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診療所

 ははすこかんがえて、

「ああ、みなとちかくの空家あきやね。さわやかでよさそうなおとこじゃない。富羅ふらったの?どうだった?」

 おばさんってどうしてこういうことになるとかがやかせるんだろ。

へんなやつ。」


 富羅ふらはこれ以上聞いじょうきかれるのがいやで、おもてた。たまの休日きゅうじつで、父親ちちおやにわ手入ていれをしていた。

とうさん。今年ことし移住いじゅうしてきたひとのことってる?」

 彼女かのじょちち手伝てつだいをするふりをしてたずねた。

「ああ、あの青年せいねんかい。いんしてきたときに挨拶あいさつしたな。おとなしそうなかんじだが、やせすぎだろ。ふゆになったらすんじゃないか。ここでらすなら、もっとがっしりとした、たくましいおとこじゃないとな。」

 体力自慢たいりょくじまんちちはなしいたのが間違まちがいだったかもしれない。


 8つきになって富羅ふらは、ひさしぶりに堤防ていぼうおこなってみた。あいつはまだいなかった。しばらくすると、なにやらみなとおく住宅街じゅうたくがいさわがしい。救急車きゅうきゅうしゃがあわただしくサイレンをならし、もうスピードで通過つうかする。

 富羅ふらは、あとった。救急車きゅうきゅうしゃふる民家みんかまえまった。ストレッチャーをした、救急隊員きゅうきゅうたいいんいえなかいそいではいる。

 数分後すうふんご、そのうえ見覚みおぼえのあるかおのぞいていた。

瑠真るま!」


 ちかづこうとすると

関係かんけいないひとがって。」

 隊員たいいんで、彼女かのじょしのける。ムッとした。そしておもわず

いです。」

 と、ってしまった。


 富羅ふら救急車きゅうきゅうしゃられながら後悔こうかいした。

「なんであんなことっちゃったんだろ。」

 むら唯一ゆいいつ診療所しんりょうじょにつくと、いえ電話でんわをした。

わたし。おかあさん?いま診療所しんりょうじょわたし大丈夫だいじょうぶあとでまた連絡れんらくする。」


かる熱中症ねっちゅうしょうですね。点滴てんてきしておきます。」

 診療所しんりょうじょ女医じょいが、救急隊員きゅうきゅうたいいんはなしている。隊員たいいんると、先生せんせい富羅ふら手招てまねきした。

「え~と。彼氏かれし?」

 富羅ふらくびれるぐらいおもいっきりくびよこった。

一回話いっかいばなしをしただけ。」

 あまりに彼女かのじょが、はげしく否定ひていするから先生せんせいわらった。

「ごめんなさい。せっかくいできてくれたんだから、説明せつめいだけはするわね。」


 しばらくして、ちち運転うんてんはは診療所しんりょうじょけつけた。状況じょうきょう説明せつめいをすると、

「まったく、心配しんぱいさせないでよ。」

 母親ははおや椅子いすすわりこんだ。

村人むらびとたがいにたすわなきゃな。これもなにかのえんだ。やすみのあいだだけでも、ときどき様子ようすてあげなさい。」

 父親ちちおやひとのよさにはあきれる。原発げんぱつ仕事しごと転勤てんきんおおかった父親ちちおや一人暮ひとりぐらしのとき苦労くろうしたらしい。

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