19/25
私の夕日
寝言がうるさいということで個室に移されたのは良いのだけれど、
誰もいないのは逆に静かすぎて眠れない。
私はカーテンを開けて差し込む月光を楽しんでいた。
月光に私の肌が透き通り、混ざり合って行くようだった。
「このまま、楽に私を連れて行って欲しい」
私がそう呟いても彼らの沈黙は続いていた。
私が犯したわけでもないし、誰かが悪いわけでもない。
なのに私は誰かの償いをしているようだ。
多分、世界はこうやって帳尻を合わせているのだろうと思った。
日の出は今日一日の合図みたいなもの。
誰もそれを拒めない。
私は一日中、外の景色を見ていた。
歩く人、飛ぶ鳥、車に飛行機。
みんな役割を与えられて動いている。
お昼過ぎまでしのいだら、ご褒美のような夕焼けが私を迎えてくれた。
お陰で私は夕日が好きになった。
残された時間はあまりないようだから、せとうちの夕日から見て行こう。
そしてこの感動をあの人に託そう。
私はそのように考えるようになっていった。




