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17/21

《紅蓮の魔女と契約者》

今回はだいぶ長くなってしまいました。


ストック3つが1瞬で...

[Jun Side]


『...取った!!』


全力で熱線をとばした。

相手は目に見えない空気弾でも飛ばしたのか知らないがそんな付け焼き刃の魔術で、やられるか。

熱線火砲は拡散されたが、そのまま奴に向かって飛んでゆく。


『セヤァアアアアッッ!!』


火力を文字通りあげた、丸焦げだ。


丸焦げに、なるはずだった。


『うぉおおおおおおおおぉぉぉぉっっっ!!!』

熱線の中から火だるまになった奴が突っ込んできた、掌に頭ほどの大きさの火の玉を抱えて。


『コイツっ! 悪あがきを!!見苦しいッ!!』

オレの出した火は俺に影響を及ぼさない!!


はずだった。

オレはここで回避も防御もしなかったことを後悔することになる。

『!!』


怒りと憤りで冷静を保てなかったオレの突きは容易に躱され、目の前で奴の左手の炎が爆発した。



俺が吹き飛ぶ寸前見たの白墨恋の顔は、


怒りでもなく、苦しんでる表情でもなく。


悲しそうな目をしていた。

───────────────────────

吹き飛んだ奴は起き上がらず、試合終了の鐘が鳴った。


ゲートから審判と救護班が出てきて、楊淳のバイタルを確認している。


戦闘不能だが命に別状は無いだろう。

何故なら爆発の衝撃だけを最大限相手に与え、延焼ダメージは自身が受けたから。


確認が取れたのか試合の結果がスワンより伝えられた。

『勝者....白墨恋ッッッ!!!』


会場から歓声が聞こえる。


今回初めて魔術を使ってメアリーがどれだけ己に対して配慮していたのかがよく分かった。

突き出した左手の感覚は火傷によって完全に死に、本当に使い物にならなくなってしまった。


全身もボロボロだ。


『終わっ た....』

全身の炎は消え、気を失う寸前に聞いたのは重い重い銃撃の音だった。



──────────────────────


[Mary Side]


ガガガガガッ、という銃撃音が響いた。


現在是什麼状況なにがおきている!?』



『駒沢君、外と連絡して現状報告、1人場外の周囲把握を。

瀬田君は王氏に「ただいま状況確認中につきしばらく待って欲しい」と伝えて欲しい。


ミス・メアリーは状況確認が取れるまで動かないで頂きたい。』


東条首相は矢継ぎ早に周囲に指示を出していく。

SPの1人がとドアから出て行き、残ったSPは首相の隣にいる者以外は通信機により外との連絡を始めた。


『あれはおそらく機銃...だが何処の....?』


『首相!!!競技場外の警備員との回線ライン繋がりません!!』


『こちらもです!』


『海上自衛隊へ直通回線ダイレクトで呼びかけ。


駒沢君、外に行った者との通信は。』


『待ってください..来ました、スピーカーに出力します。』



『日本のSPって何時からエンジニアになったの....?』


『彼らは基本的になんでも出来るよ。

そういう人達を僕が選んだからね。』



《こ...ら佐々木。駒沢...こえるか。》


『こちら駒沢、通信に乱れがあるが支障なし。

そちらの現在位置と現状を報告せよ。』


《駒沢、IPSS内でけ..報をい..どでも..いたか?》


『何を言っている、現状を報告せよ!』


《空に───煙を吹いた戦闘機が飛んでいる...》

───────────────────────


観客席に響く銃撃音

『えっ!?何今の!』


『兄貴慌てるな、私が見てくる。』

ミリアが席を立つ。


『なら僕も!』


『今一番危険なのは白墨恋だ。競技場アリーナを見ろ』


ミリアが恋を指さした。


救護班が運んでいる。

彼は傷だらけで、気を失っている状態だ。


(恋....)


