白
掲載日:2026/05/22
五作目
少年は足を踏み出した、空虚な白い空間へと。
同時に思い出が白に消えていく。彼は後ろを振り向く。
確かなものがあったはずだと消えた思い出を追った。
——しかし、空白がその視線を包んだ。
少年はしゃがみ込む。視界は無機質な白へ映る。
何かに押しつぶされたように彼の内側は崩れた。
小さな欠片を追って空を仰ぐ。
自分はまだ消えていないのだと知りたくて。
——手は白を切った。
突然に青の洪水が少年を襲い、異質な黒い空間に変わる。
彼は自分が飲み込まれてしまうのだと知ってしまった。
光を探して踏み出す少年。それは自分のものだと。
——輝きが映る。
彼は羽を広げる。世界が金色に包まれる。
重さは失われた。
閲覧ありがとうございました。感想や評価してくださると嬉しいです。




