プロローグ
初投稿の作品なんで暖かく見守って下さると嬉しいです、感想、指摘お待ちしてます。
俺の名前は霞 海斗 17歳 成績は中の下、運動は上、容姿は中の上、赤ん坊の時に捨てられて児童施設で育ち、少々異常な数のアルバイトをしている事を除けば普通の高校3年生だった筈だ。
・・・だった、そう『だった』なのだ、もちろん退学になった等では無く理由は単純明解で死んでしまったのだ。
その日の俺はいつも通りに朝日が昇る前に起床し新聞配達のバイトとランニングを兼ねて町内を一周、
戻って来たらシャワーを浴びて朝食の準備、
準備が出来たら皆を起こしに行く、起こす順番は始めに院長、先生達、歳の順に子供達、
皆を起こして食堂に集まったら朝食、
朝食を食べ終わったら食器を片して学校に行く準備、
支度が終わったら登校、(学校は徒歩で30分の距離)
教室に着きクラスメイトに挨拶しそのまま談笑、
いつも通り授業を受ける、
放課後クラスメイトに挨拶して下校しそのまま駅前のホテルで室内清掃のバイト、
清掃のバイトが終わるとそのままホテルの1Fのレストランでウェイターのバイト、
それが終わると近くのクラブで警備員のバイト、
と、ここまでは普段と同じ様な日だったのだがその日は違ったのだ、
海斗が警備していると人相の悪い染髪にピアスに派手な服の2人組がクラブから出てきた女性に絡み始めたのだ、
「オネーサン帰るのー? 俺等が送ってヤるよ‼︎」
「おめーヤるの意味がちげーだろwww」
「結構です‼︎通して下さい‼︎」
「イイじゃん、送ってヤるよ」
そう言って1人の男は女性の手を掴みもう1人の男は女性の肩を抱いた、
「嫌‼︎ 離して‼︎」
女性は嫌がってる様なので海斗は止めに入った、
「あの、そちらの女性は嫌がっている様なので離してあげて下さい。」
ーーー海斗は染み付いた接客精神で基本 不良だろうが他人には丁寧語なのだーーー
男は海斗を見ると睨みながら、
「んだ、てめー‼︎殺すぞ⁉︎」
海斗は、
「僕はここのクラブの警備員でして、ここでの揉め事は遠慮して貰えますか?」
「あぁ⁉︎舐めてんじゃねーぞ‼︎」
そう言って男達はいきなり殴りかかって来た、しかし海斗は幼少時より院長に古武術を習っており素人の拳など当たらない、男の拳を避けると襟首を掴み背中に膝で一撃入れて気絶させるともう1人の男に向かって
「…遠慮して貰えますか?」
と笑顔で言った、男は
「わ、わかった‼︎ 」
そう言って気絶した男を背負って走っていった、
海斗はため息を吐いて女性に夜の1人歩きは危険だと告げた、
女性は気を付けると頷いて海斗に御礼を言って帰って行った、
その後は何事も無くバイトは終了したので海斗は帰り道を歩いていた、
事が起こったのはその時だった、
ゴーーーーーーーー
車の音が聞こえて来たので海斗が何気無く振り向いた瞬間 ドカン‼︎ という音と共に身体に凄まじい衝撃が走った、
車に撥ねられた海斗は朦朧とする意識で車の中に染髪にピアスに派手な服の2人組の男を見た、
次第に暗くなる視界、感覚の無い身体で海斗は
ーーー何故?ーー悔しい
ーーー明日の朝食作れないな…
などという事を考えながら17年の短い人生を終えた。