『アイツは今動けない。ここが襲われたらアイツは対処できない。

何かあったら兄貴が守るんだ。』


『ミリア、でも僕は...』

『わかってる、でも白墨恋はまだ死なせては行けない。

わかるよな、兄貴?』


まだ、と言っている部分に少し引っ掛かりを覚えたが僕は承諾した。


『分かった。

何かあったら恋は僕が守るよ!』

『よし、なら言ってくる。』


会場の混乱の最中、ミリアが消えたと同時に僕も医務室へと向かった。



競技場アリーナの外に出た。

『なんだこれは....』


白墨恋の言ったことを思い出した。


「攻撃されるなら現代兵器確定だ、しかも国が動かしたら問題になる代物。」



「何らかの方法でレーダーを掻い潜った、しかも接近による音ですら気づけない方法。

そんな方法しか考えられない。」

ありえない。

さすがにこんな、


『戦闘機だろうと爆撃機だろうとこのサイズのものに、日本の軍隊...自衛隊はそこまで無能ではないはずだ。』


そこには翼下に爆弾を搭載した爆撃機が一機煙を吹いて飛んでいた。

こちらに気づいたのか旋回し機銃を掃射してきた。


『...チッ』


機銃の弾道先に人がいたとは知らずに。



───────────────────────


《うわぁあああああっっ!!!》

ノイズまみれの轟音、彼の悲鳴。

『佐々木!?どうした!佐々木!佐々木!!


....ダメです、反応しません』



『彼は「煙を吹いた戦闘機が飛んでいる 」と言ったな?それも爆弾を積んだ...』



『恋の予想が当たってしまった、ということ...?』



次に聞こえてきたのは、スピーカーからでなく外からドアを強引に開けようと激しく叩いている音だった。


《ダンッ!!ダンッ!》

『今度は何だ?!』



『ビクともしねぇ』

『We have no time!!"blow it up!!"just do it!(時間が無ぇ、構わん爆破しろ!)』


扉向こうから聞こえてくる会話、私は本能的直感でSPに叫んだ。


『ッ!!下がっ─』


警告は間に合わず、ドアの近くにいたSP1人は爆風に巻き込まれて窓際まで吹き飛ばされてしまった。


『プロテクション!!』


『What this!?』


すぐさま私は扉のあった箇所に魔術で防御壁を生成し、吹き飛ばされたSPに駆け寄った。


『一応無事、だけど』

この出血では...止血したところで...

一応、魔術で応急処置をしたが破損した臓器は修復できない、それは自ら恋に告げた事実だ。


『Why are students here?...(なんでこんな所に小娘が .. ?)』

『リーダー!!そいつ紅蓮フレイム魔女マスターだ!!!』

《カチャッ》


あろう事かこちらに銃を向けてくる、装備は軍隊とは見えない、私服に防弾ベストとゲリラに近い。


でもそんなことは関係ない。

どこの誰であろうと


『この私の目の前で...!


"〈"(ケネァズ)』



『待ちたまえミス・メアリー!!』

首相の静止を振り切りプロテクションを通り抜け、武器を持った彼らとの戦闘が始まった。



─────────────────


あちこちで鳴る爆音や衝撃音。

競技場アリーナから飛び出した僕はそれに怯えながら走っていた。

『何が起こってるの?!恋が運ばれた医務室は何処なの?!!』

走っている最中、妙な人達が会話をしていた。


『まだ見つからないのか?!急いで目標を探せ!!』


『了解!

だが、どうしてこうなったんだ。

あの二人の試合中に前回と同じようにやるんじゃなかったのか!?』


『文句を言うな!予定が狂ったんだ!どこかから爆撃機が攻撃されたらしい。

プランAは失敗したんだよ!』


どうやら彼らは襲撃者らしい。

目標?プランA?

でも今回の騒動に彼らは関わっているのは間違いない。

『よし!』


僕は少し離れたその人達に大声で話しかけた。

『ねぇー!!そこのお二人さんー!

少し話を聞きたいんだけど....大人しくしてくれないかなぁー?』


『は?』

『バカ!チルドわしい子供達レンズだ!!』

銃口を構え、警告もなしに撃ってくる。


『仕方ないなぁ、恋の為だし。』

僕は数年ぶりに魔術炉心を起動させた。

変貌していく自分、ああ、この感覚は嫌いだ。

僕が僕じゃなくなるみたいで。


全身から毛が吹き出し、骨格は肥大化、犬歯が伸び、黒い犬のような容姿になっていく。


『来るな!来るなぁああああああああぁぁぁっっ!!』

怯えるその人を僕は文字通り"丸呑み"にした。


『ひぃっ...なんだ、この化け....物、まるで狼おと...こ』


『ダカラ、オトナシクシテッテ、イッタノニ。』


ソノ男ヲ壁ニ勢イヨク叩キツケ気絶サセタ。


『...恋、ドコニイルノ??』

僕ハソノママ、恋ヲ探シ始メタ。


──────────────────

『ここは....』

初めて見る部屋だ、ここは医務室か....

