪い。

2人の事だって分かってる、お前たちにとって俺がどんな存在かも。

俺の役目も理解わかってるつもりだ。



だからって、目の前の人達を助けられない奴が、どうやって2人を救えるっていうんだ?


それに俺はもう逃げたくない。


後悔するなら死んだ方がマシだッ!!!

だから─』


『初めて意見が一致したな、シラズミ...』

意外な奴から反応が返えってきた。



ヤン...済まない。俺はお前の姉を....』


昨日の夜導き出した仮定の話が、こいつの口で真実だと肯定された。

俺は楊の姉、ヤンレイを無実の罪を着せ、その名前に、挙句の果てには国にすら汚名を被せてしまった。


死んですら詫びることの出来ない罪。


『せめて、煮るなり焼くなりしてくれて構わない。

いっその事全国に公開処刑をしてくれた方が多分みんなの気も晴れるだろ...



だけど、全部終わった後にして欲しい。

こいつらも、ここに居る生徒も教師も、

助けたいんだ。』


楊は言った。

独り言のように。

『..姉貴...姉様は言っていた。


"ニホンのヒトは'セイジツ'さを大事にする


嘘をつかず、自分の罪を認めることができ、他人に優しくできる


でも、"ニホンのヒト関係なくヒトはヒト、

ヒトは守りたいもののために誰かを傷つけることもある"』


俺は何も知ろうとしなかった。

本当にコイツの姉貴はいい人だったんだろう。


『こんな事言うのはありきたりなんだろうが、俺も姉様を守るため、お前とお前の姉の名前に傷をつけようとした。


お前は明らかに間違いをした。

でも俺もその場にいたらどうだったか分からない。


お前は許せない、お前も俺を許してはいけない

だから


全部終わった後で俺を殴れ、俺もお前を殴る』


『楊...』

『お前は悪いやつじゃないお前も俺と同じように姉のため戦った。

目的は同じだ。』


『分かった.... 。なら今すべきことをしよう、手を貸してくれるか?』


『...ああ』

ヤンと意気投合した俺を他所に、ミリアの表情は芳しくなかった。


『これは待て...って言っても聞かないよ、ミリア。』

今にも飛びかかってきそうなミリアをルークは制してくれた。


『後、1つ言っておくぞ、ミリア。

お前たちを助けるためにはメアリーのヘルプが不可欠なんだ。俺一人じゃどうしようも無い。


むしろここから離脱したら俺達にとってマイナスになる。』


『....なるほどな..確かにそれもそうだな、お前が魔術魔法に詳しくないなら使い物にもならないか...』


ひでえ...

『メアリーお父さんとお母さんには僕らのお父さんがお世話になったみたいだし...ね? 』

ルークが宥めるように言うが逆効果だったらしくさらにミリアの機嫌が悪くなった。


『...顔も知らない奴のことなんて知らない。

今ここにいるのはルーク...お前だけだ。』


『そうだね ..ごめん、ミリア。

でも僕、恋を手伝いたいんだ、手を貸してくれる?』


『....兄貴がやりたいなら手伝う。

ルークの助けになるなら私はそれでいい....』


『だって、恋。僕らは大丈夫だよ。』


ルークの必死の説得のお陰で許可が降りた。

『済まない。

理佐ねぇ....里神先生は言ってた、「手は打っておく」って。

生徒なのか教師なのか知らないけど、この状況を把握出来てる人達が居るはずだ。

名前も知らないし顔も知らないけど...多分何とかなる。』


『シラズミ、オレはコイツらのヒトトナリも実力も一切知らない。』

何を言い出すかと思えば、それは俺も知ってる事だ。

でも次の言葉は楊の口から出たとは信じられないものだった。



『だからお前が指示を出せ』


『え?』


『こう見えてお前の反射速度に判断能力、もろもろ含めてお前の実力は認めてる。』


『いやいや!それは何となくわかる!

けど、さっきまでいがみ合いしてた奴に命を預けることになるかもしれないんだぞ!?それをお前....』


『安心しろ、死んだら化けてでてやる』


こいつ....急にフランクすぎやしないか...?


『むしろそうしなければ俺は単独行動するまでだ。

だが、1人で競技場に向かうのは自殺行為だ。

それにオレはお前の覚悟を確かめたい...

先程の言葉、本当だと証明して見せろ。』


試されているのか?


『分かった。この場は俺が先導する。』


3人とも無言で頷いた。


『こいつら2人は?どうする?』


ミリアが指さしたのは武装集団の兵士と医務室の先生だった。


『そうだな....ルーク、お前の影に先生を入れたらどうなる?』


『うーん ...やめた方がいいと思うよ?生き物全般は。』


安全地域に運んでる暇は無い...どうするか?


『全員助けなければ意味が無いというのなら、ここに置いていくことを提案する。

担いでいくリスクが多すぎる、相手は武装しているのだから怪我をさせる可能性は高い。』


『そうだな...とりあえず起きた時のために置き手紙を。


縛ったこいつは廊下に放り投げるか。』



縛った兵士を廊下に置き去りにし、廊下のT地路で辺りの様子を窺う。


兵士から聞いた敵の戦力は150人程度

メアリーと合流出来れば1人30人。


『皆、準備はいいな?』


全員、無言で頷いた

更新未定

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