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《紅蓮の魔女と契約者》

熱い...

忙しい


やばい

[Jun side]

『おおおぉぉぉぉっっと!!!!!

初手から2段構えの先制攻撃!!


槍の投擲を囮に自分を相手の視界から消し。相手の回避直後にすぐさま拳を叩き込んだ!!


楊さんは中国で槍術を習うと共に太極拳の修練もしていたとかで、それにしてもいやぁ、見事な一撃...


一方、吹き飛ばされた白墨恋!

立ち上がれるかぁっ?』



何故だ?

あの一撃には開始前に練りに練った気を纏わせた。

というのにおかしい。

拳を打ち込んだ際に手応えがなかった。


まあいい、致命傷でなくともどうせ衝撃でまともに動けない。


『その頭蓋、打ち砕くっ!!』


もう一度拳を構え煙の漂うアリーナ端まで瞬歩する。


が、



『何ッ!!?』


その掌底は腕ごと捕まれ、勢いを利用して投げ飛ばされた。


しかも、オレが元いた方向に....



─────────────────────

[Other Side]

手をパンパン、と払った恋が話し始める。


『 八極拳、か。

八極拳とは力により相手に打撃を与える格闘法だ。


ひとつ教えてやる。

風華流、白墨五家道の基礎の一つは"受け流し"

いついかなる時も力の流れを否定せず逆に自分の利とする事。


白墨賢華流は合気道の流れを汲み五家道の中でも接敵、受け流し、変換に特化している。


受け流しは相手の力が強ければ強いほど、やりやすいもんだ。


相手が悪かったな、ヤン。』



『ゴホッ....お前.ッ..!?』


楊淳の言葉を恋が言葉で上書きした。


『お前どうして動けるのか?


そんな所だろ?さてどうしてでしょう?


答えは簡単

───最初の一撃をまともに食らっていなかった。』


『おおっと!!?どういう事だ!?我々には楊淳の放った一撃は確かに白墨恋の腹部に直撃していたように見えたぞ!?


ん?ちょっとお待ちを』


『....部長、あの、コレ』


『別カメラの映像ですか....?早速観客の皆様とも共有しましょう!!』


司会実況─スワンが端末を操作する音と共に、競技場アリーナの天井に吊るされた大型モニターに映像が映る。


それは奇妙だった。

楊淳の拳は腹部まで届いておらず、少し手前。

その拳の先には恋が握りしめた拳があった。

が、防いだと言うには拳と拳の感覚が広すぎた。


まるで見えない空間に阻まれたかのように。


『ん?確かに!!楊淳の拳は腹部寸前で止まっている!!!?


見えない壁があるように見えますね...』


実況しているスワンは困惑しているが、僕らは分かる。


『ミリア、あ、あれ....もしかして』


『.....アイツ、ピンポイントで厚みの有るプロテクションを作ったんだ。おそらくカバーできるのはおそらくごく狭い範囲。

ぶっつけ本番でよくもああ成功させるものだ。』


『さっすが恋だ!!』


2人で納得していたらクラスメイトほぼ全員の視線がこちらに刺さっていた。


『おいお前たちは白墨が何したかわかるのか?!』

『ねぇ、教えて教えて!!』

『2人だけずるいぞ!!』



『簡単だよ、魔術で防御したんだ。』

ちょっと自慢げに話す僕がいる。

やっぱりこういう場所は心躍るなぁ...


と1部から懐疑的な言葉が、

『なんでそんな事がわかんだよ。』


『それも簡単だよ、


だって、僕の親友だもの。』


─────────────────────




『王首相が───良い判断能力....ニホンの選手は素晴らしい──と仰っています』


日本の通訳が私の目の前で東条首相に伝えている




『そうか、

ありがとう、と伝えておいてくれ。


それにしても恋君

いつの間にあんな芸当覚えたんだ?』


日本の首相──東条がボソッと呟いた。

国のトップに立つ人間にまで認知されているとまでは思っていなかった。



『確かに腕は確かだけれど....それほど有名だとは思ってなかったけれど』


私の独り言に東条が反応した。

『そういえばミスメアリー、君は彼と手合わせしたそうじゃない?

君から見た彼はどうだった?』


『....技術や反応速度は言うまでもなく素晴らしいと思います。


私が気になったのは判断や決断の速さです。

あの日の戦闘中盤、彼は初見である筈の私の必殺とも言える一撃を難なく回避しました。



あれは技の発動前にその威力を察知して無ければできない動きです。


未来予知してるんじゃないかと疑いたくなります。』


私は思い出した。

彼は1度たりとも見たことがない大火力の魔法を、発動前に威力や規模、周囲の環境変化によって起こる害、全てを想定して、正解を導き出した。




『ふむ....』

彼は沈黙し、しばらくの後 口を開いてこう語った。



『正直に言うとだね...私も初めて手合わせした時は目を疑ったよ。

目の前にいるのは人間の皮を被った別の生き物なんじゃないかってね。』


『彼と戦ったことが.. .?』


『ああ、あるある、非公式戦だけどね?

なんせ、私も白墨五家道を会得しようとして入門していたことがあってね..』


『コホン...首相』

SPが咳払いをすると共に睨みつけてくる。


『おっと話しすぎたな。君とは今度しっかりした時間がある時に話したいものだ。』


そうして東条は戦いを静観し始めた。


かれに聞きたいことができてしまった。

このまま何事もなければいいのだけれど...