俺はベットから起き上がろうと試みたが、 医務室にいた先生に止められた。


『ダメよ、まだ寝てて。2本肋骨にヒビが入ってるわ、左手は重火傷で壊死しかけてるわ、 無茶な魔術の使い方をしたせいで魔術回路が疲労を起こしてる。

ここまでやる必要なかったんじゃないの?』


確かに、起き上がりたくない程のダルさ .....目を閉じたら寝れそうだ。


隣を見れば楊が寝ていた。

『 ......楊は?』



医務室の先生は答えた。

『貴方ほど重傷じゃないわよ、軽く脳震盪を起こしただけ。』


『そうですか...』

内心安堵している自分がいた。

俺はそのまま疲れに身を任せ寝ようとした。

が、思い出す。


『そういえば...!外はどうなってるんですか?!』

確か最後に聞いたのは銃撃の音...

一体誰が誰に撃ったんだ...?


『さぁ、私は貴方達の試合の後ずっとここにいたから...でもなんの連絡も来てないわよ?大したことないんじゃない?』


そこにやって来たのは俺の身長を悠に超える大きな狼だった。

『なっ!?』


『ヒッ!!?』

俺の真横にいた先生は卒倒し倒れ込んだ。

『お前、一体なんなんだ!!』

黒い狼のような獣に対して俺は先生を庇う形で立ち塞がる。


ゴボッ...という音

《ドサッ...》


なんとその狼は口から人間を吐き出した。


なんだこいつは....


まずい、左手は火傷で使えない。

そういえば刀は?!刀はどこだ。


俺は戦うことしか考えていなかった

『ボク、ボクダヨ、恋...』



苦しむような動作をする狼の姿は縮み、そこに居たのは丸裸になったルークだった。


『ふぅ...やっぱり服吹き飛んじゃうか....』

『ル、ルーク!?なんだよお前その姿!?』


『カッコイイでしょ!!』

とピースをして笑った顔には一切の自嘲は無さそうだった。


『説明は後だよ、恋。

この人、どうも学校を襲ってる襲撃者の1人みたいなんだ。


医務室を探してる時に偶然出会って、

"計画"がどうたら、って言ってたから話聞けると思って連れてきちゃった。』


『そ、そうか..

ならルーク、縄とかロープとか縛れそうなものその辺にあるか?』


『ここ医務室だし、そういうものはないと思うよ?

でもその人の持ち物には入ってるんじゃないかな?』

とルークがバックパックをゴソゴソと探り始める。


『そう言われればそうだな

うわ...ベタベタじゃねぇか....これ胃液か?』


『ごめんね、急いでたから。


あ、あったよ、恋。』

ルークが放り投げたロープをキャッチする。


『ナイス!』

と、早速縛ろうとしたが、左手が動かないことを忘れていた。


『恋、その手....』

『ああ、見ての通りまともに動かない。

指示はするから頼めるか?』


『...思いっきり?』

『ああ、これでもかっ!ってくらいな』



とりあえず腕と足縛って背中側で腕と足のロープをロープで結びつけてもらった。

『で?ルーク、お前はなんでここに?競技場アリーナはどうなってるんだ?』


『ミリアは外の状況を見に行ったよ。

だから僕が恋のボディーガードだよ!』


『ミリアと連絡は?』


『ごめん、とれないんだ。』

『そうか....って、お前いつの間に服を、というか何処から??!』


『僕の影からだけど...?ほら』


そう言いながら自分の影から何着かYシャツをとりだすルーク。


お前の影は青狸の四次元ポケットかなにかか....

『あ、そう...。じゃああの狼の姿は.. 』

ルークは少し考え込むと口を開いた

『僕はさ、[BLACK]の子孫だって話し覚えてる?』


『ああ、当然覚えてる。

もしかして"血のなせる技"なのか?』


『そう、恋が[WHITE]の子孫だから契約者バランサーの能力を使えるのと同じように、僕の血には[BLACK]と[GREEN]両方の血が流れてるけど。

遺伝子的には[BLACK]に近いんだってビショップが言ってた。』


BLACKというと、魔王に組みしていたが途中でWHITE側に寝返った魔族。


『だから僕は怪物の姿に返信できるんだ。


でもビショップから

「あまり知能の低いモノに返信したら戻って来れなくなるし、この力を使いすぎると人間に戻れなくなるから必要な時以外使うな」


ってよく言い聞かされてたんだ。』

『お前っ!ならなんで─』


『でもね、こうも言ってたんだ。


「大事な人を守るためなら惜しみなく使え。

決して後悔をしないように」って、

カッコイイでしょ!


