表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄されたので辺境で本気を出したら、王国の制度を全部書き換えてしまいました ―戦わずに国家を動かす追放領主の改革録―  作者: 水無月カレン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/101

第74話「選ばせる秩序」

グランデル港。


新しい掲示板が設置された。


大きな地図。


その上に、色分けされた航路。


青。

緑。

そして――赤。


商人たちが集まる。


「これは何だ?」


役人が説明する。


「世界基準航路評価です」


ざわめき。


エリスが前に出る。


「青は安全航路」

「緑は中立」

「赤は危険航路」


誰もが分かる。


黒海は、赤だった。


ガルドが低く言う。


「露骨だな」


レオンは静かに答える。


「見えるようにしただけだ」


その下に数字が並ぶ。


保険料。

到達率。

過去の被害。


すべて公開。


カイナが笑う。


「これで船長は迷わない」


レオンは頷く。


「迷わせない」


商人が呟く。


「赤は……無理だな」


別の者も頷く。


「保険料が跳ね上がってる」


「利益が出ない」


選択が変わる。


命令ではない。


だが確実に。


その頃。


黒海。


ラグナーの元に報告が届く。


「航路評価が公開されました」


紙が渡される。


ラグナーはそれを見る。


赤く塗られた黒海。


数字。


損失率。


「……なるほど」


部下が苛立つ。


「ふざけた真似を」


ラグナーは笑う。


「いや、上手い」


港を見る。


いつもなら来るはずの船。


来ない。


静かな海。


「船が減るな」


低い声。


「だがゼロにはならない」


部下が言う。


「命知らずはいます」


ラグナーは頷く。


「そこだ」


目が光る。


「残った奴らを狙う」


その頃。


グランデル。


レオンは次の手を打つ。


「優遇航路制度を導入する」


エリスが書き留める。


「基準航路利用者には税減免」


「補助金も出す」


ガルドが笑う。


「完全に囲い込みだな」


カイナが言う。


「黒海に行く理由がなくなる」


レオンは静かに言う。


「それが狙いだ」


信用は押し付けない。


だが環境を作る。


その結果――


自然に選ばれる。


数日後。


統計が出る。


黒海航路利用率、急減。


基準航路利用率、急増。


エリスが震える声で言う。


「……動いています」


レオンは海を見る。


「まだだ」


黒海は沈んでいない。


だが確実に削られている。


一方。


ラグナーは静かに酒を飲む。


港は以前より静かだ。


だが彼の目は冷えていない。


「信用は人を集める」


小さく呟く。


「なら」


杯を置く。


「恐怖は人を縛る」


立ち上がる。


「逃げられない場所を作る」


部下が息を呑む。


「何をする気ですか」


ラグナーは笑う。


「簡単だ」


その言葉は軽い。


だが重い。


「航路を潰す」


沈黙。


黒海は、ただ待たない。


次は攻める。


世界基準航路へ。


信用の道そのものを。


戦争は次の段階へ入る。


選ばれる秩序と、


逃げ場を奪う秩序。


その衝突が、始まる。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