《紅蓮の魔女と契約者》
しごと
に忙殺されてます。
そんななかこんな小説投稿してます。見てくれたら
うれしいです。
『──────は?』
処理が追いつかない。
いや、理解してしまったからこそ、頭が考えることをやめたのか、真っ白だ。
恐らく、俺は認めたくないんだろう。
なんせ、俺の記憶を一証拠として国家裁判での判決が出たのだ。
『では私たちは無実のなすり付けあいをしてた事に...』
美は現実を見ている。
『ヤンジュンの言ってることも間違いじゃないかもしれないわね。
子供の記憶、いえ大人だろうと自分の記憶は都合のいいように改ざんしていくものよ。
まぁ仮説が当たっていたらだけど。』
『仕方もない、当人たちは気付かず、白墨恋以上の力量を持つコイツの姉ですら、弟一人身を呈して庇うくらいしか出来なかった。
恐らく一瞬だ。
コイツも何が起きたか、全てを理解するには困難だったのだろう。』
『いや、でも...
それで楊麗とその家族、それに中華統一連合に汚名を着せたのは俺だ...』
俺がもし、しっかりと状況を理解出来ていたのなら...
いやそんな事だったら多分俺が姉貴を庇っただろうか....そして何の能力もない俺は姉貴と心中だ...
ここにはいなかったかもしれない。
『メアリーの推測が当たっていたなら...俺は大罪人だ...』
『いえ、貴方だけではありません。
私達も貴方のお姉様に罪をなすり付けました。』
顔を上げた、閉じた美の瞳はは不思議なことにしっかりと俺を捉えているように思えた。
『いやでも俺がいなかったら、まだ───』
『貴方がいなくても同じ結果になったでしょう。
なにより日本政府のデータベースから引き抜いた、恐らく日本と中国の関係を崩すための一手、
その偽装動画を仕込んだ何者か...
競技場爆発の件と同一人物だと思います。』
美に庇われた...
一方メアリーは過去ではなく未来を見ていた。
『あれが日本と中国の関係にヒビを入れて崩壊させるためなら....試合自体が仕組まれていたとも考えられるわね...
待ちなさい...ということは』
『はい、恐らく今度の試合も....』
同じことが起こると!?
今回は前回の御前試合と違って観客に全校生徒がいるんだぞ?!
被害がどれほど及ぶかわかったもんじゃない。
『....警戒は怠らない方がいいな』
この場にいた全員がミリアの言葉で気を引き締め、この会議はお開きになった。
時刻は22時半か...なんとか就寝時間までには帰れそうだ。
『では恋さん。お気をつけて。』
部屋の出口に向かった美が振り向いて微笑んで出ていった。
なんて返せばいいかわからなかった。
仇だと思っていた楊麗。
それが姉貴と仲がいい友人で、俺の記憶も間違いで、そのせいで中国と楊家は....
『それでどうするの?恋』
メアリーに話しかけられる。
『どうって....明日の試合か?今更中断できないならやるしかないだろ。』
『いえそうじゃなくて、私が言うのもなんだけれど、貴方急速に知識を仕入れた上に精神ズタボロじゃない。』
ズタボロ...
まぁ言い得て妙というか。
『....死なない程度に戦う、なんて言うつもりは無い。
けど、正直迷ってる。
俺と淳、どちらが勝ってもどっちかの国に責任を押し付けることになる。
こんな状況にしたのは俺なのにな.....』
『アンタ...』
『大丈夫、こんなところで弱音を吐く気は無い。
俺は戦うよ。』
『うーん ... まぁ、恋がそれでいいなら僕らは何も言わないけど。
ただ2年前の事件の善悪を後継者に押し付けて戦わせて決める、みたいなの。
僕好きじゃないんだよね。』
『......人を壊すのは人じゃない。
いつだって歪んだ国か社会だ。』
しれっと二国を否定していくルークとミリア。
恐らく自分達がそういう歪んだ伝統の中で育ったからだろう。
『とにかく上手く落ち所を探してみる。
引き分けとか他に手があればそれで。
とにかく3人は明日何が起こっても対応できるようにしておいてくれ。
いちばん簡単なのは真犯人を引っ張り出して全部喋らせることだ。』
そんな上手くいくわけないけど、強がってみる。
今は立ち止まれない理由がある。
『ちょっと待ちなさい!?
