教えて下さい
「母さん、魔法を教えて下さい。」
カイトは7歳になり日々この世界や自分の事について学んでいた、
例えばこの世界の名前はエルダーといって6つの大陸がある。
魔王が治め魔族が住む 魔界
竜王が治め亜人族達が住む ドラン大陸
人王達が治め人族が住む エルダー大陸 ライト大陸 ヒノ大陸
そして、カイト達のいる妖精王が治め多種多様な種族が住む エデン だ。
エデン以外は基本的にきちんと住み分けられていて種族毎に国や街や村がありそこで暮らしている、
エデンだけは多種多様な種族がいるので第1〜第10の地区に分けて妖精王と9人の区長による評議会によって成り立っている、
国ではないがそのおかげで本来魔族である吸血鬼のリサとカイトが住む事が出来るのだ、
6大陸の中で魔界だけは他の大陸との交流が無い、何故なら魔族は他種族と仲が悪く度々魔界内でも戦争しているので危険だと思われているのである、
以前リサに「母さんは何故エデンに来たのですか?」と聞いた所「カイトが生まれるちょっと前に吸血鬼族と他の魔族との間で戦争があって沢山仲間が死んじゃってね、…カイトのお父さんもその時に亡くなっちゃって、私はお腹のカイトだけは守らなきゃ‼︎って思って魔界を出たの、それで私達が住めて戦争の無い所を探している内にエデンに来たって訳。」
他に吸血鬼について聞いた時は、
「吸血鬼は元々は人族で悪魔と呼ばれる物を身体に取り込んで魔族化したと聞いてるわ、初代吸血皇帝様を 真祖 、真祖の血を引く吸血鬼を 始祖 、始祖の血を引く吸血鬼を 第1眷属 、第1眷属の血を引く吸血鬼を 第2眷属 、段々血が薄まって第6眷属までが吸血鬼といって真祖と始祖はそのまま 真祖吸血鬼 と 始祖吸血鬼 、第1と第2が 上位吸血鬼 、第3と第4が 中位吸血鬼 、第5と第6が 下位吸血鬼 、と呼ばれるわ。」
「血が薄まると何が違うのですか?」
「徐々に能力が下がるのはもちろん、弱点も増えるし何より上位吸血鬼以下は固有能力が無いわね。」
「固有能力ですか?」
「そうよ、上位吸血鬼までは個人の魂に合わせて特別な能力があるの、だから上位吸血鬼までは吸血貴と呼ばれたりして他の吸血鬼とは別に見られるわ。」
「母さんにも固有能力があるんですか?」
「ええ、もちろんあるわよ、カイトにもあるはずよ、ただ、固有能力は吸血鬼として安定しないと発現しないからどんな能力かはまだ分からないわね、」
「吸血鬼の安定って何ですか?」
質問ばかりするカイトに苦笑してリサは、
「ふふ、…そうね、カイトは吸血鬼にある種族特性って知ってる?」
カイトは村で人に聞いたり本で見て知った知識と前世の記憶などから考えて、
「ええと、僕が聞いた話だと吸血鬼は不老不死でとても強い事、名前の通り血を吸う事、太陽の光に弱く昼間は外に出ない種族である事位ですかね?」
カイトの答えにリサは、
「そうね、カイトの言う通りの種族特性がある事は事実ね、ただそれはすべての吸血鬼族が混ざっちゃってるわね。」
そう言ってリサは吸血鬼族の特性を教えてくれた、
まず、基本の能力として 『魔力と生命力がある限り不老』 『他者から魔力と生命力を吸収』 『超回復』 『剛力』 『身体を魔力によって変化させる』 『闇属性化』 『魅惑眼』 がある。
不老不死は 不老、 吸収、 超回復、 の効果でそう見えるだけで実際は長寿で死ににくいだけで、
強いのは 剛力、 魔力変化、 超回復、 固有能力、 等戦闘に向いた能力が理由で、
血を吸うのは昔 吸収、の劣化した中位や下位吸血鬼の能力 『吸血』 による被害が広まった為だという事で吸血鬼=血を吸う存在という風に伝わっている、実際は上位吸血鬼以上は血を吸って魔力や生命力を吸収する必要は無いとの事だ、
太陽の光に弱いというのは吸血鬼の属性が闇属性なので、光属性や聖属性に対してダメージを受けるので回復が追いつかない吸血鬼族は昼間は外に出ないらしいと吸血鬼について補足説明してくれた。
「なるほど、知らなかったです。確かに母さんが血を吸っているのを見た事は無いですね、日光についても回復が追いつけば外に出られるんですね。」
「まぁ、直接日光に当たらなければ大丈夫だし帽子を被ったりローブを羽織ったりする裏技もあるわ。」
ーーーという具合にリサは色々な事をカイトに教えてくれたのだった。