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《紅蓮の魔女と契約者》

ストックを保管するのもだるいので投稿しました

飯を食べ、風呂も上がり部屋に戻る。

夜7時、寮の消灯時間まであと4時間。


俺は夕方メアリーと別れたあとルーク妹にメアリーの部屋の場所を調べてもらおうとした。

何故かと言うと女子寮は男子禁制である。


女子寮に男子が近づくのがアウトならばその逆もまた然り。連絡を取る手段を無くしたかと思った。


しかし、


ルークの妹は普通に俺の部屋に入り浸っている。


『なんで妹まで俺の部屋にいるんだ..』

友人の妹とはいえ、女子であることに変わりはない、立派な規則違反だ。

ルークは笑って

『だってここ、"僕ら"の部屋だよ?』


なんて言い出す。

ああ、うん。もう何も言うまい。


そんな時唐突にルークの妹が口を開いた。


『白墨恋、聞きたいことがある』


こいつから疑問をなげかけてくるとは、大抵の事はどうでも良いのかと思っていたのだが。

ルークはさっぱりわからない、と言うようにお手上げのポーズをとっている。

兄に相談はしなかったようだ。


『単刀直入に聞く、なぜ私の事は名前で呼ばない』


はい?


『兄やメアリーファリータの場合は名前呼びする、だが私を呼ぶ時は"ルーク妹"だ。

呼びにくいのではないか?

それともその呼び方には何か嫌味が込められているのか?』


真顔で首を傾げている。

普通なら聞きにくいことも普通に聞いてくる、友人関係で苦労しそうな奴だと思った。


『別に大した意味とかはない、ただミリア、って名前を呼ぶのは馴れ馴れしいけどアンダーソンだとルークと被る。』


説明をしてみたがキョトンとしている。


『名前を呼ぶのは馴れ馴れしいのか?

ならばどうしてメアリー・ファリータをファリータさんなり姓で呼ばないのだ?』


『む...』


言われるまで気づかなかったが、確かにファリータ、なんて呼び方はしたことが無い...

『何となくなんじゃないの?』


ルークからの助け船が入る。


『その通りかもしれないな』


俺の答えを聞いてルーク妹は

『....理解不能だということはわかった。

なら私のことはミリアと呼べ』


あれ....もしかしてこいつ仲間はずれにされてムッとしていたのか....案外中身は強くないのかもしれない。



『ああ、悪かったな、ミリア』


昔、義理の妹にしたように、頭を撫でてやった。

ミリアは嫌がるでも喜ぶでもなく


『何をしているんだ?』


位の真顔で見つめてきて、恥ずかしくなって『なんでもない』と手を退かしたのだった。


『とりあえず茶番は終わりだ。

で?ミリア、肝心なメアリーの部屋って何処だ?

これ以上アイツの機嫌を損ねる訳にはいかないからな。』


これ以上機嫌を損ねると顔を合わせたら燃やされかねない気がする。

そんな心境の最中、ミリアが衝撃の事実を口にした。


『メアリー・ファリータは私のルームメイトだ。』


嘘だろ...

『なら何で聞いた時に言ってくれなかったんだ。』


『忘れていた』

秒で言葉が返ってきた、まるで用意されていたかのように。


まぁ、分かったなら良いとしよう。

『じゃあ、行くとするか..』


『待ってよ恋!女子寮は男子寮の5倍は警備が厚いよ。忍び込むにしても無理があるよ。』


ルークが呼び止めた。

『まぁ待て待て考え無しで突撃するつもりは無い。

ミリア、メアリーの部屋は女子寮の20階あるうちのどの階だ?』


『6階だ、何をするつもりだ?』


『いや考え中だ』

ミリアからの質問を半ば聞き流して答える。


もともと正面から入っていくつもりなど毛頭ない。透明にでもなれれば話は違うだろうが正攻法は今自殺行為だ。


とはいえ空は飛べないしどこにでも繋がってるドアなんて持ってない。

俺が衝撃波で吹き飛べるのは精々15Mほど、男子寮と女子寮はほぼ構造が変わらないから6階ともなれば恐らく25M弱はある、普通のマンションより天井が遥かに高いのが憎らしい。

どこかの某有名アニメシリーズのロボットの全長を超えてるじゃないか。


となれば壁面歩行ラペリングする他ないが、そんな丈夫なロープなんて都合よくあるはずもない。


『ロープか.....学園の倉庫とかに...いや今からで間に合うのか?

