表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/65

始末

 救急きゅうきゅう連絡れんらくはいってきた。診察室しんさつしつにエアコンをれたり、玄関げんかんけたりときゅうにあわただしくなった。

 救急車きゅうきゅうしゃはいってくると同時どうじに、むら防災無線ぼうさいむせんひるげた。

「それじゃ、これで失礼しつれいします。」

 富羅ふらは、ソファーからがるととなり診察室しんさつしつかって挨拶あいさつした。

 ドサッ!


 富羅ふら朦朧もうろうとする意識いしきなかで、ガラガラとストレッチャーではこばれて、診療所しんりょうじょにしては立派りっぱすぎる手術台しゅじゅつだいせられる自分じぶんかんじた。

られた以上いじょう、このままかえすわけにはいかないわ。わるいけど、すぐらくになるからね。」

 先生せんせいたちの会話かいわこえる。

随分ずいぶんよくしゃべるとおもったら、こういうことだったのか。」

 富羅ふらは、後悔こうかいした。しかし、もうおそい。からだうごかない。

「せめて、まともなこい一度いちどぐらいしてみたかったな。」


大丈夫だいじょうぶ?」

 富羅ふらひらけた。あたりをると、さきほどまで自分じぶんすわっていたソファーによこになっている。

「まさか?」

 彼女かのじょは、自分じぶんからださわった。べつ変化へんかはない。部屋へや時計とけいると12ときぶんだった。5ぶんなにかできるとはおもえない。

おどろいたわよ。いきなりたおれるんですもの。かる貧血ひんけつ、いわゆるちくらみってやつね。もうすこよこになっているといいわ。」

「はあ。」

 富羅ふらいたあれはなんだったんだろう。救急車きゅうきゅうしゃのストレッチャーのおといて自分じぶんっているとおもったのだろうか?電話でんわる。

「おいそがしいところすみません。いま一人ひとりそちらにかってますが、どうやら自分じぶんがガンだってって動揺どうようしちゃったみたいで。ご家族かぞく承知しょうちされているんですが、高齢こうれいなのでもう告知こくちをしないでしいということでしたので。鎮静剤ちんせいざいちましたからすこいてます。よろしくおねがいします。」

 どうやら、診療所しんりょうじょ会話かいわこえていたようだ。

 そういえば、むかしから病院びょういんとかきらいだった。あの消毒しょうどくにおいもいやだったけど、それ以上いじょうにいつか不治ふじやまいといわれるんじゃないかとかんがえながら順番じゅんばんっているあの時間じかん最悪さいあくなのだ。


おんななんだから、後片付あとかたづけぐらい手伝てつだってからかえるものです。」

 ははにいつもいわれていることだった。してもらった、麦茶むぎちゃのコップをながしにっていき、かるすすいだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