友達
「カイト…あんた吸血鬼族なの? それにこのステータスって…。」
「8歳のステータスでは無いですね…私は吸血鬼族を見たことが無いのでカイト様が特別なのか吸血鬼族が皆そうなのかは分からないですが。」
カイトのステータスを見て驚いていた2人だが次第に落ち着いてきた様でやはり吸血鬼について聞いてきた。
「そうです。僕は吸血鬼ですよ、ステータスについては今日初めて知りましたので分からないですが。…やはり吸血鬼は怖いですか?」
2人なら気にしないかもと思ってステータスを見せたカイトだが、やはり吸血鬼は駄目か…と少し悲しくなった。
アイリスとハクアはカイトの悲しそうな表情を見て後悔した。確かに吸血鬼族はいい噂を聞いた事が無い、だが目の前の少年は何の得もないのに魔物に襲われていた私達を助けてくれたのだ。
「怖く無いわ‼︎ だってカイトだもの‼︎ …まぁ少し血を吸われるのは怖いけどね。」
「私も怖くありません‼︎ 吸血鬼は生きる為に血を吸うのですから。カイト様になら血を吸われても大丈夫です。」
カイトは思った。
……………………どうしよう?2人の気持ちはとても嬉しいが吸血鬼についてだいぶ間違ってる。しかも、2人とも若干頬を染めて首筋を見せている状態だし。
「えーと、2人の気持ちはとても嬉しいんですが、僕は血を吸わないですよ。」
「「…………え?」」
首筋を出したまま固まる2人。
「血を吸うのは能力で生きるだけなら必要無いです。しかも、血を吸うのは中位以下の弱い吸血鬼だけですよ。」
「…そうなの?カイトは血を吸わないの?」
「そうですね。今まで吸った事は無いですね。」
「お嬢様、私は恥ずかしさで死んでしまいそうです。」
「大丈夫ハクア私も同じよ。」
2人はカイト話しを聞いて真っ赤になっていた。
「まぁまぁ、僕は2人の気持ちをとても嬉しく思いますよ。2人と友達になりたいと思う程。」
「友達?」
「友達…ですか?」
カイトは照れながら2人に言った。
「はい、僕は吸血鬼ですけど良ければ僕と友達になってくれませんか?」
そんなカイトに2人は顔を見合わせて笑った。
アイリスは嬉しそうに、
「良いわよ‼︎カイトを私の友達にしてあげるわ‼︎」
ハクアは若干照れながら、
「私なんかで良ければ是非よろしくお願いします。」
カイトは嬉しそうに笑って。
「はい、こちらこそよろしくお願いします‼︎」
この日カイトに初めての友達ができた。