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とある学院の人々  作者: 水無月 重荷
序章 『ロア』たち
3/13

2話 『学院』

ここから少し話が長いです。

序盤から流れが変ですみません。

数十メートルはある防壁に囲まれた、巨大な国。

ほぼ正方形に、防壁によって囲まれている外側、壁のすぐ近くから内側まで、多くの範囲は農業が行われている。

中心に近くなると、数十メートルの防壁で円形に囲まれた都市がある。

コンクリートで固められたような都市の中心には、その中では特異な石造の宮殿があった。

『宮殿』には王族が住んでいる。

しかし、この国では、王族いるといっても絶対王政というわけではない。

王、都市の外側の人間の代表、都市の内側の人間の代表、兵士長、そしてハンターの代表の5名の話し合いによって、法などが決められていた。



『学院』

それを知っている人々が、そう呼ぶ場所が、その都市の中にある。


コンクリート製の普通のビルのような建物。

看板も特に無い。

細く、狭く、寂れている。



そこの1フロアに、6人の人間がいた。


「早かったね。お疲れ様。」

黒髪黒目、メガネをかけた男が言った。


「・・・ビックリだ、トーマ先生からそんな言葉がでるなんてねぇ。」

キースが驚いたように言う。

「大丈夫、多分このあと爆弾発言をしてくれるって、このヒトなら。」

と、ティアが返した。



「おお、わかってるねティア。

爆弾発言とまでは行かないと思うけど、君たちには少し話があるんだ。」

と、トーマがいった。


「ま、爆弾発言ってほどでもないかもしれないけどね。

君たちを、今より少し上の段階まで育ててみようかなと思ってね。」

と、トーマは続けた。

「急にどうしたんですか。今までは基本くらいしか教えてくれなかったじゃないですか。」

とロアが訊いた。



トーマは、

「・・・戦争が近づいている気配がある。

はっきりと決まったわけじゃないけど、不自然に物価が上がっているし、『宮殿』も兵士の増員を決めた。

これは多分、魔族とかなり本気でぶつかるつもりだ。

どんな状況になるかはわからないけれど、多分死傷者は4年前の戦争を軽く超えるだろう。」

といった。


それを聞いて、ロアは少し暗い表情になった。

ロアは、4年前の戦争に兄と父親が兵士として参加し、戦死している。


「ま、もし起こったとしても、君たちが参加するかどうかは自由だ。

まだここで教わってたいというなら、残ればいいし、今回に兵士として参加してもいい。

ただ、どちらにせよ無関係というわけにはいかないだろうね。

君たちは一応全員ハンターとして登録してるし、結構強制に近い形でなにかしら関わることになるだろう。

・・・まあ、起こったらの話だけどね。

意外と僕も自信はない。

準備しているからといって確実に戦争が起こるわけでもないだろうし、ね。

でも、とりあえずは一つ上の段階まで進めておこうと思ったんだ。」


ロア以外も、それを聞きながら複雑な表情をしている。


「じゃあ、とりあえず訊いておこうか。

君たちは、ま、起こったらの話だけど、どうするつもりだい?」


「兵士として参加します。」

ロアが即答した。

「俺がここに入ってくるときに言ったように、俺は魔族を殺すために先生の教えを受けてきました。

ちょうどいい敵討ちの機会です。

俺は参加します。」


「ん~、僕は多分残ります。

僕は外の世界を見てみたいなぁ、って思ってハンターになるためにここで教えてもらってるんで。

そんな血生臭いことは遠慮しときたいです。」

とキースが続いた。


ミーナも続いて

「私も残るわよ。

私は、魔族っていっても種族が違うだけで、同じヒトだと思ってる。

人間の中での差別に反対する人たちが多数なこの時代に、なんで魔族だから、人間だから、なんて理由で戦うのかまったく理解できないわ。」


「私も残る。

ほぼミーナと同意見。

あとは、まあ、戦いを学んでるのなんて、都市の中でくだらない職業について一生を終えるなんてイヤだったからって理由だから。」

とティアも言った。


「俺は・・・起こってから決めます。

この国は護りたいですけど、俺は直接魔族に恨みがあるわけでもありませんし。」

と、最後にアークが言った。


他の人には聞こえないような小さな声で、

「・・・なんか俺だけ暴力的みたいじゃねえか。」

とロアが呟いた。



「さて、意外と残るみたいだね。

ま、訊いたのに深い意味はないんだけどさ。

本題に行こうか。

一つ、上の段階ってヤツだ、けど、先に一つ質問するよ。

さっきのとは違って、コレは重要。」

トーマが言った。


「・・・君たち5人の中で、一番要らないのって、誰だろうね?」


長いので分割しました。あと数話こんなんが続きます

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