冒険者ギルド5
カイト達が当初の目的である馬の、かしだ貸し出しについて聞くと、
「はい、冒険者であれば1日銀貨3枚で馬の貸し出しを行ってます。
そして返却の際は近くの冒険者ギルドに返却して借りた日数分の代金を支払う形になります。また、馬が返却出来ない状態になったり自分が借りた馬を一般の方に又貸しや利潤目的の馬の使用が発覚した場合は前者は馬の買取、後者は罰金として金貨20枚を支払って頂きます。」
馬の買取は分かるけど金貨20枚はものすごく高いな…日本円で約200万円か。
カイトはそう思ったのでポーラに聞いてみた、
「又貸しで金貨20枚ってものすごく高いですね?」
「そうですね。この罰金については昔ギルドを騙して運搬をしようとしていた商人がいたので冒険者ギルドが舐められないように高額の罰金になった様ですね。…ちなみにその商人は信用を失ってどこの国でも商売が出来ず盗みを繰り返して捕まり処刑されたらしいです。」
なかなかエグいな、今の規則だとギルドに敵対したら罰金を取られたうえに冒険者ギルドのあるほぼ全ての大陸から信用を無くし路頭に迷う訳か…
「怖いですね。だけどギルドが甘く見られない様にするのと再発防止といった意味では理に適ってますね。
まぁ、しっかり冒険者としてギルドから支援を受ける分には問題ないですよね?」
ポーラは頷き、
「はい、今回の場合は依頼の為では無いですが問題無いと思います。冒険者ギルドとしても格安で貸し出すとはいえ利益は出ますから…僅かですけどね。」
「でしたら馬の貸し出しを希望します。
アイリスとハクアもそれで良いか?」
カイトが聞くとアイリスは
「問題無いわ‼︎」
と腕を組んで頷きハクアは申し訳なさそうに
「私も問題ありません。というより説明までカイト様に任せきりで申し訳ないです。」
と答えた。カイトは謝ってきたハクアに首を振って、
「気にするなよハクア、友達の為に力になるのは当たり前だろ?」
と言った。ついでにアイリスも便乗して
「そうよ‼︎ 友達は助け合うものだわ‼︎」
とドヤ顔で言っていた。
「お嬢様もこう言っているし本当に気にするなよ。
それで?馬は2人で1頭で良いか?」
ハクアは2人の言葉を聞いて笑顔で頷いた。
「はい、2人で1頭でお願いします。それと、できれば小柄で体力のある馬が良いです。」
カイトはハクアからの要望をポーラに伝えた。
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「わかりました。では、馬の用意をするので出発の準備が出来たら2時間後位に村の入り口に来てください。」
「はい、ポーラさん色々ありがとうございます。」
各種手続きも終わったのでカイト達はポーラにお礼を言って冒険者ギルドを出ることにした。
「助かったわポーラ‼︎また会いましょう‼︎」
「本当に助かりました。ありがとうございます」
「私も中々出来ない経験をさせてもらって驚いたけど久々に楽しい受け付け業務だったです。ありがとうございます。」
「僕は家からも近いから魔法の訓練が終わり次第また来ますよ。その時はまた担当してください。」
「わかりました。3人共また会えるのを楽しみにしてます。」
こうしてカイト達3人は冒険者ギルドを後にした。