多分ビショップも力を持ってて、でも大切な誰かを救えなかったんじゃないかな?

この話になるとものすごく悲しくて真剣な表情してたから。』


『 .....!』

俺の状況はどうであれ、ルークは


こいつはハイリスクを背負ってまで、俺を守ろうとしてくれたんだ。


俺は出会ってからこれまでルークの事を

"ミリアに頼りきりなダメ兄"だと思っていた。

臆病なんだと思っていた。


『悪いルーク、俺お前のこと何も分かってなかった...』


『え?なんで恋が謝るの?隠してたの僕なのに....』


『違うんだよ、なんでもない。後で話そう。』

俺の心の内を知らないルークは勘違いをしていた。

すこし罪悪感は残るが、今は他にやるべき事がある。


『ルーク、今の話を聞いた上で頼みがある、

もう一度狼の姿になってくれないか?』


『分かった。

恋の事だもん、何か考えがあるんでしょ?』

ルークは服を脱いで狼の姿に変身してくれた。

俺はその間にバケツに水を汲む。



楊に一瞬視線を移した後、兵士のなりをしたそいつを手刀で叩き起した。


『うぐっ....なんだ...』


『よう、目、覚めたか?』

俺はバケツに組んだ水を兵士の顔面にぶちまけた。


『ゲホッ、ゴホッ...何をすんだこの野郎!!?』


『日本語喋れるみたいだな。』


『質問に答えろ!てめぇ誰だ。』


『俺か?俺が誰かなんてどうでもいいんだよ。お前が理解しなきゃいけないのは、今質問できるのは俺って事だ。』


『...その包帯巻いた左手、白墨恋だな..!?』


『左手?火傷してるがそれがなんなんだ?

左手に包帯巻いてる奴が白墨恋って情報を聞いてるのか?』


『ハッ!チルドわれた子供達レンズに話すことなんて何にもねぇな』


『よくあるセリフだなぁ...よし、ルークこいつ食っていいぞ?』

ルークの大きい目が見開く。


『ひぃっ!!?さっきの化け物っ.....!!』


『そうだ、こいつは俺のペットで、大好物なのは生きた人間。

情報源なんて、今この学校に何十人といる。

まぁ、1人目だし、食っても半分残しておけば次捕まえた奴への見せしめにはなるか。


仕方ない...』


『....生きた人間?

そういえば俺は食われたんじゃ...』


どうでもいいことに気づく奴だな。


『俺の許可なしには人を食うなって躾をしてるんだ、じゃなきゃこいつがこんな人のいる場所に置いておけないからな。


ああ、生きたままの人間が好物ってのが正しいか。

意識も感覚もあるうちから巨大な歯と歯で噛まれて足先から食われてくんだ。

いやぁ、俺は少なくともそうはなりたくないなぁ.....で?どうする?今がラストチャンスだけど? 』

俺は狼になったルークの顎を撫でながら、問いただした。


『分かった!!話す、話すからせめて俺が持ってた銃で頭撃ってから食ってくれぇ!

嫌だ!生きながら食われるのだけは嫌だぁ...!』


『よし話してくれんだな?』


『ああ....話す、話すよ!!』


『よし。ルークとりあえず今は元の姿に戻っていいぞ、妙な真似したらすぐ餌にするからな?』


俺のハッタリを信じたそいつは二つ返事で了承した。

ルークが元の姿に戻るのを見て安堵する。


『まず、お前たちはなんなんだ?』


『俺達は....』

────────────────────

爆撃機は低空で旋回し飛んでいる、まるで指示を待ってるかの様だった。


『....迂闊に手が出せない。』

撃ち落とすのは容易いだろう。


だが相手は威力の分からない爆弾を積んだ爆撃機だ。撃墜しようものなら学園ごと消滅する可能性もある。

兄貴とアイツを巻き添えにする訳にはいかない。


下の様子が分からないが、こいつがここにまだいるということは爆撃する可能性が残っている。


それは防がないといけない。

『...なるべくここから遠ざける、だがどうやって?

せめて、爆弾だけでも破壊出来れば..