いや、待て───』


ある。

この学園の寮は一部屋に1つ避難用ロープが設置されている。

昔はそこまで設置量は多くなかったらしいが、この50年で色々な制度や憲法が変わっている。

そして、世界の国々も。


魔王戦後の国家間のゴタゴタや紛争によって、島が消滅したり、大陸にクレーターができたりもした。

1番影響を及ぼしたのは同盟や国連の崩壊だろう。例えばEU、ヨーロッパ連合だ。

ヨーロッパ周辺の国は1部が無くなった。

というか消し飛んだ、異能を是としない国家に対する魔女たちの報復によって。

オーストリア、スロベニア、クロアチア、ハンガリー、スロバキア、チェコ。

ドイツとイタリアに至っては自国の領土の1/2を失った。


別件ではアメリカでアラスカの都市が丸々。

ほかにも韓国、スリランカ、ブラジル、チリ

いろんな国が崩壊したり消滅した。

中国と日本だけではない、大昔とは国家間の関係が変わっている。

非公式な言い方をすれば、第三次世界大戦と言ったところだろうか。




さて、とりあえず避難用ロープを緊急事態BOXから抜き取った。これをミリアに渡して窓から投げてもらえれば大丈夫だ。

ちなみに防犯ブザーはなったが振動をゼロに調整したので誰にも聞こえていない。


....あれ?思えばなんでASWR機能していないんだ?

簡単に壊れるはずは無いが、不調か?

まぁいいか....むしろ好都合だ。


『よし、ルーク。作戦会議をしよう。』


『お!いいね!僕そういうのやった事ないんだ!』

俺はちゃぶ台前に座ってルークとミリアを招いた。


『作戦はこうだ。

まずミリアには自分の部屋、もといメアリーの部屋に戻ってもらう、ただし手ぶらじゃない。

ここに避難用ロープがあるじゃろ?これをメアリーの部屋のテラスからかけてもらって腕力だけで壁を登る


...ルーク、綱登りの経験はあるか?』


『そんなことある訳ないでしょ!!?ビショップさんはそんなこと教えなかったよ!?

というか恋は出来るの?!』



『白墨賢華流の修行でロープを使って腕力だけで壁を昇るってのがあってな。

相当辛かったが。』


『......万能だな、白墨家は..』

これには不動のミリアも驚愕する。


『ルーク、お前はどうする?ミリアには是が非でも協力してもらうが...』


『...やってみたいけど、できるかな?』

鍛えていない初心者にはまず出来ないが、体ができている奴なら、話は違う。


『兄貴、無理なら私が運んでいく。だから心配するな。』


まて、今とんでもない言葉が聞こえてきた。


『いやいや、運ぶってどうするつもりだよ』


ミリアから発せられた言葉は目眩がするほどに異常だった。


『どうもこうも、跳躍ジャンプするだけだ。』


理解に苦しむ、こいつ、人間か?

"化け物"じゃないのか?


『人間だよ。一応自分達ではそう思ってる。』

また、こいつ俺の思考を...

『ルークは人間だ。私が怪物なだけだ。そう言われるのも慣れている』


『...悪かった』

『別に、気にしていない』


気まずい、失敗した。

そう、こいつらは人間だ、被害者なだけ。

好きで魔王の欠片とやらをその身に宿してる訳じゃない

どういう理由であれ化け物や怪物なんていう呼び方はこいつらにとっては禁句なのだ。

俺も以後気をつけよう。


『で、恋。作戦はそれだけ?』


『ああ、これだけだ。

でもついてくるというのはわかってるのか?

