冒険者ギルド
3人は冒険者ギルドの中に入ると辺りを見た、ギルドの中は日本の酒場とホテルの受付と市役所の窓口を合わせた様な感じだった。
中は結構賑わっており多種多様な人がいて種族にこだわらず仲間を作っている様だ。
「此処が冒険者ギルドの中か…色々な種族の人がいるな、さすがエデンだ。」
「そうですね。他の大陸の国では1人2人の異種族はいてもここまでバラバラでは無いでしょうね。」
「でも、私達が1番珍しいと思うわよ。ハイエルフと吸血鬼の子供なんてエデンでも普通無いわよ。」
確かに、自分達が1番珍しい組み合わせだった。
「そういえばそうだな…」
「お嬢様の言うとおりですね。 それで冒険者ギルドに来ましたけどどうします?」
「そうだな、まず受付で聞いてみるか?」
「ええ、そうしましょう。」
どうすれば依頼をできるか分からないので3人は受付に聞いてみる事にした。
「あの、すみません 聞きたいことがあるのですが良いですか?」
「あら?君たちどうしたの?冒険者ギルドに何か用かしら?」
カイトが話しかけると15歳位だろうか?アイリスやハクア程では無いがなかなか美人の受付嬢が応えてくれた。
「ええとですね。依頼を出したいのですけれど…」
そう言うと、おそらくは猫人族であろう受付嬢は耳をピクっとさせて驚いた風に
「君たちが依頼を出すのかニャ⁉︎……失礼しました、依頼を出すんですか?」
…今、ニャって言ったよな?と思ったがカイトは前世のアルバイトで鍛えた笑顔の表情で軽くスルーした。
「お嬢様、彼女今ニャって言いましたよね?」
「言ったわね‼︎」
後ろで2人が何か言ってるがそれも軽くスルーした。
「子供が依頼するのはダメですか?」
「いえ、大丈夫ですよ。ただ君たち位の年齢の子が依頼するのは珍しいですね。冒険者登録ならそれ程珍しくは無いですが。」
まぁ子供が依頼するのは珍しいだろうとカイトも思ったので彼女が驚くのもしょうがないだろう。
「それで依頼するにはどうすればいいですか?」
「そうですね〜その前に依頼の内容を聞いてもいいですか?」
「はい、実は後ろの2人が近くの森で魔物に馬をやられてしまい故郷に帰れないので冒険者の方に護衛混みで送ってもらいたいと思いまして…」
カイトが説明し始めると彼女はメモを取り質問を続けた。
「なるほど、後ろのお2人の故郷はどちらになりますか?」
受付嬢が聞くとハクアが、
「私達の故郷は第1地区の南にあるエルフの里です。」
「エルフの里ですか、馬で3日程の距離ですね。依頼料はどの位ですか?」
「僕たちでは相場が分からないので…どの位が良いですかね?」
「そうですね、護衛の依頼でしたらCランクの冒険者1人辺り1日銀貨20枚〜30枚程ですね〜。まぁ冒険者のランクで変わりますけど。」
むぅ、ちょっと高いな…俺達の予算は2人が銀貨7枚で俺がリサから預かった銀貨が13枚だから合わせて20枚か、食事無しで1人雇えるかどうかだな、やはり後払いができるか聞いてみるか。
「少し予算が足りないですね。ギルドでは後払いはできますか? …駄目なら馬を貸してもらえたりできますか?」
受付嬢はちょっと困った顔をしたが直ぐに表情を直した、さすがプロだ。
「ギルドでは後払いはできないですね、金銭トラブルを招きやすいので完全先払いが冒険者ギルドのルールですので… でも、冒険者登録すれば冒険者支援として馬の貸し出しはできます。ただ君たち3人は子供だし…ある程度腕に自信がある方なら勧めるんですけど。」
受付嬢は申し訳なさそうな表情をしているが カイト、アイリス、ハクアは顔を見合わせてニヤリと子供らしく無い笑顔で言った。
「「「冒険者登録します(するわ)‼︎ 」」」
こうして3人は冒険者登録をする事にした。