私も2人の戦いを見守る事にした。


───────────────────────


[Ren side]


『最初の一撃で仕留め損なった自分を恨むんだな。

立て、これで終わりじゃないだろう。』


『.... 上等だ!』


相手は槍を手に取り突きの体制を取り、こちらも刀の柄に手で触れる。


距離は目算50m。


『ヤァァァッッ!』

納刀・・したまま疾走した。


『槍相手に抜刀もせず...!馬鹿にするなッ!!』

楊淳ヤツはこちらの思惑通り、突きで対応してくる。


俺は、槍先一点を見つめ、刀の額を左の親指で弾き浮かし、


『─通~りゃんせ、通~りゃんせ


此処は何処の細道じゃ────』


槍の穂先は鞘の入刀縁で受け、その衝撃を能力で強化。

その反動を利用し高速で抜刀、体を相手の背後に回り込むために体を捻り、踏み込む。


『白墨風華流─────技


とうりゃん!!───』


正直、決まったと思った。

だが....


『シラズミィッッッッ!!!』


『なっ!?』


想以上に楊淳ヤツの振り返りは早く、振り下ろした刃は槍に弾かれた。


槍は攻防の切り替えが早い。

なぜなら刀の軌道は直線的な為、攻撃から刀の戻しが遅い。

しかし槍は振るう方向を自在に変更できる。

変幻自在と言っても過言ではない。


奴は刀を弾いた反動を槍を回すことにより遠心力で横に薙ぎ払う。


(完全な回避は間に合わない ..!)


俺は体の軸線に刀を構え、防御した。


『チィッ...!!防ぐな!』


間髪入れずに向こうは突きの体勢に変更。

一進一退の攻防戦が始まった。


『ッ!!』

競技場アリーナに響く剣戟の音。



『よく防ぐじゃないか!あぁ?』


弾くのが精一杯の速度で繰り出される突きの連撃、だがいずれ隙が生まれるはず。


そう思っていたのだが....


『はァァァァァッッ...!!』

ヤツは突きから横なぎへ体制を変える為か、槍を持っている右腕を左脇下へ移動させた。


何故?

有利な間合いで有利な状態を捨てたのか。


その構えは無防備のように見えたが、俺は出来うる限り後方へ飛びずさった。


否、跳んだ瞬間にその攻撃は来た。



ザォシェンッッッ!』


その薙ぎ払われた槍には炎纏わせ、渾身の一撃が振るわれる。


『見た目だけの攻撃などッ!』


槍の一撃は防いだ。


だが刃先が衝突した瞬間、炎は俺の上半身を包み込んだ。


『は!?ああああああああああああああああああああっっっっ熱い!熱い熱い熱いッッ!!』



腕から上半身、学ラン全体に火が回っていく。

幸いにも文字通り「火事場の馬鹿力」で相手の攻撃をはじき飛ばした。

その上直前に跳びながら防御した為、相手との距離が開き、冷静に現状に対処することが出来た。

正直、そのまま防いでいたら確実にトドメをさされていた。

そうでなくても今やられてもおかしくない。

だが、懇親の一撃が致命打にならなかった事がそうとうショックなのか、アイツは呆然と立っていた。


『何故....!!』

俺は睨みつけてくる淳の前で燃える学ランを脱ぎ捨てた。


『アチチチッッ....それはこっちのセリフだ!!』


ありえない。

槍に付加された火が刀身に熱を伝えるならともかく、炎が確実に俺の体へした、燃え移ったではない。


まるで炎自体が意志を持っているかのように。


魔法...。


俺は昨夜メアリーに教えてもらった魔力行使、魔法について思い出した


すくなくとも魔術(マナ単体)ではない、魔法(現実への干渉)だ。


とはいえ、あんな風に炎を自由自在に操るなんて可能なのか?

それに中国で魔法は一般的じゃないはずだ。

まさかこれが"気"の力だと言うのか?


『次は確実に仕留めるッ!!』

距離を詰めてくる淳、とにかくまともに打ち合ってはダメだ!


相手は全力、こちらと言えばさっきまともに服を掴んだせいで左腕の掌は軽度の火傷、拳としては役立つが刀は両手持ちできない。


槍の攻撃は回避だけでは対処しにくい。

いずれついていけなくなるか、相手がこちらの動きに対応して追いついてくる。

なんなら銃撃より継続回避は難しい。


だが炎の軌道が読めない以上打ち合えばやられる。


ともなれば、


俺は刀を逆手に持ち、肘を曲げ─


『白墨風華流──擬──技──


ッッッッ!!』


投げた。

元は白墨藻刃流の技、それを転用した、故に『擬似』。

祖はこれを文字通り光の速さで飛ばしたという。



『刀を投擲だと!?』

淳はこちらの体制を見ても動じず突っ込んでくる、とはいえ刀を弾くため多少速度は遅くなる。


俺は相手が弾く前に駆け出した。



『"〈"(ケネァズ)...』


正直一か八かの賭けだった。

魔術なんてろくに使ったことはないため、初動防御に成功したのはまぐれとしか言いようがない。


が、ぶっつけ本番。これ以外方法がない。



『小賢しいッッ!!』

槍で刀は弾かれ宙を舞う


俺は走りながら握りしめた拳に魔力オドを収束させた。


ザォシェンフェイッ!!』

距離は目算30m、奴は炎を生み出し槍を突き出すようにして、ビームのように炎をこちらに放った。


圧縮ジップ....射出ローンチッッ!』


魔力で手元の空気をひたすら圧縮。

弾丸のイメージで構築したそれを俺は衝撃波によって発射した。


互いの一撃が 衝突する寸前


薬室チェンバー清掃リセット弾薬変更マガジンリロード..次弾ハンマー装填レディ


俺は次の一手の準備をし始めた。

更新未定

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