表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/65

感傷

「このあたりは、まったくわらんな。」

 伊香保いかほ出発しゅっぱつした安蔵あんぞうは、トラックの荷台にだいそと景色けしきながらぼそっといった。

都市とし混乱こんらんしてますがね、田舎いなかわりませんよ。ただ、都会とかいからはいってくる人間にんげんえて、治安ちあんわるくなってますがね。」

 部隊長ぶたいちょうはなす。北海道ほっかいどうかう一行いっこうは、途中とちゅう徐々(じょじょ)おおきくなっていく。色々(いろいろ)駐屯地ちゅうとんちからトラックが合流ごうりゅうしてくる。

飛行機ひこうきけばはやいのに。」

 富羅ふらは、なが移動いどうにいい加減飽かげんあきてきた。

応援部隊おうえんぶたいあつめながらですから。それに、からけばついてきているアルマが目立めだってしまいます。あと、みなさんにまち現状げんじょうてもらいたい。この交渉こうしょうによってかれらの運命うんめいまってしまうのです。高校生こうこうせいにその責任せきにんわせるのは心苦こころぐるしいですが、そのために役立やくだちそうな情報じょうほう提供ていきょうしておきたいという大臣だいじん指示しじです。」

 部隊長ぶたいちょうおだやかな口調くちょう富羅ふら説明せつめいしてくれた。大臣だいじんというのは防衛大臣ぼうえいだいじんのことだろう。


 新潟にいがたへとけた。ここからは急遽きゅうきょふねくことになった。

みなさんの状況じょうきょう報告ほうこくしたところ、大臣だいじんからフェリーを使つか指示しじがでました。明日あすには目的地もくてきち予定よていです。」

 あきらかに役人やくにんだろうとおもわれるスーツ姿すがたおとこ説明せつめいする。フェリーの駐車場内ちゅうしゃじょうない自衛隊車両じえいたいしゃりょうならぶ。さすがに、りだ。

浴室よくしつとレストランは使つかえません。あとで、弁当べんとうくばりますので、それまでゆっくりしていてください。」


 フェリーのビュッフェを期待きたいしていただけにちょっぴり残念ざんねんだった。カラオケは自由じゆうといわれたけど、一人ひとりカラオケもさびしい。よるになれば、むさいおとこどもの宴会場えんかいじょうになるかもしれないし。

 北海道ほっかいどう新幹線しんかんせんとおってからフェリーにることはくなった。このかんひさしぶりだ。

 富羅ふらはいつも最下層さいかそう雑魚寝部屋ざこねべやにしかまったことがない。今回こんかい一等船室いっとうせんしつだ。

「あ~。ベッドが気持きもちいい。」

 まど位置いちたかい。地平線ちへいせんとおくにえる。

「このうみのどこかにアルマがいるんだ。」

 たこともない、未知生物みちせいぶつ想像そうぞうした。瑠真るまているのだろうか?それとも恐竜きょうりゅうそのものなのか。


 いつしか、寝入ねいってしまった。ちち作戦会議さくせんかいぎにでもいっているのだか、部屋へやにいない。

一人ひとりってつまらないな。」

 富羅ふらは、いままで一人ひとりでいても、退屈たいくつだとはおもったことはあるがつまらいとおもったことはなかった。退屈たいくつとつまらないとはちがう。退屈たいくつ一人ひとりですることがなく手持無沙汰てもちぶさたなだけだが、つまらないは一人ひとりでいること自体じたいがいやなのだ。


瑠真るまる?」

 むか部屋べや瑠真るまこえをかけた。部屋へやいた。

教授きょうじゅは?」

わせなか。」

 そっちもか。

「デッキにかない。」

「いや、さむいのは苦手にがてなんだ。やめておく。」

 そうだ、こいつ爬虫類はちゅうるいだった。はれているとはえ、もうあきだ。うみうえさむい。夏美なつみ弥子やこなら強引ごういんれだすところだろうが、富羅ふらにはそんな勇気ゆうきはない。

はいっていい?」

 廊下ろうかにいるのもへんなので、部屋へやはいった。

おなじつくりだね。」

 左右さゆうこそぎゃくになっているが、かい部屋べやなのでまったおんな調度品ちょうどひんに、おんな配置はいちだ。

なにか?」

 乙女おとめ感傷かんしょうひたっているというのに、相変あいかわらずデリカシーのないやつだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