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女医

 テロの影響えいきょうで、おぼんだというのに帰省きせいする人間にんげんすくない。日本にほん主要幹線しゅようかんせんはいまだに混乱こんらんしている。地方ちほうごしたほうがらくだとはおもうが、都会とかい予定通よていどおかえれるかの不安ふあんからひかえているらしい。

 例年れいねんつきもよおされているまつりも今年ことし中止ちゅうしになるのではとおもわれていた。しかし、こんななかだからと、中学校ちゅうがっこう昼間ひるまにささやかにおこなわれることになった。いっ月近つきちかおくれては、花火はなびもできない。


富羅ふら瑠真君るまくんはじめてだから一緒いっしょってあげたら?」

 はは気楽きらくだ。さいわ友人ゆうじんたちはかえってきていない。あいつらにつかったら、なんてやかされるかわかったもんじゃない。

「おとうさん、仕事しごとだからあいだわないって。とうさんの浴衣ゆかたがあるから、せっかくだから、ってってあげてね。」

 はた迷惑めいわくなおせっかいだが、ちいさなむらではたりまえ近所きんじょづきあいだ。


 瑠真るまいえくと、わかおんなひとこえこえる。おぼえがある。

「ごめんください。」

 おそるおそる玄関げんかんけた。

 スタイルのいい白衣はくいうし姿すがたえる。診療所しんりょうじょ女医じょいさんだ。

往診おうしんですか?」


かあさん。」

 瑠真るま予想外よそうがい言葉ことばに、富羅ふらかたまった。


「あら、はなしてなかったの?」

 瑠真るまからだ特殊とくしゅなので、普通ふつう病院びょういんではることができないらしい。なので、診療所しんりょうじょはたらきながら生活せいかつすることにしたらしい。むら唯一ゆいいつ診療所しんりょうじょなので、現在げんざい母親ははおや状態じょうたい

「おまつりの会場かいじょうにある仮設かせつ診療所しんりょうじょくところなの。」

 せっかくだからと息子むすこをおまつりにそうとしていたらしい。


 浴衣ゆかた着替きがえた瑠真るまは、異国いこくひとのようにえた。銀髪ぎんぱつのせいなのか、しろはだのせいなのか不思議ふしぎかんじだった。ちち下駄げたすこおおきかったし、かたむいていて、きにくそうだった。

水虫みずむしはないから安心あんしんして。」

 原発関係げんぱつかんけい仕事しごとがらなのか、ちち皮膚ひふ異常いじょうにはいつも使つかっていた。

 下駄げたいた富羅ふらは150センチにたっしていたが、かれは180センチをえていた。30センチもがあると親子おやこのようにえる。

 くるま会場かいじょうはいる。まだ、まつりははじまっていない。

「じゃあ、わたし仕事しごとがあるから、よろしくね。」

 富羅ふら瑠真るまとも本部前ほんぶまえほうされた。

富羅ふらちゃん、デートかい?」

 みなとはたらいているおばちゃんたちが屋台やたいしている。

移住いじゅうしたひとまつりを案内あんないしているだけ。ボランティア。」

 最初さいしょのうちは、いちいち相手あいてにしていたが、

わかいもんはええね。」

 こえているのかいないのか、しんじてなさそうでだんだん面倒めんどうになってきた。

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