絶対明日そいつらが来るって決まったわけじゃないのよ!?』
『いや来るさ、
いきなりの御前試合、両者の国のお偉いさんがそろい、そのうえ前回の生き残りである俺とその親族、そして全校生徒。
奴らの狙いが国家間の関係崩壊なら狙うには絶好の機会だ。
被害が出て逃亡されたら奴らの勝ち、
被害を出さずに奴らを引っ捕らえられたら俺たちの勝ちだ。
真実さえ分かれば淳だって協力してくれるだろうし、なによりこっちにはヴァルプルギスマスターが3人もいる。』
メアリーの表情が険しくなった。
『あのねぇ...ヴァルプルギスマスターって言っても無敵じゃないのよ?
それに明日はジルドレアとリサは明日から本土に出張でいないのよ....?』
『は?』
そんなの全く知らなかった。
『とどのつまり、明日何が起こったら全くと言っていいほど頼りにならなそうな先生方と、事情を知ってるここの4人で対処しなきゃいけないってことか?』
基本生徒全員ASWRがついている、腕利き以外は恐らく動けない。
『ヤン・ジュン、ヤン・メイ、それとその使用人であるミン・ランファあたりじゃないかしら、まぁミン・ランファに関してはヤン・メイの支持しか聞かないでしょうからどう動くかは分からないけれど。
それに、貴方の姉ですらどうにもならなかった魔法をどうやって防ぐつもりなのよ。』
『それなんだよなぁ....』
奴らの攻撃手段も不明。
設置型の魔法陣は不可能だろ?
遠隔式の魔術ってのは大体が上手くいかないってメアリーが言ってたし...
いや ..?そもそも、はぐれの魔法使いにメアリー達より強力な魔法使いなんているのか?
というかメアリー本人が言ってたじゃんか。
「ジルドレアですら壊せないものを敵は壊した」
ということは
"敵の攻撃方法は魔法ではなく現代兵器である可能性が高い"
なんで誰も気づかなかったんだ!?
『おいメアリー!!
お前の魔法って現代兵器より強いのか?!』
昔の俺が魔法という言葉を聞いて一番最初に疑問に思ったことを聞いた。
『はぁ...?どのレベルの話を聞いてるか知らないけれど少なくとも核ミサイル並の威力を持ってる魔法なんてこの世に存在しないわよ?
世界レベルの儀式による攻撃とかなら理論上軽く上回るでしょうけど、土台無理な話ね。
まぁでもよくあるロケットランチャー?
あれよりは強いんじゃないかしら。』
『ってことは多分攻撃されるなら現代兵器確定だ。
しかも国が運用したなら絶対問題になる代物。
国じゃないなら......テロリストだ。
そいつら運用している爆撃機や座標指定型のミサイルだとすれば....』
『流石にこの国も馬鹿ではないだろう、戦闘機が領空侵犯すれば必ず発見される。
テロリストが高技術ステルス機など持っているわけもない。』
ミリアに否定された。
確かにステルス機なんて持ってるわけが無い。
『何らかの方法でレーダーを掻い潜った、しかも接近による音ですら気づけない方法。
そんな方法しか考えられない。』
4割現状からの最適解、6割勘。
もともと俺たちは兵器に詳しいわけじゃない。
『その方法って何よ..』
『わからん。でも多分これしかない思う。』
俺とメアリーの睨み合い....この沈黙を破ったのはミリアだった。
『私が当日索敵する。
会場には影を置いていく、それでいいだろ。
ただし、兄貴は連れて行けない。
メアリー・ファリータ、いやヴァルプルギス・フレイムマスター、要人警護の依頼だ、兄貴を任せたぞ。』
ミリアがルークの事を他の誰かに任せるなんて、多分メアリーが信用されている証拠だろう。
『却下、私は明日ニホンのテンノウヘイカ、並びにシュショウ?と中国の国家元首の護衛に回されたから、動けないのよ。』
まぁ、生徒会長と理佐姉がいないなら当たり前...