とにかく、地上にいては埒が明かない...!』

私は跳んだ。


透き通る羽を展開し、跳躍を飛翔へ。


私の中には風を操り、自然と会話し、魔法に長けた[GREEN]の血が多く流れている。


私の力は兄とは真逆だ。

リスクはないが、その代わり強大な力ではない。



私は迎撃の少ないであろう真下から接近する


そして、ポケットから端末を取りだし、機体の全貌を写真に収めた。


私は頭が悪い、学力の面ではない。

自分で考える事をしないのだ。


恋と合流して、こいつの情報を調べて、破壊できるなら破壊する。

そうでなければここから移動する。


これが私が出した最適解だ。


恋と兄貴が何処にいるかは知らないが、探すのに手間はかからないだろう。


私は急降下し、飛びながら校舎内にはいった。



─────────────────────


『要約すると、お前たちはテロリスト、主にアジア圏で形成された集団で、目的は前回の御前試合と同じく日中国家間の関係悪化、戦闘中の俺たちに爆弾を投下して競技場ごと破壊する段取りだった。』


『ああ、事故に見せ掛けて...』


『威力と規模が事故のレベルを超えてることはこの際置いといて、


前回、姉貴達にも同様の方法を使ったんだな?

だが、どうして爆撃機がここまで来れるんだ。


御陵島にだって自衛隊の基地はあるんだぞ?』


『それは....』


『お前たちが使ってる物なんだ、高性能ステルス爆撃機って訳じゃないだろう?』


『.....』


そいつは沈黙を続けた。

秘密を漏らさない、などという雰囲気ではなく

まるで"話すのもはばかられる"といった表情だった。


『おい、質問に答えろ!』

激しい口調で質問をしていくうちに聞こえてきた開口一番のセリフは意味不明だった。


『お前たちだ.....』


『は?』


『...お前たちの力を使ってるんだよ!


熱や音を操る能力者を誘拐して爆撃機のステルスの役割を担わせてる


...お前たち能力者なんて俺達に利用される存在なんだよ』


こいつは言葉の最後に笑って吐き捨てやがった。


『...お前達はッ...!自分達は異能者チルドレンを否定しておきながら....そうやって力だけは利用するのかよッッ!!』


俺は我慢ならず、胸ぐらを掴み顔面を殴り飛ばした。


『れ、恋!』


『テメェ....何自分達だけ被害者面してんだよお前たち能力者のせいでどれだけ居場所をなくしたやつがいると思ってんだ!!!』

『何だとぬけぬけとよくそんな戯言が言えるな?!』


『お前らに何がわかるッッ!!

....お前たち能力者が表世界に出てこなければ....


職を奪われた奴らだってこの世界には沢山いんだよ!!

能力者が優先され、俺達非能力者の扱いは悪くなった。


全部お前たちのせいだ!!!』


せめて自らの決めた筋の通る戦いをしているのならそれで良かった。

でも自分に都合の悪い事を全て俺達チルドレンに擦り付け、しかしその力は利用する。


こいつらには信念も義もありはしない。



こんな奴に姉さんはッ...!!?


『そんなもの全部お前たちの──』

言いがかりに過ぎない、とそう言うつもりだった。


『やめなよ、そんなことばかり言い争うからこんな事になったんじゃないの?


恋、言い合って解決するならいいけど、そうじゃないよね?


僕らにはやることがあるはずだよ!?』



まさかルークに仲裁されるとは..

頭を冷やそう。


『....そうだな、冷静じゃなかった。

すまな─』



と突然ロックの掛けていたドアが破壊された。



『何だ!?もう居場所がバレたのか!!』

...ルーク、先生、そしてアイツ。

丸腰では守りきれない。


『違うよ、恋。この感じ...』


煙の先にいたのはミリアだった。


『三人とも無事だな。』

ルーン魔術についての紹介


作中登場する代表的な例


火...Kenazケネァズ[<]

氷...Isaイス[I]

水...Laguzラゴゥズ[L]

風...radラド[r]

土...Jalイェールァ[J]


光...Wynウィンまたは Wynウィン Dagazダゲァズ[W][WD]


強化...Hagaluzハガラゥズ[H]

修復、治癒...Eihwazエイフワズ[Y]


ルーンを示す文字(例えばケネァズでは[〈])の能力は唱える、書いた回数が多いほど威力が上がる。


よって作中では


『"〈〈〈"(ケネァズ)』

と表現している。


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