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ボルシチ  作者: tdo
6/9

絶望

彼女は意を決して『さっと取る法』で地雷処理を行うことを決定した

それは今存在する多数の処理員の中でも、おそらく彼女にしか行えない方法で

少しのティッシュでかりんとうの右サイドからすくい上げるようにして回収する方法で

ゼロ-100方式とも呼ばれる

さっと取ることによって見た目もさることながら外面をソフトに包み決して傷つけず

中身の半生な部分には一切触れることもないので床面はおろかティッシュ内にも全くブツが広がらない

まさに100パーセント片思い的な画期的な処理システムといえる

しかし、ティッシュの進入角度や親指・人差し指・中指のバランスを間違えてしまった時などは

見るも無残な状況で地雷は爆発してしまう

そうなってしまうとそこには何も残らない・・・ゼロだ!!


この方式はあまりにリスクが高すぎて

彼女の他には誰も行えない・・いや・・行わない方式なのだ!


一つ目の処理はまさに電光石火の出来事であった!

さっと取って、袋に入れた

単純な作業を完璧な進入角度と3つの指への理想の力の配分で何も考えずに迅速に行った


二つ目の処理に対しても

何も考えずにすぐに行えば良かった


しかし、抱える二つの不安が彼女の指先を微妙に狂わせた

わずかほんの少し、そう1ミリとかその程度の角度のズレではなかったか

通常の地雷処理ならばこれでも99パーセントは大丈夫であろう


しかし相手はあのKH-01型、しかも生まれたてのほやほやだ!

彼女も歴戦の勇者

なんとか床面からはすくい上げ、放り込むように袋へと

そのティッシュごと投げ込んだ!

はずだった・・


床面は完璧に被害なし!

袋にも完璧にねじ込んだ!! はずだった・・


12センチはあるオオモノだった

わずか2センチにも及ばない右端の部分に元々亀裂が入っていたのか

その部分が袋に入る寸前に

空中で引きちぎれ、小さな放物線を描き

廊下の中央付近にあるトイレのドアの前辺りにポトリと落ちた


彼女は全く動かなかった・・いや・・動けなかったのだ

動いたらやられる!!

本能的に察知するあたりはやはり、実戦経験が豊富だったことによる恩恵であろう


事後処理の方法を判断する時間が必要だった

しかし・・

夫とケンカをしたことが彼女の精神の核となる部分を見えないところで少しづつ蝕んでいた


ぁ・・立ちくらみ・・・


まずい!

今倒れたら、下には大量のKH-01型が手ぐすねを引いて待ち構えている!!


体勢を立て直せないまま、床面がせまってきた!!

彼女は覚悟を決めた!!


その時!

思ってもいなかった方向から、聞き慣れた優しい声がきこえた!


『ボクはここにいるよ 諦めないで!あなたのお肌』


倒れ行く中で聞いた懐かしく優しい声は彼女を奮い立たせた

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