バレたら先生生徒一同からとんでもない非難を浴びるぞ。それに厳罰だ』


一応は警告をしておく。

前例がある。こいつは多分─


『当然、ついて行くよ!』


だろうな。

『なら作戦開始!ミリアは自室に、俺たちは女子寮の近くの茂みまで速やかに移動するぞ!』


こうして女子寮侵入作戦が開始された。


──────────────────────

[Mary side]


入浴を終え、メリイが持ってきた食事を食べ終える。

そうだ、今夜はもうひとつメリイに注文しなければいけないことがあった。


『ねぇ、メリイ。これからここにお客が来るのだけれど。寮の玄関まで迎えに行って欲しいの。』

メリイは不審に思ったらしい。


『わかりました。ですが、なぜ寮の玄関なのですか?』


『待っていればわかるわよ』

あのバカのことだ。考え無しに女子寮に踏み込むに違いない。ここはメリイに道案内を頼み、こっそり連れてくる他にない。道と言っても女子寮の廊下と階段だけだが、見つかればタダじゃ済まない。


『わかりました、"マリー"。どうせ貴女の事だから時刻も待ち合わせ場所も伝えていないんでしょう?』


口調を途端に崩した。メイドとしてでは無く、友人としてこの子は今話している。

"マリー"というのは私の昔の愛称である、最も今ではその名前が子供っぽく思えて本名で呼ばせている。


『マリーはやめてって言ってるじゃない。"メリー"、たしかにその通りなのだけれど、ここで話すのに待ち合わせ場所なんて要らないわよ。』



私はこうして彼等を待つことになった。

この後、待ち合わせ場所を言わなかった事を心底公開することになる。


数分後、何かを背負いミリアが"珍しく"部屋に帰ってきた。

いつも彼女は部屋に居ない、まるで私との関わりを避けているかのように。


(まぁ私の考えすぎでしょうけれど)


彼女には兄がいる、多分そのせいだろう、


それにしてもリュックサックなんてもの持っていたのか、部屋に私物を一切置かず、ベッドも机も使った痕跡がない彼女が...


そうして彼女はベランダの窓を開けそのリュックサックを─


『ちょっと!?何をしてるのよ!?』


投げた。意味不明すぎる


『何?とは』

振り向いた彼女は私を責めるようにこう言ったのだ。


『白墨恋を意図的にここへ呼んだのはお前だろう、メアリー・ファリータ。』


『それはそうだけれど、それとその荷物の何が関係あるのよ。』


訳が分からない。


『お前はゆったり紅茶でも飲んでいろ』

ミリアはそのままテラスから飛び降りた。


『貴女何してるのよ!?』

私は混乱したままテラスに赴いて下を覗いた。

地面には見るに耐えぬ彼女の体、などなく、代わりに見覚えのある2人の男子がいた。






ミリア・アンダーソン


2078年 1-A 16歳

2079年 2-A 17歳

2080年 3-A 18歳

ルークの妹にして物語の鍵を握る1人。


実際の名前は

ミレヤ・アンダーソン

この作品においてはspellのMireyaは発音的に

『ミリア』と聞こえるようになっている。第2話の【LUKE&MIREYA】はスペルミスではない。


ミリアという名前自体は現実においてアメリカには存在しない。

(このキャラクターを作ってから知った事実)


冷血無比、冷静沈着という言葉が似合う

過保護、ブラコン。

ルークを護るクイーンがどこに居ようか。


実はルークに兄がいるのだが、覚えておらず、ミリアにとっての家族は兄のルークと父替わりのビショップ、亡くなった乳母だけである。


1-A、2-A、3-A

3年間において次席を維持する学力と技量の持ち主(ちなみに首席は当然メアリー)


得意魔法属性は『風』『影、闇』『氷』『水』

各ヴァルプルギスマスターには及ばぬものの、独学の割には作品内メインキャラの上位にランクインする。


ルーク同様彼女も『BLACK』『GREEN』の間に生まれ魔王要素が強いから『BLACK』寄りと思いがちだがどちらかと言うとエルフの方が近い(『GREEN』より)

魔王因子は自らが兄のために意識的に引き受けており、本人は兄に対して嘘をついている

アラスカ消失の事件の際もルークを庇って『私が街を消した』と嘘をつく。

兄思いが強すぎる。


兄の事になると効率優先になり残酷になることが多く初めの頃はよく恋との意見のぶつけ合いになるが人として成長していくにつれ人間らしく人を害することに抵抗を覚えたり仲間を害されて怒ったりするようになる。



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