は?警護をヴァルプルギスとはいえ一生徒にやらせるのか!?
『....ならさっきの話はナシだ。』
『ううん、行ってくれミリア。
大丈夫!僕だってAクラスの生徒だ、自分の身は自分で守れるよ。』
ミリアが極端に悲しい顔をした。
兄貴に力を使わせんとするその妹の思惑は未だに分からない。
ただその理由は優しさであってほしい。
『よし、作戦会議終了。』
時刻二十二時五十分、なんとか帰れるか?
『恋!』
窓に向かおうとしてメアリーに声をかけられる。
『頑張んなさいよ』
『あぁ...!』
俺は颯爽と窓を飛び降りた。
『ちょっと!!?』
頭上からメアリーの声が聞こえる。
大丈夫!
俺は全神経を集中させ、魔力のスイッチをONにした。
地面から半分くらいの距離で見えない壁を生成し飛び乗ったあと地面に受身をしながら着地する。
『流石だねぇ、恋。
聞いただけで魔術会得しちゃうなんて』
ルークに褒められる。
『ぬかせ、今のはまぐれだ。
明日の本番じゃそうはいかない。』
メアリーの魔法を見たあとならわかる。
俺、いや普通の魔術師、魔法使いは発動まで時間がかかりすぎている。
どちらかというと、メアリーの方が早すぎるのか?
何にせよ俺はまだ未熟、実践で使えるかわからない。
『とりあえず寮に帰るぞ』
闇夜に紛れて、寮への道を走った
[LUKE side]
恋がまだ帰ってこない。
彼は僕と部屋に戻る最中放送で呼び出された。
呼び出したのは理佐先生だ。
内心女子寮への無断侵入がバレたんじゃないかとヒヤヒヤした僕とは対照的に彼は冷静だった。
「バレてるなら俺とルークの2人を呼び出すはずだ。
大丈夫、多分少し話があるだけだろ。」
そう言って彼は来た道を戻って行った。
心配だ、消灯時間からもう1時間経つのに...
『やっぱり探しに行こう!』
僕は布団から飛び起き再び制服を着て部屋の扉を勢いよく開けた。
彼が帰ってきて扉を開けようとしたのと同時だった。
《ゴンッ!!》
──────────────────
[Ren side]
自動ドアって便利だよな。
当たり前の話だ、その場に向かうだけで勝手に開いてくれるんだもんな。
でも目の前の扉は引き戸、自動ドアにするわけがない。
つまり裏で押したヤツがいる。
『痛っぅ〜〜!!』
『ご、ごめんね!恋!大丈夫...?』
『お前なぁ、タイミング悪すぎだろ!?というかもう消灯時間過ぎてんだぞ?!何処に行こうとしてたんだ!?』
『だって!ずっと帰ってこないから心配で....』
申し訳なさそうに俯くルーク、
『あぁ...悪かった。いろいろ話してたんだ。』
部屋の中にはいって預った物をベットに丁寧に置いた。
『何それ?』
案の定ルークに聞かれる。
『これは刀だよ。真剣。絶対に触るなよ?』
『え!?見せて見せて!?』
子供かお前は....
俺は状態確認も兼ねてケースから刀を出すことにした。
鞘、鍔、柄
傷一つない....訳もない。
もともとこの一振は姉貴が使っていた一刀。
「刀は刃だけで戦う訳では無い」
この刀がそう訴えかけてくるような....
『恋?どうかした?』
『あ、いやなんでもない。』
『というか、恋。明日それ使うの?』
『相手は槍を使うらしい、な訳で真剣が許可された。』
俺は布団を被った。
『どうしたの?』
『寝る。おやすみ』
『うん...おやすみ、恋。』
ちょっと色んなことがありすぎて、お前には悪いんだが、整理の時間が必要だ。
.......
『ねぇ、恋...死なないでね。まだ恋には沢山やってもらうことが...Zzz』
あいつ、途中まで語りかけて寝やがった....
ホント、好き勝手言ってくれる奴だ....
結論から言うとあまり良くは寝られなかった。
更新未定




